UIデザイナーを育成するということ
見出し画像

UIデザイナーを育成するということ

フリーランスが長かったせいか、ずっと長い間聞かれ続けてきたことがあります。

「デザイナーを探しているんです。いいデザイナーを紹介してください。」

もうひとつ。専門学校で講師を長くやっているのでこれも。

「腕のいい学生紹介してください。お金は払えませんが、就職活動でのいい実績になりますよ。」

2つめの件は、私はただの外部講師で学校職員ではありません。ですからそれはできないんです。学校に直接お問い合わせいただけましたら幸いです。

人手不足だから育成するという取り組み

これまでに様々な企業でUIデザインの社内研修講師として仕事をして来ました。夜間に2〜3時間というケースも稀にありますが、ほとんどは丸1日みっちりです。

画像1

受講者のひとりひとりと話して直面した「デザイナー」という言葉でひとくくりにしすぎな現状

UIデザインの講習をスタートすると、みなさま本当に勉強熱心で頭が下がる思いです。みなさまの高い志や意欲的な姿勢を受け、講義に熱がこもります。

発言や質問をしやすい雰囲気づくりには自分なりにとても力を入れており、一方的に講義をして終わりにしないということをモットーにしています。
おかげで受講者のみなさまからざっくばらんな意見や疑問、日々の葛藤を詳しくお話しいただけることが多いです。

そこにはいつも共通していることがいくつかあります。

1)これまでWebデザインの業務をして来たが、会社から突然モバイルアプリのデザインを任されて困っている。
2)UIデザインというのはアプリの画面デザインのことだと思っていた。
3)こんなに概念的なことを勉強する必要があるとは予想していなかった。
4)Sketchの使い方をマスターすればいいのだと思っていた。

UIデザインの講座は、対Webデザイナーよりも、理工学部の学生やエンジニアが対象の方がすんなり理解が進むという印象が私には強くあります。

「同じスマートフォンの画面に表示されるものをデザインするのだから、WebデザイナーもUIデザイナーも同じでしょ。」と、仕事を任せる側も任される側も思っていると上記のような壁にぶつかるわけです。

WebデザインとアプリのUIデザインは違う

違いを詳しく解説するのはまた別の機会にします。
いきなり結論から言うと、Webのデザインとモバイルアプリのデザインは別モノです。

使うツールはどちらもXDやSketchやFigma、表示されるデバイスもスマートフォンだからと混同もしくは同一視してしまうと仕事がうまく進みません。
デザインが受ける制約、概念、必要な知識、かなり違いますので、まずは「両者は別のスキルである」と知るところからはじめてくださいと講義ではいつも言っています。

違うということはつまり、Webのデザインが得意でも、アプリのデザイン、もっというと「UIデザイン」そのものが向いていない人もいるということです。

例えば私はイラストやグラフィックデザインが向いていません。
しかし、UI, UXデザインは非常に向いてたので、企画段階からプロジェクトチームの一員としてUX, UIを担当するお仕事の依頼をいくつも請けて来たわけです。
※このnoteのカバー画像のイラストがいつも下手くそなのを見れば深く納得していただけることと思います。

更に専門知識が求められていくUIデザインの仕事

パソコン、タブレット、スマートフォンだけでなく、様々な機器をインターネットに接続して利用するサービスが増えていくと、「UIデザイン」はますます画面のデザインだけではなくなって行きます。

例えばスマートスピーカーを使ったサービスのUIデザインと説明すると、しばしば「え???スマートスピーカーって画面ありませんよね?」と聞かれます。
それはつまり、UIデザインというものを「画面のデザイン」というように解釈しているからこその質問なのだなと実感します。

UIとはUser Interfaceのことです。
Interfaceとは2つの別の「何か」をつなぐという意味です。
機械とユーザー(人間)の橋渡しをするもの、ということになります。
そのデザインなので、人の認知の仕方だとか、長期記憶/短期記憶、ハードウェア特有の制約、そういったことの知識が重要になって来ます。

デザイナーにも種類が色々ある

・グラフィックデザイナー
・イラストレーター 
・DTPデザイナー
・Webデザイナー
・UIデザイナー
・UXデザイナー

他にもありますね。

そう言えば、「お仕事は何をしているのですか?」とやたら聞かれる場所に足繁く通って5,6年になりますが、つい「デザイナーです」とだけ答えてしまうと、大抵はIT業界以外の方々なので「アパレル業界ね!だからいつも個性的なファッションなのね」と言われてしまいます。

解決するにはどうしたらいいのか?

「どうしたらいいでしょうか?」という相談を多く受けますので、私なりにお答えしているのは、
企業側には、「別のスキルであることをまず知ってください」
お勤めされている方々には「別のスキルであることを説明して、スキルアップの時間をくださいと言うか、そのスキルを持つデザイナーを探してくださいと言ってみたらどうでしょうか」
です。

人件費がかかる方法なので、すんなり受け入れられないことが大半です。
しかしですね、専門技術を持つ人材を育成するというのはそういうことだと私は思うのですがどうでしょうか。

地域によっても求められるデザイナー像は違うらしい

私は主に東京で仕事をしています。
たまに海外の企業(アメリカ)の仕事をすることがありますが、今の所あまり東京と大きな違いがあるようには感じません。

違いを強く実感するのは、国内の東京以外の地域の企業から依頼される仕事の時です。
専門性よりもマルチであることのほうが喜ばれるようです。

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
嬉しいです⭐️
20年以上のフリーランスを経て2020年から株式会社ロクナナ所属のUI,UX, Workflow, Interactionなどのデザイナー。 TechFeed 公認エキスパート(UX) 東洋美術学校とロクナナワークショップの講師。