漂う幻影 (1/11)

 既に十数話上げていたこの小説ですが、最後に上げてからだいぶ時間が経っているのでもう一度、最初からまとめて上げ直します。そのため過去に上げたものは消しましたのでご了承ください。紙の本ではなく厚さが分からないと思うので最初に記しておきますがこの小説は10万文字超の長さとなっておりますので長編小説の部類に入ります。単純計算一つの記事あたり1万文字となっております。それを頭に入れた上で読み進めてくださいますようお願いします。


 とある駅の東口前にある広場で抱き合う二人。時に見る者をイラっとさせる、人目を憚らずイチャイチャするカップルかと思いきやその様子はそれとは異なっていた。包み込んでいるのは女性、男性の方は母親に縋る子供のようにしがみ付いていた。男のくせに情けない、そんな不満はないようだ。その女性は女神のような表情でそれを受け入れた。


「……あっ、ごめん」

 我に返ったように素早く言葉を発して、ようやく離した磯村恭一郎《いそむら きょういちろう》は俯くが二人の距離はそれでもまだ互いの前髪が触れそうなくらい近い。自分がしてしまった行為を自覚して、徐々に恥ずかしさ、いや、それよりも罪悪感のようなものが込み上げてくる。それを伊藤碧《いとうあおい》は一瞬の戸惑いはあったかもしれないが直ぐにそれが当たり前のように受け止めてくれた。これが意味する事は。頭がクラクラする磯村は一旦、落ち着きたかった。彼女を目の前にしているとそれはできない。伊藤に背を向けて無言で立ち去ろうとした、悪いとは思いつつ何も言う気にはなれなかった……。

「あのっ。私は大丈夫ですよ。勘違いしないでください、急な出来事で頭が真っ白になったからとかそんなんじゃありません」
 そう呼び止められて振り向く、伊藤は何を言っているのか。いや、磯村はなんとなく頭はこんな状態でも察しはついている。彼女の方が勘違いしているのだが無理もなかった。これで「いや、今のは……」と言う勇気はない。
「えっ、いいんだ?」
 小刻みに2、3回、伊藤は頷く。まるで夢が叶うような期待に満ちた顔をしている。その心臓の鼓動の速さは計り知れない。その表情を見て磯村はなぜだか言わなければらならいという衝動に駆られた、もうその言葉を止める事はできない。
「伊藤さんの事は初めて見た時から綺麗だなとは思ってた。まぁ、でもきっと手の届かない存在なんだろうな〜と思ってたんだけど」
「そんなっ。私こそまさか磯村さんのような素敵な人がバイト先に居て、あぁ、こんな人と付き合いたいなと思っていました」
 こう言われてもまだ信じられなかった。今まで磯村の方から好いた女性と付き合う事ができた例はない。いつも叶わない、時にはこの想いさえ告げるチャンスもなく、あっけなく散っていく。思わずふふっと笑ってしまう。
「(やっぱり俺の恋って上手くいかないな〜)」
 再び伊藤に近づく磯村。真っ直ぐに誰かを好きになる様は外見にも表れている。きっと自分の軸というものを高校生にして既に持っているのだろう。彼女はきっと何か大きな夢を持ってそれに向かって駆け出していくはずだ。
 まだ彼女には触れずじっと見つめてるとニヤニヤしながら、恥ずかしさそうにやや目線を下ろす伊藤。その目線を上げようと顎を親指と人差し指でつまむように持ち動かした。伊藤の視線をこちらに固定した。その眼は畏敬とも取れた。大丈夫だと判断した。ゆっくりと近づき、頬? いや、なぜそこで遠慮する。唇と唇を、伊藤に口づけをしたのであった。


