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29.黒川あかねのプロファイリングと心理的アセスメント②

黒川あかね(以下、あかね)は、第51話でも得意のプロファイリングを繰り広げています。ただ、このプロファイリングは、あかねでなくてもたどりつけそうな内容です。
公認心理師や臨床心理士という心理の専門家による心理的アセスメントは、もっとご本人から話を聞いていくため、このように連想を繰り広げていくことが同じとはいえないかもしれませんが、あかねの連想を追ってみました。

「アイ。アクアくんが信奉する14年前に亡くなったアイドル」「アイはアクアくんと同じ事務所で、同じくアイドル活動をしている妹は『B小町』を復活させた」「兄妹共々アイに強い執着」「心的外傷。星野アクアが子供の頃に巻き込まれた事件」「複数犯の可能性」「カウンセリング」「アイの殺人事件」「同居してる『苺プロ』の代表の名前は斉藤ミヤコ。里親制度」「兄妹が星野姓を使用する理由」「実父」「アイの名字は公表されていない」

推しの子51話より

「アイには実は隠し子が居る……とか」

推しの子30話及び51話より

あかねの新たなプロファイリング

あかねは連想するのが上手。
とはいえ、そこまで上手でなくても、これだけ情報の欠片(ピース)が揃っていれば、この真実(アイがアクア達の母親で、犯人が複数犯の可能性。犯人に復讐するために追っている)にたどり着くのは難しくないでしょう。

感情演技をする時にフラッシュバックを起こすアクア。
→五反田監督から聞かされる「まぁひどい事件に巻き込まれた。昔のことを思い出すとたまにこうなる」
→あかね「PTSD……心的外傷のフラッシュバックって事ですか?」
→五反田監督「んだ。長い事カウンセリングも受けてたんだが、あんまり家族に心配かけたくなかったんだろうな。完治したフリしてよぉ。まぁそりゃ忘れられねえよな。俺ですら多少は引きずってるんだから」
というあかねと五反田監督との間のやりとり。

五反田監督やアクアの発言からの連想

連想すると、
※カッコ内はあかねの考えを追想してみたもの(筆者による)

アクアは幼少期ひどい事件に巻き込まれた。
PTSDになって今も症状が残っている。

(ひどい事件とは?)

そこで、寝ているアクアから発せられる言葉

「アイ……」

(アイ?→アイといえば、アクアはアイを好んでいた→多くのアイドルを含む芸能人がいる中で、アクアはアイを特別視している→アイが亡くなったのは14年前→14年前といえば、アクアやルビーの幼少期→ひどい事件が幼少期に→2歳頃?アイの殺人事件?→あの時の犯人は捕まったはず→複数犯の可能性もあるか?→アイとアクアやルビーに何らかの関係性?→二人に親はいない。同居しているのは事務所の社長である斉藤ミヤコ。里親制度→その事務所はアイの所属していたB小町の事務所→B小町の事務所といえば、妹のルビーはB小町を復活させた→ルビーもアイに執着→二人の姓は「星野」→アイの名字は?公表されていない→アイの名字が星野である可能性→星野アイ?→二人はアイの子供?→そういえば、以前のプロファイリングで「アイには実は隠し子が居る……」という仮説も立てていた→アクアとルビーはアイの子供?→幼少期のひどい事件はアイの殺人事件?→それがトラウマになっていても全く不思議はない→むしろ納得ができる→アクアは役者になるつもりはないと言いながら、芸能界の方へ→アイを殺したのが複数犯の場合、共謀した犯人は芸能界にいる可能性→アクアは犯人を探して復讐するために芸能界へ?)

→もしそうだったらって考えたら悲しくて

「誰にも言えずに孤独だっただろうな」

あかねの連想は、これまでのアクアの言動や五反田監督の発言から始まっていますが、途中からはアクアの推理とも重なってきて(トレースし)、共感的理解につながり、ともに悲しみを感じ、涙を流しています

「もしそうだったらって考えたら悲しくて」「誰にでも言えずに孤独だっただろうな」という言葉からは、共感というよりは、もう少し距離を置いた印象を受けますが、あかねの共感力・没入する力から考えると、あかねはアクアに気持ちを重ね合わせた後に、「自分自身(の気持ち・考え)」に戻ってきて、アクアに対してこのように応答をしたのだろうと考えられます。

情報のピースがここまできて揃ってきたからこそ、あかねの推理は確信へと近づいていったのだと思われますが、これらの情報からたどり着いたことよりも、むしろあかねの優しさが沁み入ります。
今後もあかねのプロファイリングは続いていきますが、今後アクアとの関係性はどうなっていくのでしょうか。

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