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無敵だった自分を取り戻すために

2022年の春
体と心を壊し無職になった私は
わずか1ヶ月で無敵になった


東京から会いにきてくれた友人に連れられ
24歳にして初めて”クラブ”というところに行った


元々お酒は強い方であったがテキーラには勝てず
人が全くいなかったクラブからの帰り道に友人と
「こんなに可愛いのにクラブで放置された女たち〜!
 男どこ見てんだよ〜」と2人でベロベロになりながら叫んでいた。


翌週も友達は東京から遥々会いにきてくれて
同じく”うちらって世界一可愛いよね〜”と叫びながら
夜のすすきのを練り歩いた。


インスタをフォローしていたら無料になるクラブの入場料も
うちらが可愛いから無料にしてくれた、とか
愛想の悪い店員さんがいても
うちらが可愛すぎて嫉妬してる、とか

頭がお花畑になった状態で
冗談として言っていたことなのに
いつの間にか脳に刷り込まれていた様で、
自分は世界一可愛い人間だと信じ込むようになり
それからはまるで人生が好転した



体調が良くなり就活を始めた時にも
可愛いんだから落ちるわけがないと思って面接に挑んだら受かったし
アパレルを初めて話しかけて無視されても
こんな可愛い子に話しかけられて緊張してるのか、くらいにしか思わなかった。


東京のクラブにインフルエンサーがたくさんいるっていう話を友達がしてきた時も
なんでうちらこんなに可愛いのにまだインフルエンサーじゃないわけ?とか
休憩室ですれ違った他店舗のスタッフさんと会釈だけで終わった時は
なんで連絡先聞いてこないわけ?とか


そういう頭のおかしい近況報告を毎日LINEで友達と
60%くらいはノリで、40%はきっと本心で
続けていた結果、無敵の自分が創られていた。


よくある、”自己肯定感の高め方”とか
”自分を好きになる方法”とかネットでたくさん検索したし
色々な本も読んだけど、最終的に私を救ってくれたのは
友達の存在とアルコールによる思い込みだった。


上京して地元に友達がいなくなり、人見知りの私だったけど
飲みに行った時に隣のテーブルにいた女の子に声をかけて仲良くなり
それから定期的に飲みに行くようにもなったし


たまたま道を歩いていて声をかけた人が
YouTuberで、YouTubeデビューを果たしたり


密かに夢だった、友達とその友達を集めて体育館を借りて
運動会を開催したり


去年1年で信じられないくらいの経験をして
友達も増え、(インスタのフォロワーも300人くらい増えた)


毎日が本当に楽しくて
出会えた人たちがたくさんいて
その人たちが大好きで
そんな日常が大好きで仕方なくて
心の底から楽しいと思えた毎日が初めてだった

私が上司からいじめられず辛い思いもせず仕事を続けていたら
こんなに大好きな友達と楽しい日常と出会うこともなく
淡々と日々を過ごしていただろうから
いじめてくれてありがとうございましたとすら思う。


だから、何か一つでもボタンがかけ違ってたら
出会ってなかった人たちがいると思うと、本当に怖くて仕方がない。


この経験をして初めて、
”考え方次第で人生は変わる”とか
自分を好きになるために
”自分を認める”とか”自分を褒める”とかの意味が
ようやく理解できるようになった。



だけど時間が過ぎると魔法はとけ
飲みすぎたせいでお酒も飲めなくなり
あんなに刺激的だった日々は
かなり遠のいてしまった


今の私は世界一可愛くないし
自分に自信もない。


克服したはずの人見知りが再度顔を出し
隣の席で飲んでる人にも
道行く人にも話しかけることなんてできやしない


あの時の無敵な自分が恋しい。


いつかあの時の自分とまた出会えるように
自分に自信を持つための努力をしよう。




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