「(さよなら……)」

 鮮やかな転身だった。自分に救いの手を差し伸べてくれたというには些か恐怖を抱く。誰かがこの展開にもっていくように監視しているのではないかと疑いが持たれるほど仕組まれたようなタイミングと言って良かった。ここまでくるとあれは夢だったのかさえ思う。あの日々は幻だったのだと。この目の前の現実にそう言いくるめられているようだ。が、ここまでしてくれたら踏ん切りもつくというもの。これが偶発で、自然発生的であったとしても、それすなわち離れゆく運命《さだめ》だったのだ。もう後ろには振り返れない。ある日、突然、背中を叩いて追って来ない事を祈った。全て塗り替えられたように磯村は新しい人生を歩む事になる。

 唇を離すと伊藤は飛び跳ねながら、はしゃぐように抱きしめてきた。
「これ、夢じゃないですよね?」
 こちらもまだ夢ごごちのような気がしていた。まだ地に足が付いていない状態ながらもこの感覚は夢ではない。
「うん、違うと思うよ」
「やったー」
 細かく足踏みしながら歓喜の声を上げる。この喜びようはまさか伊藤の胸の中に幾度もこの瞬間が来ないものかと以前から描き望んでいたと思わせる。その答え合わせは直ぐにしてくれた。
「私も磯村さんの事、初めて見た時から何かビビっとくるものがあって、ずっと見ていました。何度も考えて、あぁこれがきっと好きってことなんだろうなと分かってからは、どうしようか迷っていて、まさか磯村さんの方から……」
 伊藤は涙の粒をいつの間にか流していた。私も、という言葉に胸がチクっと痛くなる。
「そんな泣かなくても。伊藤さんだったら今まで何人も男が寄ってきて、慣れているかと思ってたよ」
「そんな事ないです。私、話かけづらいのかここまで男の人から話しかけられた事もあまりなくて」
「へぇ〜。伊藤さん、高校生のわりに大人っぽいから仲良くなるのが難易度高いと思われているのかな」
「磯村さんが初めてかもしれません」
「えっ、何が?」
「なんというか自然体で、身構えずに話しかけてくれたの」
「そりゃあ、学校と違って働く場所だし。一緒に働く以上はある程度、話しかけやすい関係の方が良いと思ったからだよ」
 それもあるし、伊藤が言うようにできたのは恋愛対象として見てなかった、見る事が出来なかったというのもあるかもしれない。だがそんな事は言えるはずはない。
 伊藤は少し望んでいないような答えが返ってきて爆発させた喜びに早くも陰りが出始めた。
「……どうして、いつから、私と付き合いたいって思うようになったのですか?」
 持ち直すように別の質問をぶつけた。そう。ならいつ、どのような理由で一緒にバイト先で働いている子から、別の眼で見るようになったのか、知りたくもなる。
「う〜ん、そもそも人を好きになるのに具体的な理由なんてないんじゃないかな? 伊藤さんがさっき言ったように、俺も初めて見た時からその、胸にくるものはあったよ」
「そうなんですね」
 ここから磯村はもっとらしい言葉を羅列した、どちらかと言えば心の底からは思っていない言葉だ。
「でも、伊藤さんすごい綺麗だし、こんな綺麗な人だったらもう彼氏がいてもおかしくないなとか、ちょっと俺には釣り合わないとか思っていたんだけど、今日、今さっき、あんなに近くに寄られてきたら理性よりも本能が勝っちゃって……まさか拒否されなかった事には驚いたかもしれない」
 それを聞いて伊藤は笑い声を上げる。
「そんな、あまり自分の事を下に見ないでください。磯村さんだったら大抵の女の子は惚れちゃいますよ」
「それで、調子に乗ったらろくな目に合わなさそうだから、謙虚な気持ちは忘れないようにするよ」
「それもそうですね」
 駅前の広場から離れる事にした。付き合っている証、手を繋いで歩く二人。伊藤は学校帰りで制服姿だ。私服の磯村はこの並びに違和感を感じた。歳は3つしか離れていないので変な目で見られる事はないだろうが、まさか現役高校生とまた付き合える日が来るとは思ってもみなかった。
「あっ、そうだ。敬語とかさん付けは止めにしない? 付き合うんだし、いつまでもそれは変でしょう?」
「あっ、そうですね。となるとやっぱり下の名前がいいんでしょうか?」
「だから敬語は」
「あっ」
 ごく自然に笑い合った。このような瞬間をこれから幾つも積み重ねていくのだろう、それが付き合うという事だ。そんな予感をこの時、確かめ合った。
「これからは、あおいって呼んでね」
「うん。俺は、きょういちって呼んでくれたら。みんな面倒臭がって略すんだよね」
「きょうちゃんは?」
 またいつもの発作、いや、これから薄れゆくとしても一生付き合っていかなければいけない症状が初めて出た。心臓に衝撃が走る。
「それは、恥ずかしいから駄目かな」
「えぇ〜なんで? かわいいじゃん」
「かわいいとかそういい問題じゃない。あまり彼氏が嫌がる事はしない方がいいぞ」
 警戒が解かれたようにおどけた態度を見せた伊藤はたまらなく可愛かった。これは上手くやれそうな気がした。今までの敬うような態度からの差に最初は戸惑うかもしれないがじきに慣れるだろう。
「あっ、でもバイト中は今まで通りの方がいいかもな」
「わざわざ言う事でもないけど、隠す必要もある?」
「流石に仕事中にそれ出すと周りから嫌われるだろう」
「それもそうか。ねっ、私の家に寄ってく?」
 伊藤の自宅は駅から歩いて10分ほどと聞いていた。それは容易な事だった。
「えっ、家に誰もいないの?」
「うん、今だったら。いつもお母さんとお父さんが帰ってくるの早くても夜8時過ぎだし」
 付き合い始めたばかりの男女が家の中で二人っきりになったらやる事はそんな多くない。まさか付き合って初日でもう手を出してしまうのか。健全な男子であれば沸騰するように湧き上がるものがあって然るべきだが。
「今日はいいかな。確かこれから雨降るって言うし。俺、傘持ってないから」
「傘なんて貸してあげるよ」
「いや傘って返すタイミングが難しいからいいよ。また今度。これからいつでもそんな機会はあるだろうし」
「うん、わかった」

