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樹の一脚展での出会いから、人も樹も個性に価値を見出す素晴らしさを実感した話
樹の一脚展、ご存知でしょうか?
地域の雑木を使って作家さんが作った椅子をとおして、身近にある森の未来に思いを馳せる企画展です。残念ながら東京での会期はもう終了してしまったのですが、オンライン配信や巡回展もあるようなので興味のある方はぜひ。
3月下旬、すべりこみで訪れた東京会場で居合わせたちょっと素敵な出会い。熱心に写真を撮っていた方が、椅子の節や割れをさわりながら、もう、感極まった!という感じで「本当に素敵ですよね」と私に話しかけてくれました。
かの方が夢中になっていたのは「三富桜と吉野杉のベンチ」(上の写真とは異なります)。写真では見えにくいですが、樹の生きてきた時間を感じさせるような素敵な割れが座面にあります。
東京で暮らしていると、(子どもに声を掛けてくれる方は時々いますが)大人同士、初めてその場に居合わせただけで言葉を交わす機会は少ないです。隣にいた人に思わず声を掛けちゃうくらい、目の前の椅子に夢中になって心踊る体験。空間。
こちらも嬉しく幸せな気持ちになると同時に、やっぱり樹っていい!とあらためて感じた出来事でした。一緒に行った次女5ヶ月も心なしか心地よさげだったし(独断と偏見)。
細かったり、曲がっていたり、節があったり、なんなら穴があいていたり、そんな樹は資本主義社会下の流通市場では評価されてきませんでした。でも、それも個性ととらえ、個性を生かしたものづくりをする。素敵な取り組みだし、母でもある私は子育てにも通じるものを感じます。
今までは高度経済成長期で、画一的なお勉強ができる社会人を大量生産する教育が都合がよかったかもしれない。けれど、時代は変わりつつあって、ひとりひとりの個性を生かした教育を、との声が増えてきている気がするし、私自身も我が子には自分らしくのびのびと生きてほしいと願っています。
樹もひとも個性が尊重され生かされる、そんな世の中になるといいな。
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