見出し画像

私の周りの名言シリーズ3:自分を信じて


ちゃお♬
もう11月も後半ですね!
ハロウィンがおわり、イタリアもちらほらクリスマスの準備が進んでいます。

画像1

さてさて、今回は名言の前に少し私のことを…

たぶん私のことを知る人は
・楽観的
とか
・いつも笑ってる
と言ってくれると思うのですが(そしてそれは割と本当で、ツボも浅いです。)

その反面

自信の意味が"自分はすごい"と思うことであったなら、私には歌に関する自信はありません。

声楽の世界であればなんとなくセオリーは音楽大学にいくこと。
そうでないとしても、昔から合唱など音楽とずっと寄り添ってきたか、飛び抜けた才能があってものすごい声を聞かせる。

そういう人が歌手になるのかなと思っていたけれど、私はそのどれでもありません。(ピアノは小5で才能の無さに気づいてやめました。)

自分が上手く歌えると思ったことが一度もないし(実際下手だったと思うし)、自分の声が素晴らしいと思ったことも一度もないのです。

でも、進路を決める過程、自分のアイデンティティとは…?と考えた時に、周りの強い勧めと、自分自身"歌うことがかなり好きではあるな"ということで、大学の願書を出すギリギリで某所音楽学部の受験を決めました。

当時母からは大反対をうけ(今でも少しでも弱気なことを言うと止めるよう言われます)、3日で楽典(音楽の基礎知識)の本を一冊丸暗記して2週間朝から晩まで説得して、"就職率も高い場所であれば"と折れてもらいました。笑

で、だいぶ端折る(今の師匠との出会いが今歌っている自分の全てですが、今回はそれも端折ります。笑)と今に至ります。

幸運にもイタリアでも細々歌わせてもらっているし、飢え死にもしていないし、レコーディングもさせてもらえる。

機会をいただく度に
「え、私でいいのですか。精一杯やります。」
と言う気持ちと

「きっと私なりのなにかができる」
という希望だけは捨てることなく取り組んでいます。

聞いていただくためにあるのだから、もちろん最後は不安など感じている場合ではないですし、いまでは割とおおらかな気持ちに"持って行く"ことができるようになりましたが

何かご縁に恵まれるたび、身に余る、でも少しでもそれに応えたい、少しでも喜んでいただければと言う思いで、毎回ギリギリまで"何か他に施す手はないか"と探しながらやってきました。
(意外と音楽家が外に出るまで頭を抱えているみたいなことも少なくないと思います)

今でもそう言う気持ちと付き合いながら、でも前よりずっと落ち着いて物事に取り組めるのは、およそ3年前に、今日のタイトルの言葉が"自信"の概念を変えてくれてからです。

___________

イタリア長期生活を始めて少し経った頃、生活をもう少し潤したいなと思っていたところに、某スポーツ選手たちのお手伝いをするという単発のアルバイトを見つけ、それからちょっとしたお仕事をいただくことが重なりました。

声楽の若手と違って、スポーツ選手の若手は本当に若い。若いというか年齢でいうと"こども"。

でも、みんな堂々としていたし、見ている夢が限りなく現実に近いように見えたし、受けている教育もきちんと"すぐにでも外に出て行く人"としてされているようで、それでいて硬さはなく、素直な感性をもっていて。

飛行機での長距離移動のあとに彼らが欲していたものは、休養より運動。

人間としてとても魅力的で、すぐに全力で応援したくなるような人たちでした。

遠征の合間に観光をする彼らと合流しながらも、引率するボスたちが選手に時折出す指示指導も、やはり音楽をすることにも通じるものがあって、私もなるほどなと思いながら聞いていました。

私の応援したいという思いが先かどうかも忘れてしまったけれど、選手の中にはすぐに心を開いてイタリアのことをたくさん聞いてくれたり、自分のことを話してくれる人たちもいて、全く素人である私にも

「僕は今回成果を残せるだろうか」という気持ちを話してくれたりもしました。

最短でも12時間の旅を経ての挑戦。
騒いでいないだけで、やはりみんな思うことはそれだったのでしょう。
一人がそれを口に出す頃にはみんなに思いが広がって、転々といながらもそれぞれの場所でそんな気持ちをこぼす選手たち。

その時に一人の選手にボスが言ったのが

「まずは自分を信じてその時その時やることをやるだけだから。」

という言葉でした。

___________
アテンドや通訳の仕事というのは専門知識をご依頼後から現場に行くまでに勉強することも多く、恥ずかしながらその業界のことに詳しくないことも多いのですが(もちろんその場合ヒアリングしたり、その場の空気を全力で読んだりします)、

ボス自身が選手だった経緯もあり、若い頃からの経験から、現場の人たちに馴染みやすい空気で、"一同僚という立場"に感じる言葉をたくさんかけていたのがとても印象的でした。
___________

まだご本人も若いけれどもその言葉にはとても落ち着きがあって、一つ一つのタスクをこなすこと、その時できることは全部やる気持ちを持つこと。
その積み重ねで色々なことを成してきたのだろうということが伝わってきました。

それとは別に今もお話を聞いたり生き様を見れば"超人的だな、参りました"と思う要素も多分にあるけれど、それでも大切にしているのは"自分を(きっとやれると)信じること""信じた通り一つ一つやること"なんだ。

そう思うと自分も習えるかもしれない。

スポーツの世界と同じく音楽の世界も一生の保証はないけれど、自分を信じてやることをやって、その先の道がまた見えて来たらきっとそれが次のステージ。

そんな風にして、それからの日々を過ごしてきました。

歌い出せば幸せだけれど、今でも歌う前にあしがすくむ時には

「自分を信じて」

とあの落ち着いた声を思い出します。

等身大の自分を信じて、いつもの自分よりちょっとだけ前に進めると信じて、自分らしく目の前のことを。

そんな風にして、11月も12月も、今年の最後まで少しずつ進んでいけたらいいなと思います。

本日のBGM:
Händel作曲 Messiah より Rejoyce
https://youtu.be/sZMIEDkUPA0

大切な時間を使って最後まで読んでくださりありがとうございます。 いただいたサポートはその時その時で私が選んだところへの募金として使わせていただきます。