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【司法書士】事務所独立開業マニュアル【コンプリート】

 こんにちは。司法書士の加陽麻里布(かようまりの)です。私は、平成29年11月に司法書士試験に合格し、平成30年9月に独立開業いたしました。

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 はじめは、ワンルームの自宅を事務所として登録して、スタートさせました。独立から3カ月後、千代田区永田町(永田町駅から歩いて10秒の超一等地)にオフィスを構え、その1年後には、司法書士を雇用するにまで至りました。

 独立開業を考えている方の参考になるよう、実体験に基づく多くの情報を皆様に提供したくて、開業マニュアルを作成いたしました。

司法書士でなくても士業の先生の参考になればと思い、作成いたしました。ひとりでも多くの人にこの業界での独立に夢や希望をもっていただけたら嬉しいです。

※長いので目次から気になったところだけ読んでください

0.はじめに-経歴-

わたしの経歴はザっと下記のとおりです。

・平成29年11月  司法書士試験合格
・平成30年1月-8月 個人事務所勤務
 →研修受けながら勤務(修行)して、7月に辞める意向を伝え残務期間の1カ月で開業準備

・平成30年9月 司法書士事務所開業

独立まではかなり早かったほうです。司法書士に限っては、勤務年数は全く重要ではありません。勤務中何を学んだかが1番重要です。

1.士業独立のメリット

(1)収入が激増・ストレス激減

勤務司法書士の月収は、月25万円~70万円程で、多くの人は、月収30万円くらいです。独立して、一国一城の主となり、やり方次第で収入は無限になります。あとでご説明しますが、食いぶちには困りません。

私は勤務していたとき、年収300万円でしたが、独立後は、比べ物にならないくらい稼いでます。

また、誰の指図も受けることなく「好きなように」生きていけることも大きなメリットです。人生1度きり。好きなように生きたい。そんな希望を叶えてくれるのが独立開業です。

(2)設備投資にお金が掛からない

司法書士事務所の開業費用はズバリ、会への登録費用10万円含み、初期費用30万円以内でスタート可能です。設備投資にお金が一切掛からないのは最大のメリットです。他業種に比べて格段に独立開業しやすい職種であることは間違いありません。

飲食店や病院のように設備投資にお金が掛からない分、事務所を買うという概念が無く、後継者不足に悩む先生も多い業界です。とはいえ、最近は士業のM&Aも増えてきているみたいです。

現在はオンライン申請が主流ですので、法務局の近くに事務所を構える必要性は一切ありません。後にご紹介しますが、自宅兼事務所として開業する場合は、さらに安くスタート出来ます。

(3)廃業リスクほとんどなし

デメリットでも紹介しますが、独立後仕事がなかったら…?と聞かれますが、仕事がないことがまず有り得ません。業界にいる者として、ハッキリ言いますが業界は、仕事はあるが資格者不足の現状です。

報酬を問わなければ、決済ヘルプ(スポットで決済現場にいくだけの仕事)がある限りは廃業はあり得ませんし、成年後見業務のリーガルサポート会員となり、資格をもってさえいれば獲れるなんだかの仕事は絶対にあります。

だからこそ、9割の司法書士は廃業していないのだと感じます。

2.士業独立のデメリット

(1)失敗リスク

当然「起業」なので失敗のリスクはいつだってございます。しかし、司法書士という資格さえあれば、どこにでも就職出来てしまうのが業界の現状です。初期費用なんてせいぜい100万以下です。そんなの失敗したっていいんじゃないですか。また勤務すればすぐ返せる額です。だからリスクらしいリスクってハッキリいって何もないです。

(2)資金・営業力

「独立して、仕事を獲れなかったらどうしよう…」そんな心配もあるかと思いますが、決済ヘルプ(スポットで決済現場にいくだけの仕事)がある限りは日銭に困ることはありませんし、成年後見業務のリーガルサポート会員となり、月額報酬をもらうことも出来る資格なので本当の意味で「仕事がない」「お金に困る」という事態は発生しないかと。

3.お客様をもって独立するのが当たり前…?

