令和の時代に『働きマン』の新刊のレビュー記事書いて感じたこと!
先日、安野モヨコのヒット漫画『働きマン』の新刊が出たので、記事を書かせてもらっているReal Soundでさっそくコラムを書きました。
新刊といっても、作品自体は2008年時点から休載中で、本作も新作の書き下ろしではなく、これまでの単行本未収録の話をまとめたものだそう。
新刊が出る数年前のインタビューで安野先生自身が社会のありようの変化や出版雑誌業界の斜陽化にともなって本作の連載を再開するのは難しくなった的なことを話しており、今後書き下ろし新作を目にする可能性がうすい分、過去の未収録エピソードが読めるのは嬉しいもの。久しぶりに読んで感じたことをまとめるとこんな感じでした。
めっちゃ喫煙シーンが多い🚬💨
やたらパソコンが分厚い、携帯はもちろんガラケー
紙資料と新聞がデスクに山積み
女性は細眉、編集部員もライターも男性はオラオライキってる感じのキャラが多い
喫煙シーンに、パソコンとガラケー描写、女性は細眉など見所いっぱい
まず驚いたのは喫煙シーンの多さ。主人公はもちろん同僚も友人の女性も編集長もタバコを吸うし、なんなら編集長が会議中にスパスパ吸ってるシーンも出てきます。
後は、ブラウン管テレビも真っ青な極厚のデスクトップパソコンと、パカパカ折りたためるガラケーも登場。情報を調べるツールは言わずもがな雑誌と新聞、そして競合の週刊誌です。GoogleやAIでの検索が一般的になった今考えると、デスクに雑誌や新聞が山積みになってるようすはかなり効率悪そうな印象だし、そういえば新卒で入った映像製作会社では、過去の映画や映像資料を大量にTSUTAYAで借りてきて、深夜までソフトに取り込んでビデオコンテ作ってたなあ(遠い目(  ̄- ̄))なんて想いを馳せてしまいました。アナログ時代はアナログ時代の楽しさや熱さもあったんですけどね😅 まあ、アナログ時代ならではの熱さや必死さが、イキってるキャラに反映されてるのかも?
また、元ファッション誌編集者としては、当時のメイクやファッションの描き方も興味深かったです。自然な地眉を生かすのが主流となった今とは眉の形も全然違うし、胸やボディーラインを強調する服装も今ではなかなか見かけないので…。
2000年代の働き方を描いた本作を改めて読み返すと、当時とは職場環境や慣習はもちろん、ビジネスマン&ウーマンたちのマインドもファッションも、当時と今とでは本当にあらゆること、ものが変わったんだなーと分かって面白いです。
なにはともあれ巻末の安野先生のコメントが熱い
ここまで色々言いましたが、本作は当時と今との対比として面白いだけでなく、新刊コミックの巻末に掲載されている安野先生のコメントの熱さも魅力でした。なぜ17年も経て、令和の時代になった今新刊を発売したのか、先生なりのまさに『働きマン』なコメントにとても読みごたえを感じました。
個人的には、あの名作ドラマ『GTO』の新作が令和に放映されるぐらいなので、iPhoneとMacbookでスクープを追いかける『シン・働きマン』が放送されても面白いかなあ、と思いますが、いかに…。
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