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ナースあさみの考える栄養とか採血結果とか、そこら辺の話

健康診断を終えた友人から、よく質問を受けます。

ねぇ、LDLコレステロールが高かったんだけど、どうしたらいい?

とか

肝機能が悪いって言われたんだけど、もうお酒飲むなってこと?

とか

カルシウム摂れって言われたんだけど、何食べたらいいの?にぼし??

といった具合です。


都度、他の採血結果や日頃の生活習慣をヒアリングして答えているんですが、そもそもの基礎知識や考え方を毎回説明するのが面倒くさくなってきたので、ここにまとめておこうと思います。

つまり、ナースあさみの考える栄養学や生体反応、採血結果の捉え方を記したものということですね。


ここで諸注意

・こちらは、あくまでもナースあさみの解釈です。事実とは言えないこともあるでしょう。正しい情報や知識をお求めの方は、専門のサイトや医師監修のコンテンツを参照することをお勧めします。

・わたしは保健師という資格を持っていますが、実務経験はありません。そのため、こちらを受けてのコメントやリプライ、DMでの健康相談には一切応じません。ご了承ください。

・会社にお勤めの方は産業保健師へ、それ以外の方も、お住まいの自治体には必ず保健師がいます。健康福祉課とか健康支援課とかそういうところですね。何かありましたら、そちらへご相談ください。


まずは、それぞれの栄養素からみていきましょう。

1日に摂取するのが望ましい栄養素とカロリーについては、こちらがわかりやすかったです。

だからといって、この通りに栄養摂取できている人なんて、わたしを含めほとんどいないと思うんですが。


炭水化物とは

身体のエネルギー源となる栄養素ですね。
車でいうところのガソリン。

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糖質(体内で消化できるもの)と食物繊維(体内で消化できないもの=うんことして出ていくもの)のふたつに分類されます。

糖質=悪いものという認知がされることもありますが、それは大きな間違い。絶対に必要な栄養素なので、ダイエット中であっても摂取は必須です(但し、内容やタイミングは吟味する必要あり)

三大栄養素の中で一番代謝が簡単、つまり身体のエネルギーになりやすいんですね。低血糖時(だいたい70以下)は、血管の中にダイレクトにブドウ糖注射液をいれて血糖上昇を狙います。疾患や個人差もありますが、30分後には100台まで上昇することがほとんどです。ブラボー。

糖代謝に関しては、こちらの記事も参考になるかもしれません。

身体のエネルギー源なので、朝や昼などこれから身体を動かすぞ!の前に摂取できるとベター。ドライブの前にガソリン0だと困るでしょう?

糖質1gにつき水3gを保持すると言われているので、寝る前にたっぷりの炭水化物を摂ると翌日浮腫んでしまうのは当然の生理反応。太ったんじゃなくて、浮腫んでるだけ。

グリセミックインデックス(血糖値の上昇っぷりをあらわす指標、以下GIと記載)の数値が高ければ高いほど、身体にとっては負担(ストレス)になると言われています。雪国でいきなりエンジンをフルで回す、準備運動やストレッチなしに100m全力疾走するようなイメージ。リスク大。

臓器や酵素に多大な迷惑がかかるんですよね。
え!ちょっと待ってよ!!って感じ(たぶん)

そのため、ゆっくりじわじわと血糖値を上昇&下降を繰り返すのが望ましいとされています。エンジン回すときはゆっくりと、運動するときもストレッチから。故障やケガのリスク、下げていきましょう。

GIが高い代表例は精製された砂糖(グラニュー糖や上白糖)、白米、小麦粉あたり。低い代表例は玄米、全粒粉、豆あたり。

白米、わたしも大好きですが、空腹時にガッと食べるとその後の低血糖もちゃんとやってくるので、食べるのは外食のときくらいでしょうか。

あとは、炒飯を食べるとき。
あれは、白米じゃないとアカン。

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もともと、固めのごはんやもちもちしたごはんが好きなので、普段はこのあたりをブレンドして食べることが多いですね。

