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Nordfyns højskoleでの興味深い日々の出来事

デンマークに来て1週間、Nordfyns højskoleにきて5日間が経過した。
イントロダクション期間が終了し、今日から時間割通りの生活がスタート。
このイントロダクション期間の興味深い出来事をまとめておこうと思う。

毎日の食事が「優しい」

インスタグラムにも記録した内容になるが、この学校の食事は30〜60%がオーガニック食材からできている。食べるものは学校のキッチンで作られていて、とにかく野菜の種類が豊富にあるのが私としては嬉しい。(野菜は常に10種類くらいある)朝ごはんはヨーグルトに乗せるグラノーラやコンフレークなどが常に8種類ほど用意されている。ここにきてグラノーラにもう一度ハマってしまって毎日食べている。

オーガニック食品を選択することでどんなことが得られるのか。
自分の体にはいり、栄養となり、自分のパワーとなるものが一体何者なのか、少しだけ興味を持って調べてみることにした。

ただ、こういう時(自称)理系の私は本から文献を引っ張ってくることが好きなのだけど、(なぜなら大学でそれが習慣化された)(ネットは信用できないことがある)今はデンマークにいてネットに頼らざるを得ないので、「日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会」というところのHPから紹介する。

オーガニックの取り組みは多様な目的を持っている
①環境の保全
化学農薬や化学肥料を使わずに、水・土・大気を汚染から守ります
②健康な生活
保存料や着色料などの添加物をできる限り低減し、食品の安全性を確保します。また、化学的な染料や塗料を使用せず、アレルギーのない生活を目指します。
③自然との共生
自然の動植物を守り、生物多様性を保全します。
④身土不二
適地適作・地産地消で、地域の文化を大切にします。
⑤健全な社会
児童労働の禁止、植民地栽培の排除、南北格差の解消など、人を大切にする社会を実現します。

最近日本でもSDGsという言葉が謳われているようになってきているが、オーガニック食品を選択することもまた、「持続可能な開発目標」の達成に近づくのかもしれない。
ただ、日本ではしばしば「SDGs」という言葉だけを使用し、具体的に何が原因で、それを修正することで何が得られるのか、という観点が抜け落ちていることもある。

私たちは動植物なくしては生きていくことができないが、動植物の持続可能性は本当に保証されているのかを考えなければいけないし、結局行動に移すのは私たち「人間」であり、「マンパワー」が重要なのである。一人一人が理念に納得したところで行動が変容していく。

私は今まで家庭科の授業を扱う中で何度か目にすることがあったこのトピックだけど、本当に日々の行動に落とし込むところまではいけなかった。私自身の経済的能力・時間・そのほか様々な点から見て余裕がなかったからだと言い訳ができる。だけど、今回自発的じゃなくともフォルケホイスコーレで生活できる時間ができ、日々の食事が多様なものに配慮された「優しい食事」に変化したことをきっかけに、できることからここを離れる日が来ても実践に移していくことで、世界がちょっと変われたらいいな。

この学校にきてハマったオーツミルク
この学校にきてハマったオーツミルク


そしてこの学校にはいろんな生徒がいる。
国籍もバラバラなのはもちろんだけど、私はヴィーガン食を食べる人との共同生活についてもここに記録しておきたい。

「ヴィーガンになったきっかけってなんなんだろう。」
私は授業の中で「いのちの食べかた」という映画を見せていたことがある。スーパーマーケットや日々の食卓に並ぶ食べ物の裏側を知れるドキュメンタリー映画であり、野菜ができる過程(劣悪な労働環境)、家畜が育つ環境等が映し出される。(例えば鶏ならすごく狭いケースの中に多くのの鶏が生活し、私たちはその卵を頂いている。鶏の権利はまるでない。雛鳥の時にはベルトコンベアーで乱雑に仕分けされていたりする。)(また牛の屠殺シーンも含まれる)タイトル通り、私たちは「いのち」を頂いているのだと再認識させてくれた映画であった。
家畜が与える環境への影響を私は知っているし、「ノーミートデイ」という言葉を知っている。まだまだ深く専門性を高めるには至っていないけれど、「知っているのに行動を変えない理由はなんなのか」を自分で把握し(焼き肉は好きなの・・・)、(もちろんこれも人それぞれの価値観があるし、優先順位はある)だけどできることから実践に移してみようと思う。食品ロスを減らす、植物性のタンパク質に変えてみる、興味を持つなど。

