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エディンバラ暮らし|作ること食べること

王立植物園で野菜を育てている話を以前書いたけど、ある日の回がとんでもなく豊作だった。



10:00 雑草の手入れから始まる


朝から植物園へ向かう。前回種を植えてもう空き地がないので、この日は種蒔きはせずに雑草の処理だけ。

雑草はまとめてコンポストにする。
ミミズや虫や微生物の力を借り、6ヶ月かけて土に戻していく。分解を促進する薬剤は入れず、生き物たちのなすがままに任せる。分解中の雑草はわずかに熱を放出していた。これがバイオマスエネルギーかあ〜と感心する。この日のオーガナイザーEさんが「素晴らしいでしょう、Golden Brown」と土になった元雑草を指差した。

以前Permacultureのオンラインミーティングで「雑草はどう付き合ったら良いですか」と素人質問をしたとき、いろいろとやり方を教えてもらった。

・コンポスト
・根っこは残しておく(土を柔らかく育み、固くなるのを防ぐ)
・食べる(イラクサなどいくつかの雑草は食材になる)
・植え直して美しくアレンジする(Garden Editing)

などなど。色々あるみたい。


11:00 たくさん(ほんとにたくさん!)収穫する

あちこちの畑でいろいろな野菜が収穫期を迎えていた。ケール、豆、ネギ、ネギの花、黄色いズッキーニ、そして大量のレタス。

ハサミを使って丁寧に摘むのかと思いきや、手でもぎ取っていくから意外とラフだなと思った。湿っていたり、明らかに食べられない部分はこの段階でむしり取ってコンポストにする。

紙袋いっぱいの野菜と、それとは別に見事なレタスを1人一玉いただいた。どうみてもゴミ袋な見た目のレタス袋に通行人は物珍しげな目を投げかけた。


14:00 食材として食べられる状態にする

フラットに持ち帰って汚れを大まかに落とす。畑で獲れたままの野菜だから、土がたくさんついてるし葉の間には虫やナメクジが住んでたりする。フラットメイトは虫の類いが大嫌いなのでここは丁寧にやっておく。
この段階でも食べられないなと思うような微妙な部分は捨ててしまう。スーパーの野菜、あれはだいぶ剥がされたあとの姿なんだなあ。

レタスなどは水にさらしておくと鮮度を保てるとのことだった。なので茎の部分を花瓶に生けてみたけど、こういうことじゃなかったかもしれない。

さてこの大量野菜をどう捌いていこうか。あろうことか3日後に引っ越しを控えていた。自分で使い切れるよう試みるのが前提だけど、フラットメイトにも少し協力してもらおう…




16:00〜 料理する、食べる

まずはサラダ。それからオリーブオイルと塩でマリネした野菜ソース、スープを作った。


スーパーのパックで売られているものは鮮度を保つために真空になっているのに対して、畑から直接食べるものはまだ生きているからおいしさが違うよ、と言っていたけど。
たしかに全て美味しい…!パリッとしていて味が濃ゆい。花瓶に生けたレタスは日が経つごとに萎びていくように見えたけど、それでもずっとパリパリで驚いた。



気づいたら1日が終わっていた。
朝から土のケアをして野菜を収穫し、それを料理して食べる。これだけで忙しいし結構疲れる。

いまは生産も流通も大規模で発達していて、料理の保存・加工技術も素晴らしい。仕事や趣味やその他やることが多い今、栄養は短時間で効率的に摂ろうとするし、それを支える仕組みも整っている。

だから、自分が食べるものを自分で用意するという極めてシンプルなことが、本来、相当の手間ひまの元に成り立つという事実に改めてはっとした。育てて作って食べる。これだけで十分忙しいし、満足だ。

そうはいっても私はこれからも他の人が用意してくれた世界中のあらゆる料理を楽しむと思う。このnoteだってケンタッキーで書いてるし。ただ、自分で野菜を育てるということは帰国後もやってみたいなと思った。

伝統料理スコッチブロス

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