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発送しまくった週末

発送ブームが到来している。
コロナ隔離中にブックオフへ送った大量の古本に続き、調子に乗ってメルカリも始めた。
手始めに古い置時計を即売し、今日は読み終わった小説も買い手がついたので速攻で発送を成し遂げた。
メルカリで本はなかなか売れないと聞いていたので大満足である。
もちろん、メッセージカードの同封も怠っていない。

今日はその他にも4箱発送した。
何って、柿、をだ。
柿を4箱も発送してやった。

先週広島の親戚から「今年は庭に植えている柿が豊作で何百個と実を付けたから送ってやる!」と電話があった。
その親戚は、私の実家へも同様に柿の贈り物をしていて、私は電話をもらった時点で既に親からおすそ分けをたっぷりもらっていたのだけど、、、
柿を梱包するのも一苦労な高齢夫婦からの申し出だ。
断る選択肢はそこにはない。

ミカン箱いっぱいに、計60個くらいの柿が堂々と送られてきた。
ここのところ色々なことに対してすこぶるやる気のない私は、2,3日その柿を台所に放置し、それらとこの先どう付き合っていくか、頭がめぐらない日々を過ごしていた。
が、昨日の朝ようやく現実と向き合おうと、60個の柿と対峙することにしたのだ。

柿のレシピは色々あるようだ。
生ハムメロンならぬ生ハム柿、柿とチーズ、ウスターソース、薄くスライスしてサラダに入れる、王道のジャム、などなど。
おそらくCookpadで検索すればもっともっとそのポテンシャルは広げられるはずだ。
とは言え結局全部味は柿なわけだから、そもそもこの量を一人の胃袋に入れること自体がナンセンスなんだ、とすぐに気づいた。

そこで友人何人かに連絡を取って事情を説明し、おすそ分けを受けてもらえるか、打診することにした。
見た目も味も売り物には劣るけど、それなりに甘くて美味しいからどうかもらってくれないか、と。
連絡をした友人たちは全員あっさり「欲しい」と言ってくれた。
「取りに行くよ」とまで言ってくれる人もいたが、先述の通り私は発送ブームの真っ只中にいるので、「むしろ送らせてほしい」と熱く断った。

ちなみに友人のうち二人は「親が喜ぶ」と言い、一人は「3歳の息子の名前宛に送ると喜ぶからそうしてくれ」とリクエストしてきた。
友人だけじゃなくて、その家族まで喜ばせられる柿たち、私に食べられるよりよっぽど幸せだな、と嬉しくなった。
(ちなみに、親世代ってなぜかやたら柿が好きだ。)

段ボールに緩衝材と一緒にせっせと柿を詰めて、宅急便で送った。
あっという間に台所から大量の柿は消え、手元に自分用に残ったのは3個のみ。Unbelievable!!
一銭も得ていない(むしろ赤字だ)けど、間違いなくブックオフよりもメルカリよりも手ごたえを感じた「発送」だった。
こんな清々しさを味合わせてくれた遠くの親戚も、もらってくれた友人も、そしてその家族にも、心から感謝している。
どうもありがとう。

人生に必要なのは、生涯を共にするパートナーでも、経済的豊かさでもなくて、ときに手元に大量に発生する柿を、快く受け取ってくれる相手なのかもしれない。

都会の一人暮らしは寂しいように見えがちだけど、実は田舎の近所づきあいよりも濃厚で密なコミュニティーが確かにそこに存在する。
もちろんそのためにはLINEだったり、梱包材をすぐに買えるコンビニだったり、ヤマト運輸のお兄さんだったり、すぐ会うことを可能にしてくれるタクシーや地下鉄だったり、そういう沢山の力が必要なんだけどね。

何か知らないけど、自分の暮らしがもっと好きになった。

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