この学校のキッチンはそんなヴィーガンにも配慮された食事が用意されている。(オールヴィーガン食な訳ではない)。この間の授業のイントロダクションで「bekary from around the world」という授業紹介で食べたシナモンロールもまたヴィーガン食だった。卵の代わりに雛豆を潰したものを使用していると聞いた時、なるほど!面白い!って思った。タンパク質が似ているのかなあ?そうやって疑問に思ったけど、追求はしていない・・・笑
いつかもっと興味が出たらその時にやろう。


毎日の食事
毎日の食事


学校の中は「廃材でできたもの」だらけ

次に面白いと思ったことは、学校の中は「廃材でできたもの」だらけだということ。

廃材で作ったガーデンハウス
廃材で作ったガーデンハウス
廃材で作ったサウナ
廃材で作ったサウナ

学校ツアー見学をしていると、これは〇〇のブロジェクトで廃材で作ったやつなんだよ〜ってまあよく聞いた。いやすごいな!!!

どうやって作るんだろう。
誰がHow toを知っているんだろう。
デンマーク人はみんな知っているのかな。
調べてやってみるのかな。

とにかく面白いと思った。
必要なものは、欲しいものは自分で作っちゃえ。
その時、材料はそこらで拾い集めちゃえ。

いやあ、面白い。
この間のキャンプファイヤーも、マシュマロを刺すための棒は木の枝で、最終的に自然に帰っていった。みんな当たり前にそうしていた。
日本人の何人かは「衛生的にどうなのよ・・・・」と言っていたけれど別に死ぬわけじゃない。エコ〜、グリーン〜という感じがした!

それと学校にはFree shopというものがある。いわゆるセカンドハンドだ。
歴代の在校生たちがいらなくなったものをそのフリーショップへ置いて行き、いつか必要な人が現れた時には無償でそれをもらうことができる。

私は今回スーツケース一個での渡航となったため、ランニングシューズが入らなくて困っていたが、このフリーショップで手に入れることができた。しかもまあまあ綺麗。
無理してバッシュ持ってこなくてよかったあ!

フリーショップで手に入れた靴
フリーショップで手に入れた靴。意外と綺麗だよね

この循環型システム、すごい気持ちがいいよね!
不必要な人はゴミにするのではなく必要な人にあげる。
最高。

そしてついに!本日のpratical sustainabilityの授業で私も廃材を扱う時が来た!
授業の中で、農具を作ろうとなったんだけど、普通に自転車のタイヤの部分が机の上に置かれ・・・部品を外し、それを農具に変えるという授業だった・・・
何これ言葉はわからないけど楽しい。今後もどんなことをやるのかとても興味深い。

自転車の廃材を活用して農具を作る
自転車の廃材を利用して農具を作る

「授業の選択権」は自分にある

そして今日から授業が始まったが、私のタイムテーブルはこのようになった。

私の時間割

A-subjectは週に4回。最多である。
B-subjectは週に3回。Aに続いて多い。
これらは入学申請時に何をやりたいかを決めて申し込みをしていた。
そして今回決めなければならなかったのはCとDだった。

A〜D全て自分のやりたいようにやりたいことを選ぶことができる。だから授業を始める第一歩が「自発的」で授業の中では「なぜこの授業を選んだのか」をみんなで共有するところから始まる。この授業が終わったときに「何を得たいのか」あなたはこの授業に「何を求めるのか」そこのディスカッションから始まっていく。もちろん「正解」はない。はみ出した考え方でもいい。なんでも大歓迎だという空気感が部屋の中に存在しているように思えた。

CとDはそれぞれ5つの中から第一希望、第二希望、第三希望を選ぶことができ、概要を10分ずついろんなルームツアーをしがてら体験しながら決めることができた。これをすることで教科と生徒のミスマッチングを多少防ぐことができるのではないだろうか。
その先生の特徴・考え方・授業の進め方・そんな話を聞きながら、自分は1番何に惹かれるのか、自分で決める余地があるっていいな。

日本の大学はそれに近いのかもしれない。
まあこのホイスコーレも成人学校だから、ある程度全教科を網羅した人しかいないという現実がある。そのためにここから先は自由に選びなさい、ということなのかもしれない。デンマークの教育機関(いわゆる日本でいう義務教育とか)はどんなシステムを取っているかはわからないからどうとも言えないが、私はこのイントロダクション期間は素晴らしいと思った。