食物繊維で糖質が包まれてる、みたいなイメージをもつとわかりやすいかもしれません。消化吸収に時間がかかるということは、一気に血糖値が上昇しにくいのです。

血糖とGIについては、こちらもぜひ。



タンパク質とは

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身体の原材料となるもの。車でいうところの部品全般。爪や髪の毛、皮膚もそう。

炭水化物とは裏腹に、一番代謝しにくく身体の養分になりにくい栄養素でもあります。なのに、栄養素の中でのグラムあたりの単価が一番高い。総じてコスパ悪し。

毎日プロテインを飲んでいる人が、筋肉マッチョにならないのもそういう理由があるのかもしれません。骨格筋になる前に、血中のタンパク質や生体反応にまわってしまうんですね。骨格筋になるのは、余ったタンパク質のイメージ。

だから、「筋肉は資産」という言葉がありますが、ほんとそうだよなと思っています。余剰なタンパク質をうまく運用しないと、筋トレマッチョにはなれないんです。

ちなみに、腎機能が悪い人は摂り過ぎ注意です。尿素窒素が体内に残ってしまい尿毒症になってしまうことがあります。

炭水化物は、グリコーゲンとして肝臓に貯蔵可、脂質はお願いしてないのに勝手に脂肪として身体に蓄えておくことができますが、タンパク質は貯蔵不可。

だから、毎日ある程度の量を食べることが望ましいとされています(正直、プロテインなしで身体に必要なタンパク質量を摂取するのは相当キツイと思われます…)


そうそう、タンパク質摂取といえば鶏胸肉ですが、鶏胸肉100gを食べる=摂取しているタンパク質が100gではないこと、みなさんご存知でしょうか。

鶏胸肉100gで摂取できるタンパク質は20g前後。30代女子における摂取が推奨されるタンパク質量は、50g。

鶏胸肉を250g食べるなんて、それだけで1日の食事が終わってしまいますよね。ごはんもたまごもチョコレートも食べたい!だから、プロテインやサラダチキン的なものをうまく使うのがデフォルトとなっています。

タンパク質の摂取を補うものとしては

パウダータイプのプロテイン

わたしは、マイプロテインのホエイタイプ(プレーン味、味のついていないもの)をまとめて購入し、そこにココアパウダーや抹茶、シナモン、はちみつを入れ気分に応じて味変してます。

なんたってコスパが良いし、わたしの場合はプロテインの飲み過ぎでお腹をこわすこともないですし、マッチョを目指しているわけではないので、これで十分かなという感覚です。

正直、プロテインってどれも安くないと思うんですが、臨床で使われるタンパク質の点滴(アルブミナー)が50ccで薬価4000円前後であることを考えると、経口摂取できるタンパク質でこの価格帯なら、予防医療の意味も考えると妥当じゃないかしら…なんて思っています。

ドリンクタイプのプロテイン

コンビニで売ってるSAVASあたりが、一番メジャーかなと思います。
いつでもさっと飲めるのがいいですよね。

ただ、わたしの場合は人工甘味料であるアスパルテーム、アセスルファムKがどうも身体に合わなくて……

少量で猛烈な甘さを感じられるため、糖質制限を謳うプロダクトに使用されていることが多いんですが、これらを問題視している論文も散見されます。

メーカー側としては、ある程度安価でカロリーが低くて甘いものを使わない手はない、という気持ちもわかるんですが…

気になる人はググってみるのと同時に、論文で医師たちがどういう見解を示してるのかもみてもらえたら。

わたしの場合、たまには違う味を試してみたいな〜と思い、月に1回飲むか飲まないか程度です。

・食品

いちばん身近なもの、いってみましょう。

鶏胸肉、豚ヒレ肉、お刺身、かにかま、ノンオイルのツナ缶、鮭ほぐし、しらす、納豆(脂質と炭水化物も含むのでその辺は注意)あたりは食べやすくてオススメ。

黒毛和牛とか豚バラ肉とか鶏もも肉もおいしいんですが、後述する脂質もセットで摂取することになるので、純粋にタンパク質をメインで摂取するとなるとこういうラインナップになるんです。