私は、人脈も当てもなく、独立しましたが独立月から仕事はございました。私が知っている独立した人の大半は、人脈ほぼ0からスタートしています。案外なんとかなるものです。こういう書き方したら無責任かもしれませんが、本当にそうです。

大手司法書士法人の代表者の方と毎月情報交換をする機会がありますが、どこも採用の話ばかりです。どうしたら、資格者を採れるか。その話しか、むしろありません。笑

そこで必要とされるのが「外注」です。独立直後は、資金がまわらなければハッキリいって外注受ければいいです。いわゆる決済ヘルプです。どこでも受けさせてもらえます。大体日当2万5千円~3万円です。それより低いところは絶対受けなくていいです。国からの仕事もあります。

当然、本位ではない人もいるかと思いますが、どうしても仕事がないといったときは、こうやってフリーランス的な仕事があり食い扶持に困らないことさえ知っていれば、独立に対する不安も少し解消されますよね。

フリーランス的な仕事もしながら、自分のパイプを探していくものです。すぐ見つかりますよ。本当に驚くほどあっという間に。すぐです。お客さんをもってからでないと独立できないなら、ほとんどの人が独立出来ないです(笑)

初期費用かからず気軽に独立できるところが1番の魅力。思い立ったときがチャンスです。

4.独立までどのくらい勤務するべき?

よく3年働いてから独立を…と言う人がいますが、働いた年数は特段意味を持ちません。本当に大事なことは、働いている最中に、何を学んだかということです。私は、勤務期間は、他の人に比べて短い方ではございますが、独立を前提に事務所で勤務していたので当該短期間で、吸収したものは、漠然と長期間働いている人の何十倍もあったという自負があります。

即独立(即独)は少し特殊ですが、形式的な実務の運用や事務作業を覚えれば独立に必要な司法書士としての経験としては、十分です。

5.開業準備期間はどのくらい…?

開業準備をスタートさせて、終了までは1ヶ月程かかります。詳細は下記「7.勤務中(独立まで)に準備必須のもの」をご参照ください。

勤務している事務所へ退所の意向を伝えて、残務を行う期間が1ヶ月程あるかと思います。この期間に開業準備をいたしましょう。

6.独立するまでに勤務事務所で意識的に学ぶ点

独立までに、案件を重ねることも当然大事ですが、それよりももっと大切なことがあります。もし、あなたが今事務所にいるならば、残りの期間これだけは意識して学んだ方がいいものがございます。

(1)経営者目線

あなたが事務所に勤めているということは、少なからず雇用主がいるということですよね。あなたがこれから独立するに当たり、今、学ぶべき大事なことがあります。

それは「従業員の使い方」や「事務作業」です。補助者がいるのであれば、補助者の使い方をみたりと経営的な視点から観察をして学んでください。どうやって書類を分けているのか等の事務作業も見落とさずしっかりと吸収しましょう。

実力は、実務で必ず身に付きます。そのため、今学べることは、経営者的視点です。いい例もダメな例もどちらも貴重なリアル体験です。しっかり学びましょう。

(2)案件獲得方法

事務所の所長(ボス)がどのように案件を獲得しているのか、今まで意識していなかった方も独立をする以上は意識して観察しましょう。お客様との付き合い方・会食の頻度もチェックしましょう。広報はどうしているのか等。事務所の規模によってマチマチとは思いますが重要なポイントです。

また、勤務している事務所が、案件の持込みをしてもいい事務所であれば、いまのうち、お客様を外で獲得して案件を持ち込んでみるのもいいと思います。私は勤務している最中も「独立の練習」をずっとしていました。

勤務時間終了後、見込みのお客様と飲んだり、あちこちの会合へ出席したりして、お客様と仕事を獲得してきました。獲得した仕事は務めている事務所に持ち込み、1から担当させていただいてました。これは大変勉強になります。

