看護師が白衣の天使と呼ばれる、その理由
看護師をしています
と言うとよく言われるのが
白衣の天使ですね!
というセリフ。
そう、ナースあさみは天使なんです…!
というのは、冗談で.......
入院経験のある人は、医師よりも看護師さんにお世話になったとおっしゃってくれる人が結構います。
きっと、ベッドサイドで共に過ごす時間が長いからでしょう。
実際の声は
ナースステーションのあかりが
灯台のように見えた
とか
家族にもしてもらったことがない
下の世話をしてもらって頭が上がらない
とか
眠れない夜に看護師さんの足音が聞こえるのが安心そのものだった、とか。
こういう個人的な体験に加えて、メディアやドラマのでのイメージが投影され、「白衣の天使像」が出来上がるんだろうと思っています。
実際は大きく異なるのですが、ごにょごにょ.......
これは、単に医師よりも接触回数が多いことだけが理由じゃない、というのが私の考え。
どうして、看護師が白衣の天使にみえるのか。
それは
患者さんの話を傾聴するからなんです。
傾聴をググると、こんなふうに解説されていました。
「傾聴」とは、カウンセリングやコーチングにおけるコミュニケーションスキルの一つです。人の話をただ聞くのではなく、注意を払って、より深く、丁寧に耳を傾けること。自分の訊きたいことを訊くのではなく、相手が話したいこと、伝えたいことを、受容的・共感的な態度で真摯に“聴く”行為や技法を指します。それによって相手への理解を深めると同時に、相手も自分自身に対する理解を深め、納得のいく判断や結論に到達できるようサポートするのが傾聴のねらいです。
https://kotobank.jp/word/%E5%82%BE%E8%81%B4-178758 より引用
看護師って、この傾聴のスキルをいろんな場面でものすごく使っているんです。実際、私の卒業した看護学校ではこのような授業がありましたし、卒論もコーチングをテーマにしました。
だから、このスキルを使うと看護師さん優しい!と感じてもらえたり、医師には言えないけど看護師さんになら…って思わせたり、患者さんからの信頼を一瞬で掴むことができます。
ちゃんと意図と狙いがあるんです。
これが、天使の理由。
近年、またコーチングが流行っている気がしますが、それはたぶん「話を聞いてほしい人」がたくさんいるから。
みんな、人の話は聞きたくないけど
自分の話は聞いて欲しいんですよね。
ほら、仕事の愚痴とかそうじゃありません?
内容はともかく、誰かにうんうんって聞いてもらうことが真の目的。できたら信頼関係のある人がいいけれど、もう誰でもいいから私の話を聞いて…!って思ってしまう時、ありますよね。
ここで、上記に加えて、私が日頃やっているスキルとしての傾聴を紹介させてください。
たぶん、看護師じゃなくてもこれを意識するだけで、あの人は信頼できる人だ…!って思わせることができるはず
(たぶん)
目線を合わせる
これ、恋人と話してる時には絶対やってるはずなんです。
反対に、苦手な人や嫌いな上司とはなかなか出来ないはず。
相手の心の中を見つめたくないし
自分の心の中を見せたくないから。
ずっと目を見つめてると疲れてしまう人は
おでこや鼻などもおすすめ。
たまに、肩や胸に視線を外してから
相手と視線が合うタイミングで目を見ると
共感のレベルが上がったような錯覚を起こすことがあるので、良きかと。
相手と話す時の角度に留意する
わかりやすく言うと
・面接は対面(180°)
・仲良しや距離をつめたい時は90°くらい
・恋人や気を許した人とは並列(限りなく0°)
というイメージです。
面接や審査などは、選ぶ側と選ばれる側の力関係が明確。そのため、選ぶ側としては舐められないためにも圧をかけやすい180°が好まれるように思います。
逆に、並列での面接なんて、日本ではあまり聞いたことがありません.......
反対に、関係性を縮めて濃くしたい時はどんどん鋭角にしていくのがオススメ。
私は関係性を縮めたいとき、患者さんの横に座ります。
あなたを指導・管理するのではなく、あなたと同じ方向を見つめたいのよ、の表れという感じです。
相手との現在の関係性や、これから目指したい関係性に寄りますが、関わるときの角度に配慮できるとこちらの狙いを案に示すことが出来ます。
ゆっくり話す
せかせか話してしまうと
私は時間をかけて関わるに値しない人間だ
というメッセージを案に伝えてしまう恐れがあります。
たぶん、ここまで言語化することはないと思いますが、接客やサービスでなんかな~と思う時は、だいたいこれ。
大事にされていない感覚だけが残ってしまうんです。
だから、自分ではめちゃくちゃゆっくり話してるように話してみてください。
録音して聞いてみると、以外とそうでもないことに気付けるはずです。
相槌にバリエーションをつける
感情豊かだと言われているアメリカ人だって、Wowしか言わない人なんていません。
日本語訳ではえ?かもしれませんが、実際の言葉を聞いてみると、実に多様な言葉、センテンスを使い分けています。
私たちだって、うんうんって言いながら話を聞いていると
この人.......本当に私の話を聞いてくれてる?
と、相手に思わせてしまうことも。
だから
・そうなんですね~
・うんうん、それで?
・あ~なるほど~
・そんなことがあったんですね~
・そんなふうに思ったんですね~
と、相槌を打ちつつ、相手が話してる事実や感情をさり気なく肯定してあげると、相手が話を聞いてくれてる感を増大させることができます。
これ、傾聴してる側は慣れないとつらいんですが、練習を積むと無意識レベルで出来るようになります。
相手の話すペースに合わせる
さきほど、ゆっくり話すとお伝えしましたが
たとえば、相手にパートナーが出来て
鼻息荒く報告してくれた場合
話は別です。
こっちがゆっくり話をし続けていると
共感してくれてないのかな?
同調するほどのことじゃないってこと?
と、ネガティヴに反応されてしまうことがあります。
そのため、こういう場合は相手の話すペースやトーンに合わせて、共感や同調を非言語的に伝えるのがおすすめ。
話す内容によって声のトーンを変える
ここからちょっと応用編。
毎日楽しく嬉しいことばかり話せればいいんですが、そういう訳にもいきませんよね。
相手にネガティヴなことを伝えないといけないとき
私の場合だと、患者さんに治療法が残っていないことや、使ってあげられる薬がないことを伝えなきゃいけないとき、でしょうか。
そんな時は、声のトーンをできるだけ落とすようにしています。
私自身、SNSやテキストのイメージよりも声が可憐でかわいい癒し系なので、ネガティヴなニュースを伝えるときは、反対に真実味や重要度が下がってしまいがちなんです。
だから、出来るだけ低い声を出すようにしてます。
一方、地声が低い人はあえて高い声を出すようにして、ポップに伝えるというワザもあったりします。
オープンクエスチョンとクローズクエスチョンを使いわける
オープンクエスチョンは5W1H的な
クローズクエスチョンはYes or No
のイメージです。
相手の思考を広げたいとき、掘り下げたいときはオープンクエスチョンを使い
逆に、考えや気持ちを整理する狙いがあるときにはクローズクエスチョンを使って、ゴールに導く感覚です。
答える側としては、はいといいえで答えるほうがラクです。ただ、これは質問力が必要、つまり聞き手のスキルが鍵となります。
こんなスキルもあるのね~
くらいでちょうどいいかもしれません。
以上、ナースあさみが活用している傾聴スキルの紹介でした。
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