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環境を変えたら、多趣味になった!ー地方移住の意外な産物ー

地方移住生活も、2年目。ふと気付けば、私の好きなことが移住前よりも増えていました。
今となってはどこに行くにも肌身離さず持ち歩いているカメラをはじめ、料理に家の整理整頓、お裁縫、株の投資・・・と、ちょっと前の自分からは全く想像していなかった色々なことを楽しんでいます。私の本棚もそれまでビジネス書一辺倒だったのから、定期購読しているナショナルジオグラフィック、小説、写真集、詩集とジャンルが一気に広がりました。

東京にいた時は、趣味は?と聞かれても、ぱっとすぐに答えられるものをあまり持ち合わせておらず、仕事が趣味という感じでした。実際に、休日や早く起きた朝も、とにかく暇さえあればはたらいていた記憶があります。今となっては、とにかく仕事以外にもやりたいことリストが常に目の前に山積みでいつでも何をしようかなーとワクワクしています。

なぜ地方移住という環境の変化と共に、こんなにも自分の興味関心が増えたのか、ということについて今回改めて考えてみたいと思います。

目の前のことを大切にしたい

まず、環境を変えたら、とにかく新鮮なことで溢れるようになりました。毎朝起きれば、窓からは雄大な山々が広がり、車を運転していてカーナビの指示に従わなかったら突然トトロの映画に出てきそうな田んぼ道に迷い込んだり。家の中には、東京にいた時はスーパーで売っていても買おうと思うことがなかったような個性的なお野菜に溢れています。
子どもたちは、日に日にワイルドになり、一歩外に出ればダイナミックに自然と共に戯れ、確実に親のコンフォートゾーンを超えたところにどんどん進んで行っています。

そういった自分の前に広がる新鮮なこと一つ一つに、大切に向き合いたいな、と思うようになったことが、いくつかの新しいことを始めるきっかけになりました。

例えば、私は今は一眼レフで写真を撮るのですが、もともとガジェット関係はあまり興味がなく、電化製品を買っても説明書をほぼ読むことが(今でも)ありません。また、携帯で綺麗な画像が撮れるのにわざわざデジタルカメラを買う人がいるということが信じられないと思っていました。
それなのに、田舎暮らしを始めて、新しい景色をもっとしっかり記録したいなという思いがむくむくと自分の中で沸いてきた結果、ボタンも機能もたくさんある精密機械の代表のような一眼デジタルカメラを購入していました。
その他にも農家の方が届けてくれるお野菜を美味しく皆んなで食べたい!ということで料理が好きになったり、四季をもっと感じてみたいという思いから家庭内菜園を始めたり・・・と、今は自分の東京暮らしの延長にはなかった状況にいます。

不思議なことに、色々と楽しむ方法が増えてきたら、目の前の鮮やかさがいつまでも失われないように思います。例えば、いつものドライブルートを運転していて、緑のトンネルに差し込む木漏れ日が印象的だったら、頭の中でパシャリとシャッターを切るし、農家の方が届けてくれた新しいお野菜をみては、レシピ本を引っ張り出して、こんな風にお料理できるかな!と考えています。

誰かのものさしから自由になる

次に、環境を変えたら出会う人が変わって新しい世界を知ることで、いろいろなことに対して肩肘はらずに楽しめるようになったのかなと思います。特に、仕事に対する思いが変わったことを皮切りに、それまで信じていた「こうしなきゃいけない」という思いから少しずつ自由になっていき、自分なりのやり方で挑戦することが怖くなくなりました。

私は9年ほど会社経営をしているのですが、東京で暮らしていた時は起業家界隈で多くの人が共通で持っている価値観に自分もなんとかしがみつこうと必死でした。特に「個人商店になるな」とよく言われ、売上高や社会的インパクトといった規模の大きさをまずは追求すべしという考えがあります。そういった考えに染まれなければ、経営者として失格という思いにずっと私は囚われていました。
一方で地方に移住してから、色々な場所にフットワーク軽く出かけていく中で、自分のそれまで持っていた仕事における考え方が揺らぐ出会いがいくつもありました。
その中でも、茅葺き屋根が印象的で冬は身体が埋もれてしまうくらいの大雪が降る場所で何十年もお土産やさんを営んでいるおばあちゃんとの出会いに大きく影響を受けました。おばあちゃんは「あったかいお茶を飲んで休んでけー」と声をかけてくれて、お腹がすいただなんだと機嫌が悪い息子を見たら、ヤクルトや色々なお菓子を「持ってけ持ってけ」と子どもたちをお店の中にまで迎え入れてくれたり。そのおばあちゃんに会いにいくために何回もその場所を訪問するほど我が家は家族みんながおばあちゃんが大好きです。
実際に目の前でまさしく個人商店をやりながらお客さん一人一人をとっても幸せにしているおばあちゃんを見たら、今までのようにビジネスの規模に何よりの基準に置くことに非常に違和感を感じるようになりました。ちなみに今の私は、目の前の人を幸せにできるか、大切にできるのか、ということが何よりも大事だと考えていて、そういったことの積み上げの先にあるべき結果がついてくると信じています。