(3)書式等の取得

事務所で使用しているオリジナルの登記添付書類のひな型があれば、自分なりに加工して取得しておきましょう。あとでとても便利です。

7.勤務中(独立まで)に準備必須のもの

(1)司法書士会へ登録していない人は登録

司法書士会へ登録していない人は当然登録から行います。登録まで1カ月以上かかりますので計画的に行いましょう。辞めてから登録までのタイムラグほど馬鹿馬鹿しいものはございませんので、辞める意向を伝え、残務1ヶ月の勤務期間中に登録手続を行うことをお勧めします。

商業登記メインの事務所は、就職後1年は、司法書士登録させてくれない事務所も多く存在します。登録申請完了して、登録され、月報司法書士に掲載されるまでは、面接から2カ月程のタイムラグがあるため勤務しながら、登録申請の準備が可能です。

(2)電子証明書の取得

今までは、事務所の所長(ボス)の名前で登記申請等行っていましたが、これからは自分の名前で登記申請を行います。オンライン登記を利用するにあたり、登記申請代理人として電子署名する際の電子証明書を取得する必要がございます。

この手続きも1ヶ月かかります。私は、深く考えずに独立してしまったため最初の1ヶ月、泣く泣く書面申請で切り抜けていました。電子証明はないと大変不便ですので、勤務中に申込を行うことをお勧めします。必ず独立開業日までには取得しましょう。

(3)登記情報提供サービスへの申込

ネット謄本取得のための登記情報提供サービスへの申込には1週間程お時間がかかるため、事前に済ませておきましょう。

(4)オンライン登記申請システムの導入

オンライン登記申請システム(有料)の導入を検討している方は、必ず資料請求をしておきましょう。システム導入の必要性には、後ほど触れます。結論から言えば絶対に有料のものを導入した方がいいです。初期費用は0円で月額払いで仕事の9割効率化されるため、導入しない選択肢はあり得ません。

(5)アスクル会員登録

雑貨や文房具を購入する際は、アスクルの利用をおすすめいたします。安くて、当日中から次の日までに配送してくれます。アカウントの取得には、数日かかるため早めに申し込みましょう。

(6)固定電話・FAX番号の取得

ネット回線と固定電話の電話番号の用意も済ませておきましょう。電話番号は2つ(1つはFAX用に)取得しましょう。回線工事が必要な場合もございますので、早めに手配しましょう。

(7)職印の作成・認印発注

職印・認印はこれから何度も使用することになります。原本還付処理をする際に使う認印も1つだけでなく事務所用・持ち運び用に、2,3個発注した方が良いかと思います。

私は「印鑑の匠ドットコム」で制作しました。印影の確認がオンライン上でプレビュー表示されて良いです。

職印は、黒水牛の四角のものを購入し、認印は、3つ購入しました。

8.開業費用総額

1番気になる、開業資金についてお話します。私は、自宅兼事務所も経験していますし、オフィスを借りることも経験しているので、実体験を元にお話しいたします。

(1)事務所を借りない場合(自宅兼事務所)

内訳や詳細は、後に記載しますが、ズバリ、開業資金は自宅兼事務所の場合、司法書士会への登録費用10万円を含めて、25万円で収まります。

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※司法書士ソフトは、実質サブスクなので初期費用無料

その他、細かいところで言えば、電話機(コキ)を購入するかと思いますが、家電量販店で、SHARP製の1万円以下のものを購入しました(プリンター購入した際に付されたポイントで購入できればしましょう)。

ビジネスフォンの営業がもしかしたら来るかもしれませんが、高性能かつ無駄に高いだけですので、1人で開業する分には不要です。従業員が増えたら導入しましょう。

PCとスマホは、自前のものを使用していたため、本当に費用が掛かりませんでした。ただ自宅兼事務所は、怠けてしまう問題が常にあるため、私には合いませんでした。スタートにはとてもいいですが、事務所を借りるとオンオフの切り替えもうまくいくので、オススメは、ワンルームより少し広めの雑居ビルを借りることです!費用もこれに、+40万円くらいです。