 これから、そうこれから私達は楽しい思い出をたくさん作って、笑い合ったり、励まし合ったり、時に喧嘩もするかもしれない。間違いなく体も重ね合う、そうじゃないと嫌だ。そんな日々が待ち受けている、それに想いを馳せても今この瞬間、あっさり断られた事にはどうも釈然としなかった。「私の事、嫌いなの?」ここまでのやり取りの手前、そんな訳あるはずはなかった。それでも不安になってしまうのはなぜなのか。誰かと付き合うという事はそんな不安との闘いでもある。伊藤は今日、二つの事を学んだ。

 磯村の言っていた通り家に着いて間もなく雨が降り始めた。どちらかと言えばしとしと、という雨は久しぶりかもしれない。先月まで台風で、局地的豪雨で傘も役に立たないような雨の記憶が新しいと尚更。
 自室の窓からこの雨を見てあの最初に見かけた磯村の姿を重ねてしまった。彼はベンチに座って身を屈め両手で顔を覆っていた。
「もしかして泣いていたのかな……?」
 磯村は暑さで少し休んでいたと言っていたかもしれない。その後に何が起きたかを考えればそんなちょっと前の記憶さえ曖昧になっていると分かった。今一度、こうして振り返った時、そしてこの雨の音を聞いて何を思い浮かべたか。伊藤は居ても立ってもいられなくなる。電話してみる事にした。
 30秒ほど呼出音が鳴るが『ただいま電話に出る事ができません……』という機械音声が流れた。切ボタンを押して携帯画面を不安そうに見つめた。

「あっ、待って!」
「うん、なに?」
「そういえば連絡先、まだ知らないでしょう? 交換しよう」
「あぁ、そうか」
「LINEはしている?」
「あぁ、あれか。いやしてない」
「そうなんだ。これからはLINEの時代だよ」
「そうなの? まぁ、とりあえず番号とアドレスを教えておくよ」
「直ぐに登録してね。LINEの方が絶対に楽だから」