タンパク質だけをちゃんと摂ること、その難しさったらありません。


ひとことコラム 〜飢餓の子どもたちは、何が足りないの?〜

飢餓の子どもたちでよく見る、お腹がパンパンに膨れてるのに手足がガリガリの子はクワシオコールと呼ばれ、タンパク質の欠乏がメインの栄養障害になっています。血管内に水分を保持できず、サードスペース(血管内でも細胞内でもない空間、この場合は腹腔内)に水分が流れてしまう。だから、お腹が膨れてしまう。

ちなみに、マラスムスは栄養素全体が欠乏している栄養障害のこと。おなかも全部ガリガリです。



脂質とは

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細胞やホルモンの原材料となるもの。車でいうとすべりを良くするオイル、雨をはじくワックス的なポジション。人間の身体でも、細胞を包む細胞膜は脂質からできています。太るからと控えている人もいるかもしれませんが、こちらも必須の栄養素です。

ただ、1gで9kcalあるため過剰摂取に注意。
脂質の分類については、こちらのサイトの図がシンプルでよかったです。

脂質といっても、いろんな種類があります。

飽和脂肪酸は意識しなくても摂取できますが、オメガ3脂肪酸は意識しないと難しいはず。

最近よく聞くアマニ油は熱に弱いので、サラダにかけたりお味噌汁にたらしたりして食べるのが一般的。これで揚げものしてもそんなにいい効果はないと思われます…

ココナッツオイル、MCTオイルは飽和脂肪酸における中鎖脂肪酸の位置付け。身体に吸収されてからエネルギーになりやすいという特徴をもちます。脂肪になりにくい脂質って感じ。



食物繊維とは

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体内で消化できないくせに、摂取すると身体にいいという不思議な栄養素。昔はカス(久々にこの言葉使った)扱いされてたらしいですが、近年は第六の栄養素として見直されています。サプリメントも出てくるほど。

車の部品でいうとお掃除道具的な扱い。
洗車用品とか洗剤とか。
なくてもいいけど、あると本体が長く清潔に使えますよね。
たぶんそんな感じ。

食物繊維は不溶性と水溶性の2種類がありますが、今回はそこまで気にしなくても良さそう。摂りたい人は意識してまず食べてみることを目標にしましょう。

腸の壁に貼りついてうんこのすべりをよくしたり、うんこに水分を与えたりするため、便秘にいいと言われています。



ビタミンやミネラル

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三大栄養素をうまく消化・吸収するために必要なもの。車でいうと、ハンドルやブレーキ、サイドミラー、バックミラー的なポジション。車本体があっても、運転できる仕様じゃないと意味ありませんよね。

点滴に必ず入っているレベルのものなので、健康な人は無意識のうちに絶対摂取しているものになります。

ここら辺はサプリでもOKな気がしています。マルチビタミン&ミネラル的なアレ。わたしは、コストコで売ってるやつを飲んでます。

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ビタミンやミネラルって足りな過ぎても多過ぎてもダメ。特に、血中ナトリウム濃度は多過ぎても少な過ぎても意識が飛びますし、血中カリウムに至っては高すぎると心停止します。ほんとに。

