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ADHDの旅準備 カードで忘れ物防止

旅に出る際に考えるべきことは何を持って行くかではなく、何を持って行かないかを決めることである。

これは、旅の日数、季節、目的によって大きく変わるので、その都度決定しなくてならないが、旅を重ねていくことで段々洗練されてくる。旅の準備というのは、前もってできるに越したことはないが、そもそも日常使っているものを持って行くことも多い。充電器やガジェットの類は出発直前まで使っていることも多いため、荷造りは前日、なんなら当日になってしまう。すると、ケーブルを一本忘れたりもする。

では、どうやってこれを防ごうか。特にADHDの私は頭で考えただけだと必ず抜けが起こって忘れる。そこで、持って行くものをイラストで描くことを思いついた。これは2023年秋、お遍路に2週間行ったときの記録だ。

下手でもいいので絵に描く。
文字だけよりもずっとわかりやすい


今、私は旅に出ているところだ。今回は冬、東北、移動も少ない連泊メインの湯治旅で、期間は二週間だ。秋のお遍路とは事情は少し違ってくる。お遍路は毎日移動で、歩くことも多い。レンタカーも使う。だけど、湯治は一か所に2泊、3泊で移動が少なく、室内で作業をすることが多い。とはいえ、最低限必要なものはだいたい一緒だからこの絵を参考に準備をする。しかし、ハブラシや充電器など、直前まで使っているものは、何を入れて、何をまだ入れてないかを頭で覚えるのはなかなか困難だ。

そこで、次にこういうやり方を考えた。まず、ケント紙を切って、持って行くべきものをイラストで描く。これもやっぱり文字より断然イラストがいい。いわば「持ってくもんカード」だ。これはケーブルをまとめて入れるポーチだけど、こんな風に入れておく。

忘れやすいケーブル類

カードは旅に出ない時にもポーチに入れておく。むしろ旅に出ない時に入れておくことが大事だ。実際に旅に出るときになったら、このカードに書かれた物を入れていく。入れたらカードはポーチから出す、ということをやっていく。すると、まだ入れられてないものがこうやって残る。直前まで使っているようなケーブルは忘れやすいが、こうしてあると(お、そういやスマホ用ケーブルまだ入れてなかった)となる。

ケーブル同様、直前まで使っているのがこのような小物だ。これも同様にカードにして、普段からポーチに入れておき、旅の準備の時に、ハンドクリームを入れたら、ハンドクリームのカードを取り出す、ということをやっていく。入れたものはクリップで留めておいてもいい。こうすると、普段使いのものを忘れることがない。

なんと言ってもイラストで描くのがコツ
普段使うものを持って行くほうが慣れていていいものですクリップで留めたものはもう入れてあるもの、それ以外はまだ入れてないものと分かる。

さて、最初に書いたように、旅に何を持って行くかよりも、何を持って行かないか決める、と書いたんだけど、じゃあそれってどうやって決めるのか。それは今まで行った旅で「持って行ったけど、結局一度も出さなかったもの」というのがあるはずなんですよ。文庫本、セーター、予備の下着など。何度か旅に出ることで段々それが分かってくる。

分かってきても、また次の旅の時には

なんかこれを持って行くとよさそうだ

と思いがちだ。どうしてだろう。つまり、旅での理想のふるまいというのがあって、例えば電車待ってる時ベンチで本読むかも、とか、雨降った時用に手ぬぐい2本あると便利かも、などと考える。これは(ベンチで本を読んでいる自分ってステキ)とか(手ぬぐいを使い分けている自分はデキる女とお思ってもらえるかも)とか、そのようなしょうもない自己顕示欲があるからだ。

実際のところ、ベンチで読むのは本じゃなくて観光協会でもらった案内マップだし、雨が降っても手ぬぐいはすぐ乾くので1枚あれば足りる。でも準備の段階では理想に傾きがちだ。冷静になろう。

Kindleひとつ取っても、旅のスタイルによって使うこともあれば、リュックに入れたままで出さなかった、ということもある。

何度も行ったような場所で、電車に乗っている時間が長いときはkindleは役に立つ。列車が市街地を走るといった退屈な車窓の時も同様だ。外など見ずに読書に集中できる。ところが、レンタカーを借りることが多かったり、初めて行く土地で、車窓が珍しいようなときはKindleを持って行っても、一度も取り出さなかったりする。自分の行動様式を知ることも、旅の準備では大事になってくる。

今回、旅で持ってきた荷物は7.6キロだ。3年前、初めて東北湯治旅に1ヵ月行ったときはカメラも入れて11キロだった。10キロの米袋でも重いでしょ。それ抱えての旅とかちょっとむりじゃないですか。でもなんだかんだでね、1ヶ月だし、とか思っていろいろ入れたけど、結局重すぎて途中で3キロ分くらい送り返した。

それから思えばずいぶんとスリム化されている。初めての東北はきっと寒いだろうと思ってセーターを持ってっ行ったけど、一度も着なかった。東北の部屋はたとえボロ宿だろうとめちゃ暖かい。乗り物も駅の待合室もめちゃ暖かい。ハッキリ言って伊勢のほうが寒い。でも、そういうのは行ってみないとなかなか分からない。

何度も旅に出ることで、いるもの、いらないものが分かってくる。旅がひとつ終わった時はもう次の旅が始まっている。今回、何が役に立って、何がいらなかったか。旅から帰ったらひとりで反省会をやって持ち物の精査をする。だが、いらないものばかりではない。こういうものがあったら便利じゃない?というのもある。整理のできる折り畳みトレーが欲しいとか、自分用のコーヒー入れるカップとか、そういうのだ。しかも軽いものがいる。さあ、とネットで探し始める。旅の持ち物はいらないものと欲しいもののせめぎあいで成り立っていて、それは永遠に終わらないのかも知れない。

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