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バーへ行くしかない

あなたは「バー」に行ったことがありますか。実はここに出てくるようなエピソードを求めて、つまり、自分の恋愛話を聞いてもらおうとバーへ行っても、こんな展開になることは稀です。そもそも一人でバーに行かなくてはなりません。それに最初はひとりでも、後からお客さんが来ることはまあ、あります。だからこれはファンタジーなのです。

巻末に曲名リストが紹介されていますが、これをネットで探し、同じように紹介されている酒(例えば「ムーンリヴァー」とギネス)を家で楽しんだとしてもつまらないからやめましょう。バーへ行くのです。

もし、行きつけのバーがあるならそこへ。もし、バーへ行ったことがなくても大丈夫。登場人物のように興味はある、けど分からないから教えて、そう正直に言えばよいのです。「私に合うカクテル作って」など意味なくバーテンダーを試すようなことは慎みましょう。

こんな風にバーで自分の恋愛を暴露していいの?と、心配になるかも知れません。けど大丈夫。世の中には「仕事上知ったことを口外してはならない」という守秘義務が存在しますが、プロのバーテンダーは自らに守秘を課しています。絶対に誰にも言いません。

さあ、これで安心してバーへ行く心構えができたでしょうか。それでも心配 な方は著者である林さんの近著「大人の条件」を読みましょう。え?その前に肝心の恋愛をしていないって?さあ、それは困りました。どうでしょう。自分の過去の恋愛に思いを馳せてみる、というのは。あるいは、将来恋愛するとしたらどんな風になるだろう、と想像してみるのは。

別にバーテンダーと恋の話をしなくたってよいのです。自分の恋について考えるためバーへ出かける。それだけでもうこの中に納まるエピソードだと思いませんか?都市の中の愛すべき小さな装置「バー」。さて、今日は私もあのバーに行って昔の恋を思い出してみるとしましょう。お酒はやっぱり…(つづきはバーで)。


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