何事も適正なバランスが大切ということですね。


なんとなく、食べたほうがいいものとそうでないものがあるとわかったところで、「食べる」とついてきてしまうものについて触れておきましょう。


食べてるつもりがないのに、それを食べてるわたしたち


それは、添加物ですね。
パッと思いつくものだけで

・亜硝酸ナトリウム(発色剤)
・アスパルテールなどの甘味料(ダイエット甘味料)
・安息香酸ナトリウム(防腐剤)
・防カビ剤

あたり。

ちなみに、厚生労働省のサイトにはこういうリストが載ってました。

食品や加工品の安全性をより強固に、そしてよりおいしそうに見せるために、賞味期限を伸ばすために……などさまざまな理由で使用されています。

メーカー側の気持ちも痛いほどわかりますし、わたしたち消費者も「おいしそうに見えるもの」を購買してしまうんですよね。


「添加物の入っている食品をできるだけ避けましょう」というのは簡単ですが、現代を生きるわたしたちがそれを行動にうつすには、いろんなリソースが足りません。

料理好きなわたしだって、毎日自炊しているわけじゃありません。
添加物の入っていない食材を毎回選んでいるわけでもありません。

やっぱり、コンビニに売ってるものは便利だし
よりきれいでおいしそうに見えるものを手に取ってしまうし
なるべくなら日持ちしてほしい、腐るのはイヤ

こういうになってしまうのは、仕方のないことだと思います。


とはいえ


添加物は、自ら望んで摂取するものではない

と思っています。


そのため

加工品を買うときは、裏の成分表示を見てからにする

くらいは習慣づける人が増えてほしいなと思います。
これだったら、誰でも今日からできると思うんですよね。

たとえば、ハンバーグ。
手作りすると材料はこんな感じ。

・合い挽き肉
・玉ねぎ
・パン粉
・たまご
・塩こしょう
・ナツメグ

これがチルドの製品になると

・アミノ酸
・調味料
・増粘剤

このあたりが使用されていること、多いんじゃないでしょうか。

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なぜ使用されているのか
使用することで得られている効果は何か

あたりをふまえた上で食べるだけでも、相当意識が変わると思います。

手料理がおいしい理由を振り返るとともに、日持ちしない・色が変わってしまう・大量の砂糖を使わないと甘くならないなど手料理では不十分なところも見えてくるはずです。



食べ方や食べるタイミングなど

ここからは、個人的な傾向と対策の話を。

家系的にHbA1c(糖尿病の診断指標のひとつ、5.5以上だと糖尿病リスク高めだね的な雰囲気が出てくるやつ)がもともと高めなので、糖尿病怖し。

だから、食べたあとに血糖値が爆上がりしないよう、できるだけ食べ順に気をつけています。

これまでにわたしがマークした最低血糖値は23
冷や汗が止まらなくて、手先がヤバいほど震えていました。

そのときのエピソードを覗きたい人はこちらをどうぞ。

そのため、野菜→タンパク質→炭水化物の順番がデフォルト。懐石料理もフレンチもだいたいこの流れなので(イタリア料理はメインの前にパスタが入ってくるからほんと謎)歴史あるセオリーだと勝手に捉えています。

ただ、女性のみなさんなら心当たりがあるかもしれませんが、生理前って無性に牛丼やパスタをガッと食べたいときが来ませんか…?もう理性では歯止めがきかない、抑えきれない衝動ってやつ。

そういうときは、できるだけお水をたくさん飲んでから食べるようにしてます。それでも、高血糖からの低血糖は確実にやってくるので毎回後悔するんですが…抵抗不可なんですよね。でも、これはわたしのせいではなくホルモンのせい…みーんなホルモンのせい……(完)


それから

長らくフォロー頂いてる皆さんならご存知のように、料理が好きでグラニュー糖たっぷりのお菓子もばんばん作ります。ただ、これも空腹時には絶対食べないようにしています。プロテインを飲んだあとか、食後ですね。

基本的にお菓子は、レシピ通りにグラニュー糖や上白糖を使いますが、わたししか食べないときにはてんさい糖やラカントに置き換えて作ることも多いです。

ラカント?って人はこちらをぜひ。

うまくふっくらしなかったり焼き加減が微妙なときもありますが、見た目や完成度よりも身体への負担を考えて、というわたしの選択です。


最後にまったく需要はないと思いますが、わたしの食べてるものスケジュールを置いておきます。


・10時くらいにプロテイン(常温のお水で)

・12時前に朝兼昼ごはん、炭水化物しっかり(だいたいロウカット玄米か低糖質パスタ)

・あいだ、こまめにお水かお茶を飲みつつ

・19時半くらいに夜ご飯、野菜&タンパク質多めメニュー(スープやサラダ、チキンが多いかな)