名刺はアスクルで。封筒は、レターパックがメインなのでオリジナル封筒は最初のうちは必要ありません。どうしても欲しければ、アスクルで作成するのもありかもしれません。

(2)事務所を借りた場合

オフィスを借りる場合は、オフィスのクオリティにもよりますが、ワンルームより少し広めの部屋(雑居ビル)を1つ借りるくらいであれば東京で、総額50万程あれば開業可能です(司法書士会への登録費用抜き)。

私が借りた雑居ビルは、半蔵門駅徒歩2分で、家賃8万(敷金1、礼金2)です。

ガラス貼りやオシャレなデザイナーズオフィスのようなものを借りる場合は、オフィスの家賃×保証料もあるので、一概に言えませんが、最初からこのようなクオリティのオフィスは正直必要ありません。

まず、頻繁に来客があるような業種ではないことをご理解ください。また、司法書士事務所を開業するために融資を受けるなんて発想はあり得ないです。私の統計上、融資をうけてまで開業する人は、ほとんどの人が事務所の内装や家具と、直接的な営業になんら関係のないところに拘っている人です…

9.オフィス用品代(1から揃えた場合)

事務所を借りる際に、購入したオフィス家具等は以下のとおりです。私は、「ありがとう屋」という中古オフィス用品店で購入しました。「オフィス用品 中古」で検索すれば、たくさんの業者が検索にひっかかります。会社を移転するタイミングで購入したオフィス家具の発注書を公開します。

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事務所を借りる際、1から家具をそろえました。うちは、従業員がいるため、3名で執務することを前提に必要な家具を揃えました。1人で開業する場合は更に安くなります。

部屋の間取り図を持っていくと、CADで図面ひいてくれて、画面上に家具を置きながら実際に並べた感じが分かり、大きすぎた等の失敗をすることがございません。

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立体映像でもだしてくれます。このCAD映像には本当に感激いたしました。

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机、イス、キャビネット、プリンター置く台、ハンガーラックなどなど、結局26万円分購入いたしました。内訳みていただければ分かるように、1番たかかったのはイスです

1つ5万円、消費税込みで5万5000円でした。これを3つ買いました。

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イスは、良いものをかった方が集中力もあがるし、パフォーマンスもあがると思い、良いものにしました。従業員にももちろん良いものを購入しました。オカムラチェアの定価は40万円なので5万円は安いです。

10.これだけは妥協してはいけないもの

開業時、お金が厳しいのは、仕方ありませんが、どんなに厳しくてもこれだけは妥協してはいけないものが、2つございます。

1つ目は、椅子です。デスクワークメインの仕事ですので、椅子には、とことん拘った方が良いです。椅子が最悪だと仕事全体のパフォーマンスに影響が出ます。滅多に買い替える物ではないので、ケチって安いものを購入して長期に渡りストレスをためるなら、良いものを長く使用する方が良いに決まってます。

独立すれば一国一城の主です。大げさな椅子でいいんです。しょぼいイスに座って仕事をするのと、社長椅子に座って仕事をするのでは、マインドも仕事への取り組む姿勢も180度変わってきます。

2つ目は、参考書です。文献等の参考書に対してお金の出し惜しみだけは絶対にしてはいけません。私は、何か1つでも分からないことがあれば、当然ですがその1つの問いのために専門書を最低2冊は購入します。従業員にも分からないことがあれば私に許可をとることなく「すぐに買っていい」と日ごろから伝えています。

分からないことに直面したとき、ネット検索すると同業者や弁護士さんがブログに答えを書いていることも多々あります。しかし専門家として、それを根拠として、仕事をしていいのでしょうか。お客様の代理人として仕事をしていく上で、法務局から手続きに難色を示されたとき「ネットではこれでいいって書いてあったから!」は通用しません。

