「外国語を活かせる仕事」の逆の発想
☆オスロの秋、今日は雨しとしと。
「外国語を使う仕事」を探している人から声をかけられることが多いのですが、
逆の発想をしてみてもいいのではないだろうか。
「まずは自分の好きな仕事を探して、そこで外国語を道具としてどう使えるか?」という考え方をしてもいいのではないだろうか。
「英語を使う仕事」
「フランス語を使う仕事」
という言い方で仕事を探す人によく出会うけれど、
自分が話せる外国語を抜きにして、
まず自分が好きな仕事を見つける。
その仕事に就いてから、「どうしたら●●語を使えるか」を考えるのもありかと。
どちらの順番で考えているかで、行動が大きく変わると思う。
「フランス語を使える仕事」という主語で考えて動いているのと、
「自分の今の仕事で、どうしたらフランス語を使えるか」という主語で考えて動くのとでは、結構大きく違うよという話。
私は「●●語が使える仕事」という考え方で、バイトや仕事を探したことがない。
アルバイトでも今の仕事でも、
外国語は関係なく、「やりたい」と思った仕事を選んで、そこに後から外国語がくっついてくる・くっつける感じ。
日本で大学生の時にアルバイトをしている時も、「あなたは英語やフランス語が話せるんだね」ということで、周囲が後からその言葉をつかえる課題を持ってきた。
今の仕事も写真撮影やジャーナリストをしていると、道具・スキルとして外国語があったほうが便利で、後からおまけでついてきている感じ。
英語・フランス語が使いたいからリサーチや通訳とかの仕事を探したのではなく、その逆の流れ。
コーディネートとかの仕事をしていると、話せる外国語が多ければ多いほど、勝手に可能性が広がって、仕事が増えていた。
英語とかが話したくて、コーディネートとかをし始めたわけではない。
取材やリサーチとかをしているうちに、英語、フランス語、ノルウェー語、スウェーデン語、デンマーク語ができるということがおまけになって、勝手に仕事の幅が広くなっていった。
さすがにドイツ語やスペイン語とかの資料まで来たときはびっくりしたけど。それは断った。
ノルウェー語が話したくて、ジャーナリストをしているわけでもないし、
フランス語が使いたくて、雑誌に寄稿をしているわけでもないし。
英語が使いたくて、いろいろなバイトとかをしたわけでもないし、
スウェーデン語やデンマーク語が話したくて、選挙を取材しに行ったわけでもない。
全部、流れとしては逆。
フィンランド語も、現地で選挙取材をしたいから、自分でニュースをどんどん取り込んで取材したいから、他の人の力に頼らずに自分で情報収集したいから。
「自分がしたい仕事」がまず先にあって、外国語が後からくっついてくる。それを見ている周りが、「●●語もできるんだね」って、どんどん仕事をもってくる。
「自分のやりたい仕事」に→「外国語が道具としてあったら、もっと便利だから」なのか?
「自分の今している仕事」に→「●●語が使えるような企画や提案を練りこむ・●●語が使える方向性にもっていく」なのか?
それとも、
「●●語が話したいから」→「なんらかの仕事を探している」のか?
「外国語」→「仕事」
なのか
「仕事」→「外国語」
なのか?
外国語が先にあるか後にあるかで、大学生で職探しをしている時からの行動も大きく変わると思う。
ノルウェー語、フィンランド語、スウェーデン語、デンマーク語はマイナーなので、これらの言語を使えるような仕事に就きたいという人にはまず出会わないけれど、
「英語かフランス語のどちらかを使う仕事をしたい」という人には私はたまに出会います。
発想を変えてみて、まずは外国語を抜きにして、自分の好きな仕事、自分がやりがいやワクワクを感じる仕事はなにかを考えて職探しする。
それでその仕事が始まってから、
「●●語をどこかで使えないかな?」と考えて行動するのもありかと思います。
「●●語が活かせる仕事」ではなく、「仕事に●●語を活かすにはどうするか」。
どちらの発想かで、どういう職種に就きたいのか、どういう企業に入りたいかが、変わるんじゃないかなぁ。
「自分がわくわくする仕事に、学んだ外国語がくっついてくる」流れのほうが、
「学んだ外国語は使えるけれど、仕事にやりがいをあまり感じない」よりは楽しいよ。
私の場合、今まで学んだ外国語は、使いたければいくらでも仕事には応用できます。
フランス語を今あまり使ってないのはわざとで、使おうと思えば使える。
「外国語で情報収集できる・コミュニケーションできる」っていうのは強いので、それを周りにちゃんとアピール・証明しておけば、意外な方向に物事は進んでいきます。
学んだ外国語をその後生かすのも枯らすのも、自分次第。
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