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その時にはもう

やっと顔を上がることができた
その時にはもう
そこには誰もいなかった

人生は時に
いびつなまでの緩急を帯びる

私は今まで
何をしていたのだろう

あんなにも大切に
宝物のように守ってきたものは
強く握るほどに 滅びゆき
いつか 無くなっていた

比べ 比べられ
ずっと もがき続けるなんて
そんなの嫌だと 思っていたのに

その時にはもう
そこには私以外に
比べられるものなんて
ほんとうは 何もなかったんだ

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