歌に必要な3つの要素
教える仕事とは、つくづく"対ヒトの研究"だなぁと思います。伝わる言い方も、足し引きするべきことも、心のケアの仕方も、当たり前ですが目の前の相手によって違うから…。
今日は音楽院に自分の生徒とともに行ってきました。
嬉しいことに師匠からもいつからか時々「こういう子がいるんだけど、レッスンをしてみないか。」と時々お話してくださるようにもなったのだけれど、自分の歌い方を磨くことと他のひとのそれをみることは似ているようで別のものだと考えていて…
それはお医者さんが"自分が健康でいること"と"患者さんをみること"くらい違うように感じています。
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▲イタリアの音楽院というとこの話を思い出す方もいるかもしれませんが、ピアノ教授の友人にばったりあってふとウイルスの話になると
「いやもうその話ね、もうテレビも立ち話もみんなそれしかないみたいに話すよね。今は麻美が元気かの方が肝心だよ!どう?全部上手く行ってる?」
と明るく言ってくれました。結構こういうひとが多いので、イタリア出張を控えている方も泣くほど心配しなくても大丈夫ですよ!それより感染対策をされてくださいね。
また、該当校の学生さんたちも明日の検査を経て不安な心が少しでもゆるむことを祈っています。
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さてさて、自分のレッスンの時にも度々「自分の生徒たちのレッスンを師匠にもしてもらいたい」という相談はしていて、実際にみてもらうこともあるのですが、今回は「同じ年ごろ、同じ声種の子が何人かいるからよかったら聴きにおいで」といっていただき2人でお邪魔することになりました。
レッスンはなんとなく順番があるようなないような。他の授業がないひとたちはみんな教室に集まって、なんとなく周りを見あって順番が決まっていきます。
自分と同じ課題をもつひと、似た声種のひと、またそのどちらでもないひともいるけれど、客観的に何がどういう変化をもたらすかを見ることができるだけでも素晴らしい環境だなぁと改めて思います。
師匠と出会って5年?くらい経ちますが、面白いなと思うのは、テクニックについて同じ山を登るということは前提として変わらないのに、教え方のバリエーションがレッスンを受けるたび・見るたび増えているところ。
そしてエネルギッシュに立ち向かっていく学生さんたちに元気をもらいました。
やはり師は師だなと思いながら色々みていましたが、レッスンの合間に学生さんたちに向けてこんな話をされました。
歌には3つの要素があります。
・1つは声。いい声で歌うこと。
・2つ目は脳。知性や音楽的知識が伴うだけでも聞こえ方がかわる。
・3つ目のは心。これがないと他の2つがあろうとも人の心を打つことはできない。まず自分が心を動かすこと。
歌を歌うということは、瞬間瞬間に革命をおこす心構えが必要です。そのためには努力と人生経験を積むことです。そしてなによりも大切なのは他でもない、心があることです。
身の引き締まる想いです。
とても基本的なこと。
でも、たくさんのものを勉強しなければならない学生にとって、またその後学生ではない立場で歌っていかなければないひとたちにとっても、お守りになる言葉なのではないかなと思いました。
心を尽くして歌っていきたい。
改めてそう思える機会をくれた生徒さんにも、そして師匠に心から感謝。
多分2020年はじっくりゆったり。でも熱血な一年になりそうな予感がします。♬笑
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