・夜勤のときは2時くらいにチキンスープ(鶏胸肉100g、桃屋のきざみしょうが、もずくスープ)を食べて空腹を凌ぎ、その後2時間ほど仮眠へ

・朝6時から動く=エネルギー消費するので、5時半くらいにおにぎりか手作りスコーンを食べます。

チキンスープを飲んで3時間後くらいということは、空腹ではなく満腹に近い状態なのでいきなり炭水化物を摂取してもそんなにダメージをくらわない気でいます。実際、低血糖になることはほとんどありません。


とはいえ、これをずっと守ってるとストレスがたまるので、職場でいただくお菓子なんかは気にせず食べてますし、外食=無礼講という気持ちで生きております。



はい、やっと採血結果にいきますよ。
わたしだって休憩しながら書いてますから、みなさんも休憩しながら読んでくださいね。



採血結果の見方

はい、やっと看護師らしさをアピールする時間がやってまいりました…!
ひゅーひゅー

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こういう採血結果、みなさんも一度はみたことがあると思うんですが、正直なにがなんなのかさっぱりわからないと思うので、ふんわりわかった…かも?を目指して話していきますね。


白血球(WBC)

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WBCと聞いて野球を思い浮かぶ人もいるでしょうが、わたしの場合は圧倒的に白血球。

基準値は3300~9000/μℓくらい。
外敵と戦う兵士です。

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ちなみに、わたくしナースあさみ、上の図の白血球のところをご覧いただくとわかると思いますが、これがいつも高めで9000〜12000くらいが通常営業。いつも高値でひっかかります。

補足
0の数が違くない?と思われるかもしれませんが、採血結果って医療機関や分析する会社によってゼロの値を端折るところがあります。その場合、項目の横に単位が書いてあるので参照してみてください。上記の例だと、95、100、106と記載されていますが、本当の値は9500、10000、10600となります。よろしくね。

かかりつけ医はこれを知っているので、風邪ひいてる?とか絶対聞いてきません。逆に、初診時の医師にはこれを伝えておかないと、感染症にかかってる扱いをされがちです。

風邪をひいたとき、手術をしたとき、感染症と戦っているとき、この数値は上昇します。風邪で10000〜15000、大きな手術をうけたあとで20000くらいでしょうか。

これより上がってる時は、血液疾患(白血病とか)を疑うこともあります。こういうときの白血球数は10万を超えてくるので、誰がどうみても様子がおかしいんです。

反対に、低いときも、血液疾患(白血病や再生不良性貧血)を疑います。一番わかりやすいのは、白血病で骨髄移植をする前の人のデータ。45とかしかない。4500じゃなくて45ね。もう、どうやったって負け戦。感染したら一発アウト。だから無菌室に入るんですね。

あとは、薬剤の副作用で白血球が減少してしまうこともあります。そういうときは、似たようなもので白血球への影響が最小限なものに変更、もしくは薬剤投与の中断が検討されます。


ヘモグロビン(血色色素)

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酸素と手を取り合って血中に漂っているやつですね。
酸素の運び屋。

基準値は男が13.5~17.5g/dl、女が11.5~15.5g/dlくらい。
女性は生理もあるし少なめかな。

これが少ないと、いわゆる貧血と言われます。
わたしがみた中での最小値は3でしたね…生きてるのが不思議なレベルでした(即入院&ガンガン輸血)

ヘモグロビン低値は鉄分不足が原因なこともあるので、フェロミアなどの鉄剤の内服薬が処方されます。このとき、鉄が消化液で酸化されるためうんこは黒くなります。


血小板

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(ヒトデではありません)

出血時、集まってきてのりみたいにくっついてくれるやつ。
くっつきもち。

なぜかわたしは多すぎな人ですが、そういう人はあんまりいない印象ですね。少ない人のほうが多い&心配です。血が止まらなくなるので。いつまでたっても止血の気配がやってきません。

