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甘え【ショートショート】

あの日僕は過ちを犯した。

あの頃僕は、日常に閉塞感を持っていた。
家族は優しく明るい。職場にも恵まれている。
それなのに僕は、代わり映えしない人生を心から楽しめなくなっていた。
正直に言うと、僕は何かのきっかけを探していたんだと思う。
自分が変わらないと何も変わらない。分かっているのに、とても浅はかなことをした。
誰かが僕の人生を変えてくれると思ったのだ。

僕は何年かぶりにあるSNSを開いた。
すると「お知り合いではないですか」という欄が出来ていた。前に開いた時にはなかった機能だ。僕は何気なくその欄を眺めていた。すると彼女がいたのだ。
彼女の名は絵理子。初恋の人だった。
昔感じたときめきを思い出し、高揚した気持ちで、僕は彼女のページを覗いてみた。
そこには彼女の闘病記が綴られていた。彼女は不治の病に罹っており、もう余命宣告も受けていた。
ショックを受けた僕は、SNS経由で絵理子に連絡を取った。
思いのほか元気な返事が返ってきた。「久しぶり!元気にしてる?って入院してる私が言うことじゃないか(笑)」。
それから僕達はメールし合うようになった。絵理子は「今日の雲きれい」とか「雨の日も意外にいいね」とか言って、写真と一緒に送ってきたりした。だから僕も病気のことには触れず、会社でこんなことがあって、とか、子供の発表会を見てきたとか、日々の出来事を書いて返した。
そんな日々が半年ほど続いただろうか。
明るかった絵理子が突然弱音を吐いた。「体中が痛いの。私はもう死ぬの。分かってる。死んだら痛みがなくなって楽になるの。でも死にたくない」。
僕はいても立ってもいられなくなり、彼女の入院する病院へと向かった。
昨日まで元気なメールを送ってきた彼女と同一人物とは思えない、衰弱しきった弱々しい絵理子がそこにはいた。
絵理子は声にならない声を振り絞って言った。「そばにきて」。
僕は絵理子の手を握った。あっと声を上げそうなほど冷たかった。死とはこういうものなのだと、生まれて初めて感じたのかもしれない。
彼女は弱々しく言った。微笑みが痛々しかった。とても悲しい告白だった。「僕もだよ」。
僕は彼女にキスをした。

それから1週間後、同級生づてに、絵理子が亡くなったことを聞いた。
なんとなくわかっていた。彼女からメールの返事が来なくなっていたからだった。
僕はどうしても仕事の都合がつかないから、後日お参りに行くと伝え、通夜も葬儀にも行かなかった。亡くなった彼女を見て、僕自身が、いや、平和だった日常が壊れてしまうことを恐れたのだ。

それから半年ほど経って、僕は絵理子の実家へお参りに行った。妻と娘を連れて。
帰り道、妻が言った。「彼女、あなたの初恋の人なんでしょ」。
僕は静かに笑って言った。「違うよ」。
「嘘つかなくてもいいのよ」妻も悲しそうに笑って言った。
僕は泣いた。道端で大声を上げて。妻と娘は優しく見守ってくれた。


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書いて数時間たって思い返すと、何か書きたかったんだろう??って記事ですね^^; 困惑させるような小説読ませてゴメンナサイ(T_T)


どうしても許せなかったこと‥‥。頂いたお題を元に、人生をめっちゃ掘り返してました^^;

けど、あの時は怒ったしショックだったけど、今は大丈夫っていうのばかりで、未だにっていうことが思いつきません(T_T)

過去の許せなかったこと、になるか、黒歴史めぐりの記事になるかのどっちかになりそうです😱 ←誰得?(笑)

1度、どっちかの方向性で、ざっくり文章に起こしてみますね! ←実はいつもざっくりした原稿を読んでます


こないだ、ぶくおさんにリクエスト頂いた、ジーンズの全貌です♫これを10cmくらいロールアップして履いてます✨ わかりにくいですが、片膝が破けたので、元々のとは違う布を裏から貼り直してます。

後ろに母の手製のバッグが映ってます☺ バッグの飾りは私と母の手製です。

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穴が空いたので、アップリケを作って貼ってます。アップリケはレース糸のドイリーです☺


ああ〜、洋服作りたいなあ!!!

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