 あれはただのうっかりのはず。付き合う事になったのに連絡先も交換しないまま別れるなんて事はあるのだろうか。伊藤は何かの拍子で連絡先を交換する事になったとならないものかずっと思っていた。磯村もきっと同じ気持ちであったと信じたかった。
 たまらず伊藤からそれを告げる。本当だったら真っ先にそうなってもいいはずなのにその流れにはならなかった事には焦ってしまった。
 あの時、磯村は普通の状態ではなかった。それはなんであったのか、それさえ分かればきっとやもを得ない事情があったのだと理解できる気がした。
 しかしそれはあまり気軽には聞けない事ではないのか、そんな壁が立ちはだかったがそれを今後、取り払い共有していく関係になっていくのが私達だと信じて疑わなかった。
 伊藤は真剣だった。せっかく僅かしかない高校生活、恋をしたいという軽い気持ちで付き合ったのではない。既に将来、末長く共にする契りを交わす相手だと認識していた。この気持ちは途切れる事はない、そう固く結んだ。

 電話をしてから2時間後、磯村の方から折り返し電話がかかってきた。お風呂に入る前に話しておきたいと思っていた伊藤はちょうど良いタイミングだと思う。
「あっ、もしもし」
「うん、なに? さっきはまだバスの中だったから出られなかったよ、ごめん」
「ううん、こちらこそごめん。そういえば駅から走るバスに乗って帰ること忘れてた。

「さっきは私のこと送ってくれたんだよね。ありがとう」
「実はあの後、最近運動してないから歩いて帰るかって思って歩く事にしたんだけど、家に着く前に雨が降ってきたから急いで駅まで戻ったんだ」
「えっ、そうなの?」
「うん。おかげでけっこう濡れたよ」
「風邪ひかないようにね」
「多分、大丈夫だと思う。それで何か用あって電話したんだよね?」
「うん、大した事じゃないかもしれないんだけど、その、あの時、なんかすごい恭一が悲しそうにしながらベンチに座っていたのが気になっちゃって。何かあったのかなって思って」
 この質問は答えには困るものだった。やはり言葉にしなくても伝わっていた。
「いつも通りに声をかけたけど内心、大丈夫かなって心配してたんだよ」
 正直に言う事はできない。確かあの時は暑さに参って休んでいたと答えたはずだったが伊藤は納得していなかったのだろうと察した。それもそのはずだ。あの時の心情はとてもそんな体調不良なんかという言葉では到底、片付けられない。何か上手い返事はないかと早急に思案してこれしかないと思った。まさかこの事実をこんなにも早く伊藤に話す時が来るとは思ってもみなかった。いや、そもそも今後どれだけ仲を深めようとも話す時は来るのだろうかと首を傾げもする。あるとすれば……が、もうこれしかない。それよりも隠しておきたい事がある以上は仕方がない。
「……実は、すごい重い話になっちゃうけどいい?」
 やはり何かあるのだ、それを聞く覚悟はあるかと磯村が問うている。一瞬の間はあっても伊藤は頷き、「うん、聞かせて」

