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基礎(黄金律)の数値化【エッセイ】

基礎は基礎であり奥義である。そんな話を幾度となく師匠から聞いてきていた。

そこでふと思ったのが基礎の数値化である。

空手の話ではない。

私が本職としてやってきた分野にデザインがある。

その中で二十年前に驚いたことがある。

私は叩き上げのデザイナーである。

元友人Nが、私にホームページ作るよう依頼してきた。報酬はなかったが、私はウェブデザインが趣味だったため、快く引き受けた。

それでできたサイトを見て、学卒の子が「すごい!習った数値と同じだ」というのである。


見る能力が必要となるが、黄金律が見えるものが作ると、ある程度数値的には同じものができるはずである。

つまり、最終的には見える者が作ると、美しいものというのは、ほぼ同じものが出来上がってくるということである。

それはつまらないといえばつまらないかもしれない。

だが、ものには黄金律があって、そこに近づけようとすればするほど似てくるはずなのである。


ただ、それを見ることができない人もいる。肌で黄金率を感じられない人である。

そういう人のことを、私は昨日、師匠と話すまで思い至らなかった。
それを話したことで、20年前のことを思い出したのである。

つまり、感じるより数値で覚えるということである。数値を覚えて、その感覚を身に着けてから作れば、美しいものがそういった方でも作れるのではないかと思うのである。

もちろん肌で感じられるにこしたことはない。デザインとは、感覚が肝要だからである。感覚が磨かれてくると、出来上がり図が先に頭にできてくるから、その設計図に合わせてパーツを載せていくだけの作業となる。

ただ、そういった感覚が苦手な方でも、繰り返しやることで黄金律を見る能力に長けて来ることもあると思う。

私はそういったことを、人に伝えたり教えたりすることを思い至らなかった。しかし、ひとつそれを実践すべきときに来ているのではないかと思う。

しかしながら、自分の組んだものを分析して、平均的に数値化していくのは骨の折れる作業だな、とふと思った(笑)

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