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【もしもあゆみだったら】

 私の名前は麻美。あさみと読む。

子どもの頃、病院へ行くと、ほとんど「まみちゃん」と呼ばれた。
その度に、「あさみです」と訂正するのは、ちょっとストレスだった。

どうでもいい時は、もう訂正するのはやめた。

今の時代だと、「麻美」という名前のアイドルもいるし、「まみ」より「あさみ」の方がメジャーなのかな?

 「どんな字を書くんですか?」と聞かれると、昔は「小林麻美」と同じ麻美です。と言うと、結構わかってもらえた。

今は、「小林麻美」じゃ通じないよね?
知らない方は、Google先生に聞いてみよう!

それはそれは綺麗なモデルさんで、同じ名前というのが少し誇らしかった。もちろん、そんな事、口に出すのもおこがましいと思っていたから、誰にも言った事は無い。

 誇らしい反面、容姿に自信が無かったから、「小林麻美と同じ麻美です」というのも、何だか申し訳ない気持ちになっていたのも事実。

 最近では、「綿とか麻の麻です」と説明することが多いけど、聞いた方はいまいちピンとこないみたい。他に何かわかりやすい説明はないのかなと思う。

 名前を付けたのは父。

本当は別の名前になるはずだった。
ところが、字画など一切関係なく、出生届を出しに行った役場で思い立って、「麻美」と書いて出したらしい。

 私は、仮死状態で生まれて来たそうだ。当然保育器に入れられ、その後重症黄疸にかかり、母は「もうだめかもしれない」とある誕生日の時に話してくれた。

成長すらも危ぶまれるほど弱い赤ん坊だったから、父は私に強くなってほしいとの願いを込めて「麻」の字を選んだ。繊維としての麻の強さは多分説明しなくても、わかってもらえるだろう。

 そんな父の願いは叶えられ、娘は望み通り強くなりました。今はその我の強さに、手を焼くほどに。

「よかったね、お父さん(*^^)v」

当初、名付けられるはずだった名前はというと「あゆみ」だそうだ。

私が生まれるころ、テレビドラマに出ていた「いしだあゆみ」が、大層可愛かったから、その名前を付けたかったという、何とも単純な話。そんなものなのね。

「あゆみ」と「あさみ」真ん中の一字が違っただけで、まったく印象が違う。

 歯切れの良いあさみという響き。柔らかなあゆみという響き。
名前は一番自分が耳にするものだから、その名の通り、やはり私は歯切れの良い性格になったと思う。私はこの名前が大好きだ。

でも…
お父さん、もしかしたら、あゆみの方がよかったかもしれないね。

#名前の由来 #小林麻美 #いしだあゆみ #麻  


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