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ぶち上がり卒業式

今日、我が子が小学校を卒業した。

6年間はありきたりだけど長いようで振り返るとあっという間。
でも写真を見るとちんちくりんだった息子は私の目線の高さまで大きくなっていてきっちり6年分成長している。

適当な朝ごはんを食べ、文句を言いながら登校し、帰る頃にはまあまあ上機嫌で、夜ご飯までゲームしたりYouTubeを見て、申し訳程度に宿題をする。寝る前にはヘッドフォンで好きな音楽を聴いて踊り、漫画のストーリーを妄想する。休みの日は母親とお気に入りのラーメン屋さんに行く。
そんな息子の6年間。

体育館に入場してきた子供達を見ながら幼稚園の卒園式を思い出した。
ばっちり着物で仕上がったママ友が私の指先を見て
「しまった、ネイル忘れてた。そこまで気が回せなかったわ〜」
と舌打ちしていた事を思い出した。
再婚したり離婚したりしたせいで彼女らと違う学校になってしまったけど、みんなも今同じように違う小学校で卒業式に参列している。
あの子もあの子も見違えるように大きくなったんだろうな。

我が能天気太郎が柄にもなくシャキシャキと卒業証書を受け取りに壇上に上がる。相変わらず細い首筋、まんまるたこ焼きフェイス。
その背中をただ見ているだけで涙が込み上げる。
悲しくもないのに。
この涙の理由はなんだろう。

出産直後、病気の疑いが見つかり大きな病院に転院して保育器に入っている我が子を見た時のあの感情と同じだ。
管に繋がれ「可哀想」と思ってもおかしくない状況だったけど全然ちがう。

「この子がここに存在して生きている」ということ自体が暴力的なほど激しい愛おしさの衝撃で涙がぶち上がってくるのだった。

何かをしたから泣けるのではない。
安心でもない、もはや喜びでもない。

無事に卒業式が終わり、家に着くなり卒業祝いにアニメのフィギュアを買えとおねだりされた。
次から次におねだりしてんじゃねーよ調子に乗りやがって

こうして存在しているだけで泣けてくる我が子との日常は続く。

マックを食べたり。新しいグミをどーのこーの言ったり。マッシュルはナルトをパクりすぎだとか。自民党はクソなの?とか。最近、鮭が好きなんだよねーって急に打ち明けられたり。

そんな感じ。

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