ひとりでもできる!トラウマやストレスのセルフケア①
しばらくシリーズで、「トラウマ」や「ストレス」に関するセルフケアについて可能な範囲でご紹介していこうと思います。一つ一つは短い記事になるかもしれませんが、少しずつ増やしていきますので、よろしければフォローやマガジン登録お願いします!(無料)
トラウマ(心的外傷)について
「トラウマ」と「ストレス」は別個のものです。トラウマ(心的外傷)は正式には、トラウマティック・ストレス(traumatic stress)といい、ストレスの一つともいうことができます。衝撃的な出来事を直接体験したり、あるいは間接的に見聞きした場合に、そのことはトラウマとして(心だけではなく)心身に残ってしまうと考えられています。
トラウマは「心的外傷」という言葉で表されるので、心の傷というイメージが強いですが、実は身体症状としても残るため、衝撃的な出来事(トラウマティックイベント)の後から、痛みやしびれ、緊張、疲労感その他自律神経症状が出てくる場合もあります。
昔は、外傷的な体験(トラウマティックイベント)といえば、実際にまたは危うく死ぬか重症を負うような出来事を体験、目撃、直面した場合のみを指し、アメリカ精神医学会(APA)によるDSM-Ⅳ(精神疾患の分類と診断の手引 第4版)では、以下を2つとも満たした場合のみPTSDとして診断されました(その他にも、特定の症状が存在することが条件)。
また、改訂後のDSM-5においても、PTSDの診断には以下のような条件が書かれています(上記と同じく、ここではPTSDの症状については省略)。
このような診断名としてのPTSD(心的外傷後ストレス障害)と、昨今用いられているトラウマという言葉は違い、最近ではビッグT、スモールtというように、日常生活における比較的小さな不快な出来事に対しても「スモールt(スモールtトラウマ)」として、臨床上考えられるようになりました。
トラウマ、特にスモールtについては、多かれ少なかれ誰にでもあるものですので、全てを無くすことはできません。次のストレスの話にもつながってきますが、トラウマが日常生活などに影響を及ぼしている部分があれば、そこから取り掛かる、あるいはそれが大きすぎるのであれば、周りの主要なトラウマから取り掛かるということが、トラウマ治療の中では行われます。
ストレスについて
話は変わって、「ストレス」についてですが、私たちは何もしていなくてもストレスを受け続けています。ストレスとは元々物理学の用語で、「物体に圧力がかかることによって生じる歪み」のことをいいます。そのストレスという言葉が、心身のストレスというように、身体や心の負担に対して用いられるようになりました。
たとえば、地球にいるだけで重力を感じているので、重力ですらストレスです。呼吸をすることも、立つことも座ることもストレスといえます。マッサージを受けることも、身体感覚を感じることも、考えることも、寝ることもストレスですので、ストレスがゼロの状態というのは、この世に自分が(考える主体が)存在しない状態といえるでしょう。
つまり「ストレスは絶対に避けるもの」ではなくて、「適度なストレスに調整するもの」といえるかと思います。
セルフケアについて
上記で、トラウマとストレスについて短い(といってもnoteとしてはまあまあ長い?)紹介をしましたが、これら大きく分けて2種類についてのセルフケアを今後紹介していきたいと思います。
前述の通り、トラウマもストレスもゼロにはできません(する必要もないです)が、減らす必要のあるストレスを見極め、治療する必要のあるトラウマを処理していく(あるいはトラウマの影響を減らす)ということを丁寧に行っていきましょう。必要な時には専門家の手も借りてみるといいかもしれません。
さて、初回で文章が長くなってきてしまいましたが、今回まだ具体的なセルフケアの紹介ができていませんね。せっかくなので少しだけご紹介します。
「なんだそんなことか」と思われるかもしれませんが、意外と大切なことです。
無理にする必要はありませんが、不快でなければ一度試してみてはいかがでしょうか?
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