あまり知られていませんが、これも輸血可能な製剤のひとつ。冷凍でやってきて解凍して使います。溶けた瞬間から固まり始めるので、溶けてきても固まらないような仕様になってる専用の溶かす機械があります。

機械から取り出して患者さんに投与するあいだも常に揺らし続けないといけないという、ある意味愉快な製剤。だいたい使うときは緊急時&ゆっくり落としてるとチューブ内で液が固まってしまうので、クレンメ(点滴の速度調節箇所)全開で落とすことが多いです。

興味ある人は、こちらをどうぞ。

そうそう、血液=赤いと思われるかもしれませんが、体液って淡黄色なんですよね。赤いのは赤血球の色味。


ヘマトクリットと赤血球は、臨床であんまり話題になることがないので割愛します。


AST(GOT)とALT(GPT)

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肝機能をみる項目ですね。これが高いと肝機能が弱っている証拠。言い方にセンスがありませんが、肝臓で戦った兵士の残骸みたいなものです。

基準値はだいたい二桁、それ以上高いと肝炎や急性アルコール中毒、総胆管結石などを疑います。四桁を超えることもしばしば。もう血管内が兵士の死骸だらけ。

肝機能が良くないと代謝がうまくいかない、そうすると処方できる薬が限られるなんてことが起こるので、そこそこ侮れないデータです。


γ-GTP(ガンマジーティーピー)

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たんぱく質を分解する酵素です。肝・胆道系が狭窄や胆石でつまっていると、肝臓から逆流して(!)血中にあらわれます。基準値は30以下くらい。黄疸の人とか1000を超えてくるので、逆流わっしょい!という気持ちになります。


Cr(クレアチニン)

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腎機能をみる項目です。
0.8以下くらいが正常値、3を超えてくるとと透析かな…というイメージ

糖尿病やIgA腎症、ネフローゼ症候群の患者さんのデータは悪いです。5〜10あたりをウロウロしている印象があります。もうしょうがない。

ちなみに、尿が出ていることとこの数値は相関しないので、きれいなおしっこがたくさん出てるから大丈夫!ということではありません。あくまで、腎臓の濾過機能をみる指標であって、尿量をみる指標ではないのです。


総蛋白(TP : total protein)

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血中内に漂うタンパク質全体量をあらわす項目。このうち70%がアルブミン、20%がガンマグロブリンと呼ばれます。

6.5〜8.2くらいが正常値、普通の人はこの数値が健診でひっかかることはそうないはず。

肝臓に障害が起こると、たんぱく合成が阻害されるので低値になります。腎機能が低下し、たんぱく濾過機能がガバガバになると体外に出ていってしまうので、こちらも低値に。肝機能と腎機能はマジ大事!それよりも大事なのは肺機能と心機能くらいかな。

ALB(アルブミン)

(さすがにこれを表すイラストはなかった)

総蛋白のうち70%を占めるタンパク質のこと。循環血液量を左右する指標でもあるので、あまり知られていないかもしれませんが、臨床ではとても大事な指標です。

肝臓で生成されるものなので、肝機能がアレな人はこちらも総じてアレ。

3.5以下だとおや…って感じ。若い人でも、手術のあとや重症感染症のあとは2〜台まで低下することもあります。白血球やCRP(炎症をあらわすタンパク質)にタンパク質が使われちゃって、アルブミンにまで手が回らないイメージ。

1コンマ台の人もたまに見ますが、だいたい瀕死 or 超高齢者。経口からの栄養摂取が困難な人ばかりですね。タンパク質を血管内に保持し続けるということにもエネルギーがいるのです…

救いがあるとしたら、こちらのアルブミン、血液製剤のひとつでもあるので輸血製剤みたいに外注することが可能です。1瓶50ccで4000円くらい、保険適応内では1月あたり3日間まで投与可能なはず。高齢者の中には、自費でもいいからって投与する人をたまーにみかけますね…


空腹時血糖

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採血の直前に食事をしてはいけない理由が、ここにあります。血糖が下がってるときの値を知りたいからなんです。

