日記124 語らせろ!

 批判されたら「表現の自由の侵害だ」「発言するなってことですか!?」、誰かの発言や企画を批判したら「部外者がつべこべ言うな」「消費者/視聴者はそんなことに口を出すべきでない」「じゃあお前がやれ」とか言いだす御仁がけっこうあらせられるが、僕はそれはおかしいと思う。誰かが何かを発言したり表現したならば、それは当然論評の対象になるわけだし、そしてそれに対して何らかの意見を表明する権利は表現の自由として保障されているはずだ(もちろんそれに対する批判にも、表現の自由は適用されるだろうが)。そもそも発表者自身が、自らの意見や制作物を好評する時点ですでに表現の自由に則っているから、それをより強固に補強するためにも、他人の意見や批判は許しておくべきではないか。
 ただしその反応は、批判される者の表現したものに向けられるべきで、表現内容とは無関係なことに飛び火しては無意味だし、それをすることで無限責任を負わされかねず表現者の無用な萎縮を招くため許容しがたい。また、表現者による発表を妨げたり、封殺しようとしたりするような反応は非難されなければならないだろう。表現(発言)すること自体は自由だが、これを保障し続けるためにも、それを堂々と侵害し奪おうとする行為は、決して放置してはならない。表現の自由を維持するための、いたし方ない制限である。

(2024.2.2)

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