法務局の指摘通り補正となり、お客様に再度の捺印を要求するのは、2流、3流の司法書士です。手続きは、常に専門書を根拠にしなければなりません。何かあったとき「この文献の、このページにこのように書いてありました。」と登記官へ根拠を示すことにより再度検討いただく余地が生まれます。

私は勤務時代、先生から「常に文献に根拠を求めろ」と言われてきました。独立した今も勤務時代に学んだ教えを大切に、仕事をしています。当たり前ですが、毎日登記申請をしていますが今まで1度も登記申請の却下・取下げはございません。

11.登記申請システムの導入

登記申請システムの導入は、必ずするべきです。悩む余地がございません。私は、勤務時代、法務局の「申請用総合ソフト」という無料のソフトを使用していましたが、本当に効率悪いです。

物件の表示は、手打ちだし、登記情報提供サービスで取得したオンライン謄本をはじめ、案件ファイルや見積りも当然リンクされていないため、保管場所があちこち…無料ソフトはすべてがアナログです。

有料の登記申請システム(権や司法くん等)を利用すれば、登記情報提供サービスで取得した謄本とリンクするため、物件の表示を間違えることがまず在りません(法務局のシステムから引っ張っているので間違えたら法務局のシステムに登録されてる内容がそもそも間違っていたことになる)。厳格に見なくていい場所が増えるため業務効率化されます。

オススメのソフトは断トツで、リーガルさんの「権」です。

初期費用は0です、1ライセンスで、月額5000円~6000円くらいだった気がします。私は2ライセンス契約しているので、月1万6千円支払っています。

開業当時の私のインタビューも載せてくれています。全国に地域担当もいて、サポートが大変充実しています。司法書士の生命線ともいえる、必要不可欠のサービスです。

絶対的に、有料の申請ソフトを導入した方がいい理由は、業務効率化もありますが、1番大事な信用を失わないために必要不可欠だと考えます。

信用を売りにした仕事である以上、誤りは許されません。システムの月額費用をケチって、無料ソフトを使用し、物件の表示を手打ちをして誤りがあり却下になった…なんてことがあったら、お客様も信用も失い、場合によってはシステム導入費用の比較にならない程の損害を賠償することにもなりかねません。

独立時お金がない場合でも、システム導入は初期費用が掛からないので必須です。「加陽のブログみた」といえばきっといい割引がございます。(笑)

12.アスクルで購入すべき雑貨

初期に揃えるべき、必須雑貨を下記に列挙いたします。

クリアファイル、受託簿用ファイル、クリアポケット、はさみ、スティックのり、セロハンテープ、修正テープ、クリップ(大)、クリップ(小)、A4用紙・A3用紙、ボックスファイル(受託簿たてるやつ)、穴あけパンチ、朱肉、印鑑マット、シャチハタ(黒)、ホチキス、電源タップ、製本テープ、砂けし、カッター、蛍光ペン、フセン、原本還付印、事務所ゴム印、ごみ箱(大)、CD-ROM(定款認証用)、ボールペン

後からそろえたもので、あったら便利なものを列挙します。初期段階では無くても困らないものです。

レタースケール(郵便物の重さ量るもの)、スキャンスナップ、キングジムの名刺ファイル、レターオープナー、テプラ、ブックエンド、カラーファイル、電動シュレッダー、ラベルシール、オリジナル封筒、金庫、各種ご指示ゴム印、個人情報消しスタンプ

アスクルではありませんが、権利証を入れる封筒は、購入しましょう。

13.不要だったもの

購入して、不要だったものをご紹介します。

・ドットプリンター ・権利証表紙 ・挨拶状の発注

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ドットプリンターは、アマゾンの中古で5万円くらいで購入しましたがすぐに捨てることになりました…1人で事務所運営するのにドットプリンターは、本当に必要ありません…(涙)

