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辛い出来事の乗り越え方

手法は様々あるそうだ。辛い出来事の乗り越え方というのは。どれが合うかは人やその時の状態によって違うだろう。その一つを紹介する。

先日カウンセラーに相談した。鬱が原因で離れていった友達のことを。その話のなかで自分にピッタリだなと思った手法に出会った。PTSDの治療でも用いられるものだという。「辛い出来事そのものに真っ正面から向き合う」という手法である。出来事を何度も反芻すると、脳が慣れてきて辛くなくなるのだそうだ。

例えば津波で苦しい思いをして海に行けなくなった人が、今日は5分、次は10分20分と海に向かって歩いていく。その過程は恐ろしいほどに辛いだろう。トラウマを思い出しながら歩くのだから。だが不思議と、脳は慣れてくれるのだ。ゆっくり時間を掛けて海に近づくことをしている間に、たどり着くという、その海に。

半ばスパルタ的なやり方ではあるが、脳科学に基づいている。ふと思い出した、大学生の頃のことを。詳細は分からないがとてもしんどいことがあって、パッと見で分かるほど沈んでいる友人がいた。その人は自分と似た経験が書かれている本を読んで、本を通して自分の出来事に向き合って克服しようとしていた。

私は逆で、辛かったことと思いっきり重なる小説を読んでいて、辛すぎて読めなくなって本から逃げたことがある。それを泣きながら研究室の先生に相談したところ、「向き合って克服する方法もある」と教えてくれた。半年以上経って、私はその本をようやく開くことが出来た。お陰で卒論はギリギリのハチャメチャだったが…笑。

その小説とは『ガラスの動物園』というものだ。ガラス細工のように繊細で優しい人物が粉々に砕け散る話である。その後強くなれたかは分からないまま、物語は終わる。とても綺麗な作品だ。日本語訳も読みやすいので、ぜひ読んでみてほしい。

失恋したときに失恋ソングを聞いて泣くのも、同じ手法かもしれない。私は自然とよくやっていた。ものすごく辛いのだ。聴きながら涙が出たこともあった。でも自分の気持ちを代弁してくれるから何度も聞く。そうこうしてるうちに、半年、一年、二年と時は過ぎる。ふと振り返ると、辛かった出来事は「ただの大切な過去のひとつ」になっている。私の実体験だ。

あるゲームで惹かれたキャラもそうだった。悲惨な出来事に打ちのめされて、でもそれを真っ正面から受け止める。とんでもなく辛い、心の芯が折れそうになるほど打ちのめされる。でもその思いを大切に抱えたまま、強くなる。立ち上がる。その生き様に惹かれた。私はそのキャラに自分を重ねて、すごく共感して、(その場面のBGMもとんでもなくいい曲で)スクショを撮ったくらいだ。

ちなみにそのゲームとは乙女ゲームで、「イケメンシリーズ」の『イケメン源氏伝』。キャラは平重衡(めっちゃツンデレのイケメン)である。興味のある方は是非やってみて。

逸れた話を戻そう。
真っ正面から向き合う治療法、私には合っているように思える。私の生き様と似ている、こうありたいという生き様に。離れていった親友の事、最愛の失恋相手のこと、職場で受けた嫌がらせの数々、深夜労働の絶望感、商談前の怖いほどの緊張感、、、もう一度向き合ってみたい。次の職に就く前に、それらを自分のなかで昇華しておきたい。もっと強くなれるはず。

ひとまず鬱で離れていった親友については、気持ちを紙に書き出してみようと思う。洗いざらい、正直に。

人によるけれど、合いそうだと思ったらやってみて。

強く、優しくありたい あさひ野

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