そして今、このnoteをまとめながら、デンマークの教育機関に対する疑問(デンマークのいわゆる義務教育が選択科目を持つか否か)が湧いてきたからこれは明日の朝の食事で誰かデンマーク人を捕まえて聞きたいと思う。笑

「授業の内容」は自分達が決める

さあ授業が始まった。
今日はA subjectとB subjectの授業があった。
どちらでも聞かれたことは「この授業で何をやりたいか。知りたいか。」

みんながやりたいこと・知りたいことを授業でも扱っていこう。
そこに私たちが持つ専門性の高い理論を落とし込んでいこう。
そういうスタイルだった。

元教員の私は、「かっけええええ」
そうとしか思わなかった。
私もいつかそんな先生になってやる!!!!

生徒たちは思い思いに、study tripに行きたい!ジャムを作りたい!
幼稚園に実習に行きたい!性教育のスペシャリストを呼んでほしい!
と口に出し、ホワイトボードはそれで埋め尽くされた。

そうやって、生徒と先生が相互作用で影響しあって学びを深めていく、それもまたフォルケホイスコーレなのかも知れないと思った1日で、発見だらけの毎日は飽きることがなく本当に来て良かったなと思う反面、まだまだ自分の英語力のなさに落ち込む日々である。
(まあ落ち込む資格もない。だってやってないのは私だから。だから日々英語に挑戦して頑張るだけ!)(いや落ち込むとか書いたけど、落ち込んではない。もっと流暢に話せる日をめちゃめちゃ夢見ている)

「自分達の生活」は自分達で考える

そしてデンマーク人のnomalというか日常を紹介したい。
毎日食事の後に「何か連絡事項ある人〜」という振りがある。
そこでは毎回必ずと言っていいほどデンマーク人の生徒が手を挙げ、「お互いのことをもっと知り合うために、明日の何時にカルチャーについて話すミーティングを企画したい」とか、「最近掃除当番とかだらけてきているからここでスパッとそういうのはやめにしよう。」とか、「競泳が見たい人は何時に00集合ね」とか、何かしらの提案・意見を堂々とするのだ。これが民主主義。自分達の暮らしやすさ・生活の充実感は自分達で考えることができる。

デンマークは人口の少ない国かもしれないけど、「マンパワー」は日本人の何倍にもなるんだろうか・・・そんなことを考えながら、影響を受けながら、少しずつ少しずつ消化している毎日です。

そして、フリータイムの時間の使い方は人それぞれ。
私はこの学校の生徒であるおばあちゃん2人に編み物を習った。
私が何度失敗しても夜遅くまでyou can do it!と言いながら教えてくれた。
そうやって生徒同士も年齢関係なく相互に影響し合うのが素敵だなと思った。

最後に

今の学校はたくさんのカップルが存在していて、カップル同士が同室になっていたりもする。日常生活の中でいちゃいちゃをみる場面が非常に多い。こういう文化なのか?笑

まあなんでもいいんだけど、この間取りを見てほしい。

左側の階段を登って奥が私とルームメイトの部屋になる。
そこにいくには共同トイレ・シャワー室の前を通り、コモンルームを通過し、私たちの部屋になる。
ルームメイトのケニア人のビビはこれも文化なのか毎晩毎晩どこかで飲んでいて朝帰り、ほとんど部屋にいない。今これを書いている時間は現地時間23:48だが、今もいない。だから私に共感はきっとしてくれないであろうが、、、

前置き長くなったけど、このコモンルームで常に!常に!「常に」!いちゃいちゃしているカップルがいて、私が通る度毎度毎度二人のKissを横目に通過しなくてはならないのが、もう面白いなあと一人で思っていてもあれなので、ここで共有させてください。
でもちゃんと「hej」って声をかけてくれるので、「hej」って返してます毎回。

長いね。っていつも言われているけど、また長くなっちゃった。
ここまで読んでくれた人ありがとう。
(今ラーメン屋さんのお皿の気持ち)
(最後まで汁を飲み切ったらありがとうとか書いてあるやつ)
(こういう雑談が増えちゃうから長くなるのかな。職業病かな。校長先生の長話は好かれないって知ってるはずなんだけどなあ)

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