私は、不動産登記も商業登記も完了後の書類返却(納品)は、アスクルで購入した10ポケット程ある1冊のファイルにそれぞれの書類を1枚1枚入れて、お客様に返却しています。権利証も封筒にいれてファイルのポケットにいれています。

この方が、見栄えもよく綺麗でお客様に喜ばれますし、厚紙を利用するよりコストが低くなります。返却する書類が2、3枚しかない場合は、納品はレール式クリアファイルに挟んで行っております。

開業のご挨拶の発送は、不要です。どうしても出したければ、メールで十分です。そもそも挨拶状を出したからといって、仕事はきません。相手に気を遣わせてしまうだけです。開業資金が限られているなら、なおさら挨拶状の発送は不要です。メールでおくりましょう。

14.開業後に行うこと

めでたく開業日を迎えたら、必ず行うことは下記2つです。

(1)開業届出の提出

 事務所所在地を管轄する税部署へ開業届出を提出いたします。とても簡単です。はじめは、個人事務所(個人事業主)としての届出になるかと思います。自分で決めた司法書士事務所の名前を屋号の欄に書いてください。

控えは、後で屋号の銀行口座を作成するときに必要となりますので、もらってください。

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(2)銀行口座の開設&豆知識

個人事業主として個人事務所を運営する際に、事務所の屋号入り口座を開設いたします。業種が、司法書士事務所であるため、口座開設の審査に落ちることはまずありません。そのため1つはメガバンをもっておきましょう。

法人口座を開設する場合は、厳格な審査を受けるため3週間程、時間がかかりますが、営業性個人口座屋号入の口座)の開設は、即日開設可能です。

屋号入りの口座というだけで、個人口座と同じ扱いになります。そのため、インターネットバンキングも法人用は利用できず、個人口座画面にて管理をおこないます。

屋号入り口座を開設する際の提出書類は、開業届出(控え)と身分証明書のみです。補足資料として、司法書士会の会員証の写しを提出いたしましたが、必須書類ではございませんでした。

豆知識ですが、メガバンで屋号入りの口座を開設する際は、口座名義人が「屋号+代表者の名前」になります。

あさなぎ司法書士事務所 加陽麻里布

上記のように、表示されます。口座名義人名を屋号のみとする口座開設はメガバンクでは不可です。ただし、ゆうちょ銀行であれば、口座名義人を、屋号のみとする口座開設が可能です。

また、屋号と名前の間に肩書を入れることは可能か聞きました。

あさなぎ司法書士事務所 代表司法書士 加陽麻里布

名義人名を上記のようにしたい場合は、営業性個人口座という扱いにはならず、権利能力なき社団等の扱いで口座開設をするためこの場合は、法人口座開設と同じ厳格な審査を行うため3週間以上の期間を要するとのことでした。

いずれにしても、振込先が個人名よりも「司法書士事務所」とついていた方が、お客様も安心いたします。必ず屋号名義の口座は開設いたしましょう。

※相続手続や後見業務をやる方は必ず2つ以上の口座を開設してください。預金解約等でお客様から多額のお金を預かる場面もございます。事務所の運転資金用の口座と一緒に管理することは絶対にやめてください。

15.さいごに

 いかがでしたでしょうか。司法書士事務所の開業手順や方法をザっと書いてみました。開業後は、ただひたすらに、走り続けるのみです。やれるだけやって失敗したらまた勤務すればいいです。そのくらいの気持ちで。それが出来るのが司法書士資格の魅力です。

私は独立当初、朝は、朝会と呼ばれる会合(毎週きまった曜日の朝7時に経営者が集まりミーティングをする会)に出席して、夜は、フェイスブック等で異業種交流会がやっていないか探して積極的に出席していました。

当然、名刺交換した人へのお礼メールは即出して、時間があれば納品物は郵送せずにお客様のもとへ直接届けに行きコミュニケーションを図りました。お昼のランチはお客様とすることを決めて常に新しい人と出会うために動いていました。

