サバンナワールド【ショートショート コメディ?】
「大変だー!ライオンが歩いてる!」
「そんなバカな、この大都会に!?」
ある日突然、岐阜駅にライオンが4頭現れた。オス一頭、メス二頭、子ライオン一頭だ。
人々は逃げ惑い、ひとまず、なぜか市役所の野犬狩りのメンバーが駆り出された。
当然、市役所の人ではなんともならず、スワットを要請、ライオンは隣の市の苧ヶ瀬池に追い詰められた。
「よし!ここまで追い詰めたら、作戦M実行開始だ!」
苧ヶ瀬池の前の道が、ドスンドスンという音とともに揺れ始めた。
その直後そこには、茶色いキジトラ猫が立っていた。しかしただの猫ではない。体長30メートル。重さにして3トン。
「みみ、到着しました!」
「よし、作戦決行だ!」
スワットはみみを呼び寄せ、ライオンは池の淵まで追い詰める。みみを呼び寄せるのには、2メートルほどの猫じゃらしのおもちゃを使う。かわいいピンク色だ。
みみが走ってきて地面が揺れるのに耐えながら、スワットはライオンのそばまで呼び寄せる。
するとみみはライオンに気付きじゃれ始める。オスライオンから池へドボン、次にメスライオン、子ライオン。みみがじゃれて軽く出した猫パンチでドボンドボン。
池に落ちたライオンは、泳いで岸へ戻ってくるが、またみみにじゃれられドボン。
その繰り返しに戦意喪失した彼らは、とぼとぼと名古屋港まで歩いていき、海へ飛び込んだ。彼らは諦めてアフリカまで泳いで帰るようだ。
その後はみみを返さなくてはならない。スワットは車に乗り、後ろの荷台から猫じゃらしを振りながら、みみの家まで誘導していった。
強いぞ、みみ。ありがとう、みみ。君が岐阜を救ってくれた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
うちの猫がどんどん大きくなるので心配していたら、こんな設定になりました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?