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仏教とドラえもん教の国、タイ
東南アジアツーリズムの代表とも言えるタイだが、田舎の方は旅行者もおらず、静かなもの。
東南アジアで唯一植民支配を免れて独立を保った国。
イギリス領とフランス領の衝突を避ける緩衝地帯となり、狡猾な外交戦略もあって、第二次大戦中は日本の侵略も受けず同盟を結んだ。
戦争の憂き目にあうことなく切り抜けてきたタイだが、国内の政情は安定しない。
反政府デモと、幾度となく繰り返されるクーデター。
2014年からは軍事独裁政権となった。
2019年に民政が復活したが、それまで軍のトップであった人が首相になっただけなので、表向きは民主主義だが実質的には現在も軍事政権が続いている。
タイ国民にとって心の支えとなってきたのは国王。
しかし人望が厚かった先代のプミポン国王とは違い、現在のワチラーロンコーン国王はスキャンダルが多く、国民は不信感を募らせている。
ここ最近タイで起きているデモは、政権批判に加えて、本来タブーである王室批判までもエスカレートしてきている。
左側通行。
道は広々とした路肩があって走りやすい。
これならバイクが逆走してきても脅威ではない。
いやむしろバイクが逆走してもいいように広い路肩をつくったのか。
国民の95%が仏教徒。
ぐえぇ、、、
涅槃。
隣接するミャンマーとは格が違う経済基盤。
ATMでいつでも現金を引き出せる安心感。
街には必ずと言っていいほどセブンイレブンがあり、猛烈な暑さからエアコンの効いた店内に逃げ込む。
商品のラインナップも日本に近く、あんパンやクリームパンや肉まんなんかもある。
セルフサービスのドリンクコーナーは、日本よりはむしろアメリカンスタイル。
僕はいつも、コーラ味のスムージー(ビッグサイズカップ)にコーラを注ぎ込んでミックスして飲み干す。
心臓が痛くなるほどのキンキンな冷たさ、快感すぎる。
路上の果物売り。
その場でスイカをカットして差し出してくれた。
お金を払おうとしたら、笑顔で「ノーマニー」と。
バナナもどっさり、「持って行きなさい」と。
パイナップルって、こんなエキセントリックに実が成るの、知ってました?
これだけ大きな個体の植物にたった一つの果実。
でも熱帯地方ではパイナップルはとても安い。
路上のパイナップル売りの人から、パイナップルまるまる1個いただいてしまった。
袋に包まれた粉末は何だろう?
果物に砂糖をまぶすことはあるが、よく見るとこれ、赤い物質が混じっている。
まさかとは思うが、まさかな。
ちょっとなめてみたら・・・
はい、唐辛子でした。
クレイジー。
唐辛子文化圏、アジア。
辛いものが一切ダメな僕としては、アジアでは悪戦苦闘を強いられる。
中でもタイは激辛だと聞く。
恐怖でしかない。
それでも、未知の国では何事もチャレンジしてみなければならない。
意を決して食べてみる・・・
クッッッッッッッソ辛い!!!
死ぬっつーの!!!
完全に致死量を超えている!!!
汗を滝のように流してベソをかきながら瀕死状態になっている僕を、屋台のおばちゃんは不思議そうな目で見ていた。
もうダメだ、唐辛子に殺される。
唐辛死・・・
しかしタイ料理は、激辛なものとまったく辛くないものとにはっきり分かれている。
慎重に辛くないものだけを選べば、唐辛死を避けて通ることもできる。
辛くないタイ料理は、とてもおいしい。
チャーハンとかラーメンとかスープとか、肉も魚も、何を注文しても味付けがしっかりしてるし、あと僕はパクチーも大好きだ。
中でもお気に入り、バミーと呼ばれるラーメン。
タイ料理で僕のイチオシは、意外にも焼肉食べ放題。
都市部や観光地でこういう店を見た記憶はなく、何でもない街に不意に現れる。
炭火が用意されており、自分で焼く。
コーラも、最初から1Lの瓶がスタンバイされている。
日本の焼肉とは違う味だが、柔らかくてすごくおいしい。
日本と同様、単独客はめずらしいようで、しかも外国人なのでかなり視線を感じる。
周囲の人が、置いてあるタレを指さして、「これをつけて食べるんだ」と親切心で教えてくれるのだが、そのタレが激辛なのは目に見えてるのでやめておく。
そしてタイといえば、こういうやつ。
まずは幼虫から。
噛んだ瞬間、口の中で液体がスプラッシュした。
この液体の味は、何かに似ている。
・・・ウニだ。
以前読んだサバイバル本には、「幼虫はエビに似ている」と書かれていたが、少なくともこの幼虫はエビとはかけ離れていて、中身は液体。
言ってみれば、ウニジュース。
バッタは、足のトゲトゲが口の中に刺さって痛かった。
ドラえもんの国からやってきた者だが、ドラえもん寿司なんて初めてお目にかかる。
ドラえもん教の国、タイ。
どんだけドラえもん好きなんだ。
Doraemonism。
タイ語。
世界の大半の国では、ホテルの看板は英語で「HOTEL」と書かれているものだが、中国、ベトナム、タイなどは例外。
あ、日本もそうか。
これがホテルの看板っぽい。
観光大国タイだが、田舎の方では英語はまったく通じない。
僕がタイ語わかりませんという意思表示をしても、かれらは一片の疑念も抱かずタイ語でしゃべり続ける。
宿のチェックインや食事の注文の際もコミュニケーションがうまくとれず、難儀する。
定住農村社会特有の閉鎖性、だいぶ薄まってはきたものの、異邦人との接触は慣れていないようだ。
とはいえ、親日国タイ。
時々日本語で「アリガトウ」とか「オイシイ」とか言われることもある。
ミズオオトカゲをよく見る。
大きいものでゆうに2m以上、かなりの迫力。
でも猛スピードで逃げてしまうので、なかなか写真に撮れない。
これは小さい方。
これも小さい。
食べてみたかったけど、この人に先に拾われてしまった。
笑ってる。
笑ってるよね?
マレーシアに近い南部はイスラムが色濃く、タイのイメージとは異なる。
子供たちは僕を警戒せずに寄ってくる。
いい瞳してるな。
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