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Like A Virgin
ロストバージンは18歳。
大学一年の夏。その当時としてはきわめてありきたりの時期だった。
相手は付き合っていたサークルの先輩。これまたありきたりの相手だった。
その先輩とは、春のコンパで酔っぱらってうっかりキスしてしまったことから付き合いが始まった。
特に恋愛感情を持っていたわけではないが、その当時はキスしてしまったらつきあわなければいけない、となぜか思い込んでいて、そのまま交際が始まった。
Boy in the Bubble
こんなはずじゃなかったのに。おかしいなあ。
狭い布団の中に、ひとつ年下の男の子と二人で横になりながら、彼の腕の中に入りながら、首を傾げ続けていた。
彼は、知人の片思いの相手だった。
二人はほんの一時期つきあってみたことがあったけど、うまくいかなくて別れてしまった。でも知人の方は時間が経つとやっぱり彼のことが忘れられないことに気がつき、そのまま片思いしているのだと聞かされた。
その時は「ああ、
蒼夜曲(セレナーデ)
封筒の中には、2枚の切符だけが入っていた。
「年末のことだけど」
電話で勇気を振り絞って口にしたら、「ごめん」という言葉が返ってきた。
ごめん。年末はそっちに行けない。
これからも行けない。
今までのように二人で会うことはもうできない。
ごめん。
そこで電話が切れた。ツー、ツー、ツー。
遠距離で5つ年上の社会人とつきあっていた二十歳の時。
寂しいけど、何とかなると思ってた。携帯電話のない時
Confusion! (part2)
※「Confusion!(part1)」の続きです
6月の曇り空の下、体育祭当日がやってきた。
結果としては、最下位はまぬがれたけど上位入賞もできず、真ん中くらいの中途半端なものだった。それでもここ一カ月一生懸命がんばってきたことの区切りがついて、思ったほど落ち込まず、先輩たちとの打ち上げに向かった。
うちの高校は旧制中学だったせいか、当時は妙に大人びた風習が多く、そのうちのひとつに体育祭の
Confusion! (part1)
私が通っていた高校の体育祭は、毎年6月だった。
学年の同じ数字のクラスが、1年1組・2年1組・3年1組という風に縦断でまとまってひとつのチームになって、その単位で学年を越えて選手を選んで競い合う、というやり方を取っていた。
準備期間は約一カ月。その間にそれまで接することのなかった男子女子が顔を付き合わせて勝利に向かって活動する。年頃の男女が寄り集まれば、当然生まれてくるのが恋愛感情。一週間もする
胸の中にひっそりと息づいてるような、本当のような嘘のような、そんな物語を少しずつゆっくりと、書いていきたいと思います。