そんな風に仕事において他の人がどうであれ自分はこう思う、と決めるようになったほかにも、多くのことにおいて、人がこうすべきといっていることはもう気にしなくていいよね、と思えるようになり、好きなことが増えていった気がします。例えば、移住してからお裁縫を始めたのですが、私は一切型紙を使わずじょぎじょぎと自分のアイデアと仮説のまま切って縫い合わせます。家庭科ではこうしなきゃいけないと習った気もしますが、あー別に正解なんか求めずに自分のやりたいようにやったっていいんーだー!と自由気ままにやっています。

「好き」を始めるのも、続けるのも場所の制約がない

最後に、何かを始めたり続けたりする上で、環境ー特に私の場合は日本の中でも田舎と呼ばれる場所ーによる制約が実はなかったということが、こんなにも色々なことに挑戦し続けられている理由なのかなーと感じています。

ちょっと前までは、都会の方が様々な機会に恵まれていて、地方にいるというだけで出来ることが限られてしまうという側面があったかもしれません。しかし、幸い、今はインターネットをはじめとし、自宅にいながらにしてありとあらゆる情報や機会にアクセスできるため、田舎暮らしだからって出来ないことはほぼないのかな、と思います。

私はカメラ関係については、大体楽天かメルカリで中古で安く購入しています。実際に手に取らず中古でそれなりの金額のものを買う不安は多少ありますが、今までに一回失敗しただけでそれ以外は問題なくお得な買い物ができていて満足しています。
写真の撮り方や編集の仕方はスペインのオンライン学習プラットフォームで、ハンガリー人の写真家、香港人の写真家の人の講座などで学びました。また、我が家にはいくつかの雑誌やクレジットカードの無料会報誌みたいなものが自宅に届くのですが、その度に私は掲載されている写真を隅から隅まで眺めては、プロの人はどんな風に写真を撮るのか、どんなことを伝えたくてこの構図や絞り(=どのくらいボカすのか、もしくはパキパキとさせるのか)で撮ったんだろうと考えて学んでいます。
ちなみに夫は移住してから突然エレキギターを始めたのですが、左利きの少しマイナーな型のものを、同じくメルカリで破格で見つけたりしていました。またアメリカ人のジャズギタリストのYouTubeのギター講座を毎晩見ながら練習し、そのギタリストの方の楽譜をオランダの方から購入したり、ギリシャで造られたアンプをドイツから買ったりしていました。

都会で暮らしていなくても、アンテナを広げて探す努力さえすれば、本当にいろいろなこと・ものに出会えるのはありがたいなーと思います。これが日本の地方でなく、海外で暮らしているとまた状況は少し違うのかもしれないのですが。(そしてメルカリの海外進出成功を願ってやみません!)

♢♢♢♢♢

環境が変わったら、いつのまにか増えていた好きなこと。
もともと忙しくて何も仕事以外に何か他のことができる時間なんかないと信じていたのに、環境の変化と共にこんなに新しい色々なことを毎日楽しめていることに、我ながらとてもびっくりします。

また、たくさんの好きなことができたことで、自分の個性や思いを表現する手段が広がった感じがして、毎日気持ち良く過ごせるようになりました。
お花やお野菜を育てる楽しさを知ったことで、新規事業や新しいメンバーが入った時も文字通り芽が出るまでの待つ時間も味わえるようになってきたり。
お裁縫の面白さに気付いてから、夫が捨てる予定だったシャツを宝物のように拾っては、ジャギジャギときって、即席で子どもたちのポシェットにして、一人満足な気分になっています。

さあ、明日の朝早起きができたら、子どもが起きるまで、何をしようかな!


【Podcastの新エピソードを公開しました!】

今回のブログ記事に関連する内容で、Podcastで新エピソード「 アンラーニングー古い考え方を捨てて、新しい考え方に変えいくことー」(17分半)を配信しています!

好きなことを見つけるにあたって、私がどんな風に今まで持っていた考えを手放して、新しい考え方に変えたのかということなどをお伝えしています↓






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