基準値は70〜110くらい。空腹時って血糖が低いはずなのでこれくらいの数値なはず。糖尿病じゃない人でも、食べたあと3時間後くらいは150〜200くらいまで上昇しゆっくり下降していきます。で、食べるとまた上がるという。

70以下は低血糖、40以下くらいで手足の震えや意識混濁がみられ、20以下は生命の危機。速攻でブドウ糖注射液を静脈内に投与しないとヤバいやつです。

ちなみに、市販の血糖測定器で測れる高値は400〜600まで。ただ、病院の機械で検査するとどこまでも測定することができます。わたしが出会った最高値は1360でした。舐めると甘いかもしれません(ダメ絶対)


HbA1c

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過去1〜2ヶ月の血糖値の平均をあらわした数値のようなもの。
5.5あたりが高値になるかならないかのボーダーですね。

こちら、厳密には糖化したヘモグロビンの数。糖尿病の診断基準は、空腹時血糖よりもこちらが大事になることが多いかな。

たまに、未治療の糖尿病患者で7コンマ台の人とかくると、個人的にはテンションあがります。


尿検査について

おおまかに、尿糖と蛋白、潜血だけ。

尿に尿糖や蛋白が出るとは、腎臓の濾過機能がガバガバで本来体内に再吸収されるはずの分子大きめ要素が尿に出てしまってることを表します。要は、腎機能が弱っている証。そのため、再検査や要検査の流れになることが多いかな。

潜血は、尿管~膀胱~尿道のどこかで出血している可能性があるかも…という項目。1番多いのはがん。がんは組織を蝕みながら拡大していくので、血管や骨を侵食する→出血したり組織がボロボロになる→尿に血が混じるというプロセス。

女性の場合、潜血=月経のときの血液が混じっちゃったてへっ☆ということもあるので、そのあたりは自分の心と生理周期に聞いてみてください。



もっと知りたいという方は、こういう記事もあるのでよければぜひ。



あなたが健やかに生きていくために

どうやって情報を得るのか
その上で、誰から買うのか
なにを食べるのか
どう食べるのか
で、食べたあとどうなのか

昨今の情勢をふまえると、職種や業界問わず自分自身でPDCAを回していくことが大いに求められているなと感じています。

食いしん坊であるかそうでないかは一旦脇に置いといて、食べることは、その最初の一歩だと思うんですよね。

芸能人のあの人はこうだった
知り合いはああだった

じゃあ、わたしはどうなのか

という仮説を立て検証していくことが、そのまま自身の健康やQOLに直結しているということです。

こういうことを、専門的にいうとヘルスリテラシーと言います。

ヘルスリテラシーとは、ヘルスケア、疾病予防、健康増進という3つの領域の健康情報にアクセスし、理解し、評価し、利用できる知識、意欲、能力のこと

医療の未来年表 p.166より引用

体系的に知りたいという方はこちらも。

上記のサイトは、国の委託を受けて医療従事者が執筆・監修しているサイトですので、ぜひぜひ覗いてみてほしいと思います。


自分の健康を守るためには

知ってるだけじゃダメ
やる気だけでもダメ
できるだけでもダメ

知識・意欲・能力のバランスがうまくとれていないといけないのです。


わたしの場合

国産の鶏胸肉で鶏ハムを作っているわたしも好きですし
夜勤明けでパーっと朝マックしているわたしも好きですし
夜の焼肉に備えてしらたき冷麺を食べてるわたしも好きですし
ごはんを食べすぎて低血糖になり、ぐったり横になってるわたしも嫌いではありません。

どれも、わたしの中では健やかな「わたし」なんです。
自分で情報を得て実践し、検証しているから。
どの自分の状態にも、納得できているから。



自分の選択をできるだけたくさん肯定できる人が
もっともっと増えますように。

貴重な時間を使い、最後まで記事を読んでくださりどうもありがとうございます。頂いたサポートは書籍の購入や食材など勉強代として使わせていただきます。もっとnoteを楽しんでいきます!!