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ママ友ネコ

我が家には三毛猫がいる。

先代ネコが急死した後に、近所で開催されていた譲渡会で出会った保護猫。
かぶり物をつけさせられて、ニャーニャーぶつぶつずっとぼやいているのが可愛くてうちの子になった。

三年間の保護生活の中で次々と入れ替わる同居猫のお世話係をしており、ヤンチャでみんな手をつけられないような暴れん坊をしつけ直したりしていたらしい。
面倒見のいいおばちゃんなのだ。

三毛猫が来た時息子は3年生だった。
私に接する態度と違う。
明らかに子供扱いしている。
息子がいつまでも寝ないでベッドでゴロゴロしていると、猫パンチで頭を叩いたりする。
撫で方が違うと怒ったりする。

一緒に親目線でいてくれるらしい。
私が息子の寝顔を見ているとやってきて、まるで二人で
「かわいいいよねえ」
と言っているような雰囲気になる時がある。

先代猫は赤ちゃんの時から育てて愛しすぎて別れが辛かった。
大人猫なら先が短いのは承知の上だし、割り切って可愛がれると思っていた。
でもやっぱ、難しいもんだなと思う。

当たり前のことだけど、人が一人一人違うように、猫もこの子だけの魂が入っている。

あんなに警戒して自分のことなんて放っといてくださいって空気を出していた子が、常に先回りして寝たふりをして私を待っている。
そんな所で寝る訳ないよね?って所で、
「あー眠い、あら来たの?どうしたの?」
って演技をして私を待ち構えている。

お風呂から上がるとベッドに飛び乗ってとびきり甘えたポーズでこちらを見ている。新婚か?

野良で生まれ、出産し、子猫諸共保健所へ持ち込まれたらしい。
野良育ちの上母親ということもあり、とても警戒心が強く、賢い。
そんな子が持ち込まれたということは、かなり信用していた餌やりの人間に捕まったということで、なぜそんなことをするかというと出産して増えたから。
気まぐれに餌を与え、邪魔になったから捕まえて保健所へ。
譲渡会を開いていた女性に聞くとよくあるパターンだそうだ。

そして度々譲渡会に参加し、子供たちはすぐに引き取られ、自分は3年間も売れ残っていたらしい。

なんてハードな人生なんだよ。
今まで大変だったね。

傷だらけのママ友ネコ。
科目は違えど、私と同族。
今日も朝からボヤいてばっかり。


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