 磯村には姉がいた。そう、『いた』のだ。
 その姉、磯村あゆみが先月、亡くなったと聞かされた。それも原因は自殺だった。電車のホームから飛び降りての自殺。
「元々、高校時代に部活内でいじめられたのをきっかけに学校を退学してたんだよね。それが引き金で精神病になって、あっ、正確には統合失調症って言うんだけど。それで、それ以降はほとんど家の中で、薬を飲みながら生活してたんだ。その通院の帰りになぜか飛び降りた。ほんと何が原因かは分からない、今までは普通に通っていたのに」
 あの漂うオーラは只事ではない、その予感は当たっていた。伊藤はまだなんと言葉をかけていいのか分からなかった。
「もう直ぐ亡くなって一ヶ月が経つんだけど、落ち着いたかなと思ったら急にがくっときて。それであそこで休んでいたんだ」
「私も……」
「えっ、なに?」
「私も、実はあの時、嘘を言っていたの。お父さんとお母さんはまだ家に居ないって言ったけど、本当は私のお父さんもういないんだ。中学2年の時、交通事故で亡くなったの」
「そうなの!?」
 伊藤は話す決心をした。咄嗟についた嘘をこんなにも早く訂正するとは思ってもみなかったが話すなら今だと思った。
「うん。さすがに私もこんな事をいきなり言うのは重すぎるって思って控えていたんだけど恭一が、お姉さんが亡くなったっていう辛い事を打ち明けてくれたんだし、私も言わなきゃと思った」
「そうか。お互い辛いんだな。そっちは父親だからもっと大変だろう」
「でも、恭一と巡り会えたからこれからやっていけると思う」
「そんな大袈裟な」
「ううん。私のお父さんね、自分で言うのもあれだけど凄い良いお父さんだったの。一貫した曲げない信念を持っていて、バイクに乗るのが趣味だったんだけど、たまに乗せてもらった時の背中はカッコイイって思ってた」
「なんかそれを聞くだけでも、本当に格好良かったんだろうなって伝わってくるよ」
「そんな男性が目の前にいると、私がもしも付き合うならお父さんと同じくらい魅力的な人じゃないと嫌だって思っていてそんな人、見つかるかなって思ってたんだけど案外、早く見つかったなって思っている」
 伊藤には理想とする男性像があった。それに選ばれたと言われた。磯村はとんでもない重荷を背負ってしまったとこの時は思ってしまう。嬉しいという感情は残念ながらなかった。そんな強度のある、純粋な想いに応えられるのか、今の自分に自信などない。
「俺にそんな魅力あるかな」
 戸惑いから出た笑いを含めこう漏らす。
「だからもっと自信持って。恭一にもあるでしょう。自分はこう生きていくんだっていうような信念が。それがある人って大人でもそういないから、それがあるだけでこの人は違うなって気づくもんなんだよ」
 あるようなないような、ただまだ具体的にこうだと言えるものはない。やはり過大に評価しすぎだと念を押したくなる。
「恭一って高校時代、絶対にモテたでしょう? 付き合っている人はいなかったの?」
 また痛い所を突いてきた。だがこれに関しては正直に答えて良い気がした。嘘を言う必要はないが、ただ別れた理由は脚色した。
「いたけど別れた。ほら、俺って高校卒業しても進学しなくて今、フリーターじゃん。それで幻滅したんだよ。やっぱりそう思うのが普通だよね。碧も今はいいけど、いずれはこんな将来不安な男と付き合うのはやめろよ」
「なに、それ。それって私達いつか別れるって意味?」
 明らかに声が不機嫌になった。慌てて首を横に振りながら否定する磯村。嫌でたまらない記憶が蘇ってきてしまう。
「そんな私、学歴とかどんな職に就いているとか、上っ面が良いだけで付き合おうと思わないから。私から言わせてもらえればその人こそ見る目なかったねって言ってあげたい気分。恭一にはそんなものでは推し量れない魅了が絶対にあるから。でもおかげで私が恭一と付き合う事ができて感謝しているけどね」
 磯村にはまだ理解できなかったが伊藤にはその自分さえ気づいていない光るものが見えているらしい。それは何なのか、その期待にそえられるのかやはり自信はない。それよりも、自らついた嘘とはいえ彼女が悪く言われている事には心中、穏やかではいられなかった。それは間違っていると訂正できないから余計に。
「大丈夫。恭一は自分の進むべき道に突き進んで行けばその内、未来は明るくなるよ。私が保証する」
 今はこの言葉に懐疑的にならざるを得ないが良い人と付き合う事ができた、それには感謝した。これで少しずつでも前を向いて生きていけそうだ。この天の配剤を思うと世の中というのは必要な時に助けが差し伸べられると実感する。今は伊藤こそ癒しの女神だった。

つづき


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