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フェログラデュメットとフェロミア


高齢の女性患者さんにフェログラデュメットが処方されていました。うちの薬局で頻繁に出るのはクエン酸第一鉄(フェロミアGE)。

時々、隣の内科は事務さんが規格間違え等や頭文字で入力して全然違うものが処方されていたりするので在庫にないものは要確認です。

フェロクラデュメットはうちでは他院が訪問している施設の患者さんに出てるので在庫はあります。

医師もフェログラデュメットで処方とのこと。


フェロミアと真っ赤なフェログラデュメットの違いを知らないと!

フェログラデュメットって真っ赤すぎません?他の錠剤にはない毒々しい赤ですよね・・・。SU剤とかを真っ赤にした方がいいような?

色がすごい選手権でいくと、断トツNo1ではないかな?No2でヨーデル。No3がセチロかな~


フェロミアもフェロクラデュメットも同じ非ヘム鉄。ヘム鉄の方が吸収はいいけれど、ほかのインクレミンやフェルムなども全部、薬になっているものは非ヘム鉄。

市販の鉄剤は胃腸障害を起こしにくいヘム鉄だけど、一日量が少なく、高いですねぇ。

たとえば、フジテックス「ワカサプリ ヘム鉄」約250円/20mg/day

一か月で換算すると7500円!orz

自分で買って飲む場合は血液検査もないし、過剰症である肝障害も心配ですしね・・・

非ヘム鉄であるフェロミア、クラデュメットはFe2+と3+の混合体で、腸管で吸収されるのにFe2+の形になります。このFe2+が胃腸障害の原因。これが実はよく起こる副作用「鉄剤飲むと、気持ち悪い、うえー」の正体。

Fe3+→2+になるときにビタミンCなどの還元剤があるとあるとFe3+に戻るのを防げるので鉄剤とVC併用で吸収がアップするメカニズム。


ヘモグロビンとフェリチンの関係は、ヘモグロビンはいつも使う財布。フェリチンは銀行預金と例えられますが、ヘモグロビン値が回復するのに鉄服用後4週間前後、フェリチン回復まで3か月前後かかると言われています。つまり鉄が体に余裕である状態でないと、貯蔵鉄(フェリチン)までは回復しないということですね。その日暮らしで貯金ができるかー!ということ。


つまり胃腸障害で服用続けることができない!となるのが一番困る。

そこでこの副作用をできる限り回避できるのが徐放性製剤のフェロクラデュメット!胃内で急速にFe2+を放出することがないので胃粘膜に対する刺激が少ないのです。


以前、フェロミア飲んだけれど、気持ち悪くて続けれない。うちの薬局でも結構います。

食後でも無理だ・・という方や胃粘膜が薄くなっている高齢者にはフェロクラデュメットの方が続けやすい鉄剤と言えそうです。




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