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ブラボーおじさんは踊りたい

バイオリン商の友人から「ブラボーおじさん」の話を聞いたことがあります。クラシックコンサートで、演奏が終るやいなや、ウワーって拍手しながら立ち上がり、大声で「ブラボーッ!!!」て叫ぶ人のことなんですね。

クラシック音楽は「座って大人しく聴く」と言う、昔から変わらぬコンサート形式のスタイル。ライブみたいに演奏中に観客が立って踊ったり、体を動かすことができません。でも、クラシックって、結構激しい曲もあるし、乗れる曲もありますから、私なんか、最初はいいけど、だんだん盛り上がって来るともう椅子から立ち上がりそうになるんですね。ライブだってそうでしょ、立ち上がって「ヒューッ!」ってやりたいじゃないですか。それで、もうこれはずっと前から思っているのですが、

スタンディングのクラシックコンサート

って、やってみたらどうかと思ってるんです。パイプ椅子で並べて、座ってもいいけど、もちろん立ってもいいし、踊ってもいいし、エア指揮もあり!みたいな。例えば「ベートーベン5番ライブ」とか「ベートーベン7番ライブ」なんかいいと思います。のれますから。やっぱ最後に向かってうわーって盛り上がって行く曲がいいと思います。

ワグナーの「ワルキューレの騎行」がよさそうなのは、もちろん、「ニュルンベルクのマイスタージンガー」とか、ビバルディの「四季」の「冬」もいい感じと思います。わたし的にはNHKFMの番組「音楽の迷宮」の片山杜秀さんが曲を監修してくれて、コンサートしてくれたらすごい、素敵なのでできそうだなと思ってて、どなたかやってくれないでしょうか。

私の中ではクラシックもこのトップ画像をお借りしているSaharaさんの写真のケミカルブラザースも差がなく好きなのですが、あのクラシックコンサートの有無を言わさない厳粛な感じがどうも苦手で、それで「ブラボーおじさん」が鬼の首を取ったかのように「ヴラヴォー!!」とか叫びますでしょ。でも、思ったんです。ブラボーおじさん、きっともう、私と一緒で、いてもたってもいられないんじゃないかと。それで、思わず前のめりになっちゃうんじゃないでしょうか。

やっぱりクラシックって実は聴いている側も血湧き肉踊って来るような部分があって、それをただ黙って聴いてろ、と言うのはある種拷問に近い聴き方です。だって、家で聴いてるときって、自分で指揮みたいなことしちゃったり「フンフンフーン」とか歌ったりしますよ。

とは言っても、演奏者自身がどうか、と言う問題があります。観客が踊ったり「hooooo!」なんて拳を突き上げていたら、そりゃ演奏しにくいでしょうかねえ。あるいは、一緒にのってガンガン演奏できちゃうものなのでしょうか。

最近は映画でも発声上映会とかあるんですから、発声クラシックコンサート、やってみてもいいと思うんですよね。でも、考えてみたら声や音を出されると演奏者が集中できないだろうな、とは思います。やっぱり発声はやめたほうがいいかも。

ちょっと近いのが、ウィーン・フィルハーモニーのニューイヤー・コンサートで指揮者が観客のほうを向いて「ほら、みなさん一緒に手を叩きましょう」とか言う感じでシュトラウスとか演奏するんですが、わたし的には「違うんだよ!シュトラウスじゃねーんだよ!幼稚園児じゃあるまいし、そんなの全然盛り上がらねーよ」って思っちゃいますですね。もっとこう、毒性の強いパンチのあるのがよいですね。

もうなんか、本当にブラボーおじさんの気持ちが分かるようになってきちゃいました。きっとスタンディングのコンサートやったら、来てくれて、最初からかっ飛ばしてくれるはずです。なんなら、ブラボーおじさんをスカウトして何人も集めてブラボーズとか作ってね、それで、スタンディングコンサートしたら、間違いなく盛り上がりますよ。まあ、間違いなくやかましいでしょうけど。

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