私の周りの名言シリーズ2:次の人にしてあげなさい。


出だしの勢いはどこへやら、すっかりご無沙汰してしまいました…!

久々にして第2回の名言シリーズは「次の人にしてあげなさい。」です。

みなさんのイメージの通り音楽家の道はとても狭く(世界は広いが)その道の限られたところというのは研究の世界にも通ずるものがあるなと、研究者の友人と話しているとよく思います。

お仕事であったり、歌う機会であったり勉強の機会であったり、幸いたくさんの方の肩をおかりして私もどうにか今に至るわけですが

今回は私がイタリアにくるきっかけとなった出会いをくださった恩師の一言です。

数々肩をおかりする中でも、思わずよだれをたらしてしまいそうになる嬉しい機会のひとつが

「素敵な音楽家の先輩方がその現場を見せてくれるとき」

なのですが、この恩師はそんな機会を積極的に若者に与えてくれる方でした(たぶんいまも)。

その日はオーケストラとの合わせをみせていただいたあと

「ちょっと飲みに行こうか。」
とお誘いいただき、その時ソロで歌っていらしたこれまたよだれがたれそうなくらい美しい歌声のソプラノさんとの席を設けてくださったのです。

彼女と2人きりになった時に言われた一言がイタリアにいくきっかけになったのですが(その後行く準備に多少時間はかかっています。)、それはまた今度書くとして

たくさん美味しいものを食べてたくさんおいしいお話をうかがって、お会計を聞くと

「(払わなくて)大丈夫だから、いつか次の人にしてあげなさい。」

と言っていただいたのでした。

これはご飯のことに限らず、くださった教えや気づきにも通ずるものだとおもいます。

もちろん恩を返したい気持ちはいつもあるけれど、そうやっていただいた気持ちを新しい場所で還元するというのもいいなぁ。と思ったことを覚えています。

何よりもその時は本当に行き詰まっていた時で、先に対する不安を持つ以前に「引き返すこと」を考えていた時だったので、「次の人に」という発想が私の自動シャットダウン寸前だったやる気スイッチ(というか自尊心?)を強く押してささえてくれたのでした。

その恩師との再会が去年あったのですが、その時にもやっぱり同じことをおっしゃっていました。

本当に、いつまでもおいつけないだろうなぁと思いながらも、その変わらぬ優しさにたくさん勇気をいただいたのでした。

そんな今日も全国的に夏休みのイタリアで「うちがあけないとあなたたち、困っちゃうんでしょう?」とあけていただいたスタジオでレッスンのお仕事でした。

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本当に、1人ではなりたたない。こうして動き続けることができるのはありがたいことなのです。

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目の前の「次の人」に、私はなにをしてあげられるかしら。
今の姿を恩師がみたら、今度はどんな助言をくださるかしら?(=なにを伝えたらいいかしら?)

と思いながら日々レッスンしています。

…このシリーズ、そのうち許可を取って名言主のお名前も載せていきたいなぁ。笑

今日のBGM
そのオケ合わせで聴いたG.ヴェルディ作曲のレクイエムより「怒りの日」。
やっぱりかっこいい。
https://youtu.be/cHw4GER-MiE

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