最近は、少し落ち着きランディングページを作成してGoogle広告を打ちウェブからの問合せにつなげたり等、順調に仕事の獲得幅を広げています。しかし、まだまだ道半ばです。

自宅兼事務所からスタートした独立当初は、本当にお金がありませんでした。Googleに出稿する広告費なんてありませんでした。故に、無料で宣伝できるメディア「YouTube」を利用しました。

はじめは、事務所の宣伝目的で始めたYouTubeでしたが、これが私の未来を大きく左右いたしました。

チャンスがあれば飛び込む。正解を選ぶのではなく、選んだ方を正解にしていく。私のモットーです。

無料で利用できる宣伝コンテンツはすべてやる!安請け合いはしてはならない!これから独立する人へ伝えたいことです。無料で利用できるコンテンツ(ブログ・YouTube・ツイッター等)はすべてやるにこしたことがありません。当たり前です。

そして、仕事がないからといって安請け合いをしては、いけません。はじめの頃は、お客様を逃すことが怖くて、臆病になり頼まれてもいないのに、とても安い見積りを出してしまったり、たくさんの失敗をします。

たしかに、相場より安くすれば仕事はとれますが、報酬関係なく常に司法書士には重い責任が課せられています。報酬が安く責任は重く毎日忙しいなんて最悪です。また、値段とお客様の質は連動するものです。

仕事を安く請けるくらいなら、受けずに営業に時間を使っていた方が結果としてプラスになります。臆病にならず勇気を持って適正価格を提示してください。安いのは大手事務所だからこそ出来ることです。個人事務所として始めるあなたは、個人事務所だからこそ出来る質の高い仕事をお客様に提供できるよう安請け合いだけは絶対にやめましょう。

最後になりましたが、私は、独立して本当によかったです。毎日が楽しいです。1度この世界を観たら戻ることは出来ません(笑)無理して会務をする必要はありませんが、実務で困ったとき助けになってくれる同業の仲間は絶対に大切にしましょう。

YouTubeチャンネルで毎日様々な情報を発信しております。ときにはエンタメも。ぜひチャンネル登録よろしくお願いいたします。

【番外編1】フリーランスの司法書士

システム導入・電子証明書取得・開業届出提出・銀行口座開設等々かきましたが、これらをせずに、独立した働き方をすることも可能です。

司法書士登録だけを行い「フリーランス」として「決済」の現場に行って稼ぐ司法書士も多いのです。不動産決済の現場は、原則として司法書士の立会が求められ、決済が集中する月末になると、スケジュールに被りが生じて、資格者が不足する事務所が続出します。また、資格者を雇うより月末だけスポットで仕事を発注したいという事務所が多いのも事実です。

日当は午前中拘束で2万5千円~3万円。当日現金払が原則です。書面申請(法務局にもっていく)まで頼む事務所の場合は、日当5万円の事務所もございます。当然、書類作成・チェック・段取り・申請・申請名義は発注元の事務所ですから、フリーランスの司法書士個人は、大きな意味での責任を負うことがございません。

わたしの知人にも、決済ヘルプだけで生計を立てている司法書士が何人もいます。決済ヘルプ専門事務所まであるくらいです。子育て中の女性や、リスクを少しでも取りたくない方、縛られない働き方をしたい方にはお勧めの働き方です。

【番外編2】おかげさまで2周年

あさなぎ司法書士事務所は、令和2年9月3日をもって2周年をむかえました。これまで関わってくださった多くのみなさまに感謝を伝えたいです。本当にありがとうございます。これからも末永くよろしくお願いします。

従業員やYouTubeのリスナー様と会社と事務所の設立記念パーティーもおこないました。

【開業お祝いをしていただいた1年目の写真】

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【2周年記念の写真】少し垢抜けましたね(*_*; 笑

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素敵な出会いがたくさんあり幸せです。これからも、あさなぎ司法書士事務所・株式会社あさなぎコンサルティングをよろしくお願いいたします。

それではまた、別の記事でお会いしましょう(*^^*)

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