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いや、これが”本物”のオタクラップでしょ。「ひがしやしき」

 いきなりですがみなさん、オタクラップって知っていますか?インターネットでこの言葉を検索すると、こういう

誰がどう見てもオタクといった風貌のラッパー(ラッパーなのか?)が自分の好きなアニメや漫画などの愛をビートに乗せて相手にぶつける、みたいなMCバトルの形をしたものがヒットする。あとは漫画やゲームのネタをリリックに織り交ぜたMCバトルの切り抜きがあったり、所謂"陽キャ"に噛みつくような内容のラップがあったり。
 こっからはおれの個人的な意見なんですが、こういうのちょっとキツくないですか?いやこれは先ほど例に挙げたオタクラップやオタクを否定するわけではなくて。そもそもおれも超がつくほどのオタクだし。
 オタクにも色々種類があって、こんな感じでそれぞれのオタクコミュニティの中で積極的に自分を出していけるタイプの人間(オフ会大好き、好きなものは大声で語り合いたい)や、逆に極めて内省的なタイプの人間(そもそも人付き合いが苦手だから一人で好きなものを楽しむ)がいたりすると個人的に思ってる。どうでもいいけどおれは圧倒的に後者です。まぁ、端から見ればどっちも変わらないんですけど…。

 一般的に言われるオタクラップが、前述した明るいオタクのものだとしよう。じゃあその一方でオタクだけどそのコミュニティはキツくて入れず、だからといって人並みなコミュニケーション能力があるわけでもなく結局一人が一番性に合ってるな~と思いつつもやっぱりアイツらみたいに楽しいことしたいから本当に気の合う友人とたまに遊んだりする、普通に女の子と喋りたいけど圧倒的に低い自己肯定感が猛烈にそれを阻害するおれみたいな人間は、一体どうすればいいんですか?
そもそも人として軸がぶれている人間に向けてのオタクラップは、ないんですか…。

ひがしやしき/君が永遠でとても嬉しかった

 ありました。やはりインターネットは偉大です。一生付いていきます。
こういうのが良いんですよ。おれみたいな暗い部屋のすみでネットの海を泳いでるような人間にはこういう曲のほうがピンズドで心に刺さる。
group_inouを彷彿とさせるエレクトロなトラックやフロウ、ひたすらに内省的で自虐的なリリックのその全てが良い。似たジャンルであるネットラップほど早口でまくしたてるわけでもなく、前述したオタクラップほどオタクネタマシマシではなく、それでもいい感じにオタクの面倒くさい感情が表現されている。

 この曲とかモロgroup_inouなんだけど、たぶんルーツはそれだけじゃないと思う。勝手に誰かを分析したりするのめちゃくちゃキモイし違っていたら申し訳ないんだけど、こんな感じの退廃的で少し哲学的なリリックを書くにあたってART-SCHOOLとかPeople In The Boxとか内省的なロックバンドの影響もありそう。

 このあふれ出る浅野いにお感。こういう想像めちゃくちゃする。ところでそろそろサブカル系の漫画読んでる女の子を地雷扱いするの、やめませんか?おれからしたら、「私、全然男に興味ないですけど~」みたいな風に服とか装ってるけど告白されたらとりあえず付き合うみたいな女子大生のほうが核爆弾並みに怖いんですけど…。

 一番好きかもしれない。おれは絶賛アイマスにハマり中なので「ふーん あんたがプロデューサー 渋谷凛」のリリックが特に好きです。オタクの悲哀たっぷりで狂おしい。

 ということで、いかがだったでしょうか。もしあなたが完全にこじらせちゃったオタクなら絶対ハマると思います。それでは。


追記

ひがしやしきさんは主にsoundcloudに音源をアップロードされていますが、Apple musicとSpotifyでも曲が聴けます。たくさん再生して大きなアイを送りましょう。



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