見出し画像

私たちのターニングポイント From社内報 #1「打席に立つことから、成功は生まれる!」

本記事では、アサヒ飲料社内報コンテンツとして制作している「ターニングポイント」を一部編集してお送りいたします。「ターニングポイント」では当社役員・事業場長の転機となった経験に迫り、人生や仕事の軸となっていることを紹介しています。社員から人気が高い「ターニングポイント」を通して、当社の歩みを少しでもお伝えできればうれしいです。

今回は、PETボトルの製造技術向上や容器開発チームの立ち上げなどを経験した社員のターニングポイントです。
※本記事は2022年6月に社内報として執筆した内容です。


【プロフィール】

守谷 弘幸(もりや ひろゆき)/常務取締役 兼 常務執行役員
1990年アサヒビールキャリア入社。1996年よりアサヒ飲料の研究開発、生産技術、マーケティング部門を経て、購買部長、調達部長、マーケティング企画部長などを歴任。直近は2020年3月SCM本部長(2021年3月取締役)、2022年1月より経営企画部長を経て、2023年3月より現職。

ヒト・モノ・カネ、ゼロからのスタート


 ―――ターニングポイントとなったキャリア上のエピソードを教えてください。

私のターニングポイントは、1996年7月、副課長の頃、研究所の新設部署である容器包装開発課へ異動となり、容器開発チームの立ち上げに携わったことです。ミッションは、現在では当社のコスト削減の大きなけん引役となっているPETボトルの内製技術を新たに導入することでした。しかし、人事発令時点で呼ばれたのは私だけで予算もゼロ。まずは仲間作りから始めましたが、当時の研究所は新卒・キャリア採用ともに容器開発のことがわからないほとんど素人の集団で、全員必死で勉強し続ける日々でした。

現在でも使用されている守谷の研究所にある成形実験棟

さらに、最初は研究する場所もありませんでした。当時研究所は大森のアサヒビール工場にあったのですが、そこから新たに建設が進んでいた守谷の研究所に移転することになっていました。しかし、既に完成していた設計図には、私たちの新設部署である容器包装開発課の研究スペースがない状態だったのです。すぐに移転の責任者に、今後の研究計画とどのように会社に貢献していくかということを説明し、なんとか研究場所を確保してくれないかと直談判しました。

棟内にあるボトルを成形するブロー成型機(樹脂を熱で溶解し、型に移動させてガスを吹き込み、冷却することで内部が空洞の製品を作成する機械)

熱意が伝わり、専用の実験棟建設とペットボトルの成形実験ができる設備の導入が決まりました。交渉から実験棟の建設にいたるまで、すべてが新しいチャレンジでした。当時一緒に取り組んでいたチームメンバーの中には、今でも容器包装開発の分野で活躍しているメンバーがいて心強いです。

とにかく夢中で過ごした5年間。常にワクワクしながらチャレンジ!


―――チームの立ち上げ、成形実験棟建設の後には、どのようなことにチャレンジされたのでしょうか。

PETボトル内製化の1号ラインを明石工場に、2号ラインを富士山工場に、責任者として約1年で導入しました。これまで当社として経験がないPETボトルの成形ラインの立ち上げは想定外のトラブルだらけでした。成形したものを約1万本目視で確認し、どこでトラブルが起きているのかを突き止めるなど、自分たちですべてやらなければいけなかったので大変苦労しましたが、今思うと非常に面白い経験でした。PETボトルの量産管理用分析機器・システム開発、自動販売機向けPETボトルの設計開発(当時業界初)、「三ツ矢サイダー」紫外線カット型透明ボトルの開発など(※)、在籍していた約5年間でさまざまな新しい技術開発にチーム一丸となってチャレンジし続けました。当時のことをもう一度やれと言われても、できないぐらいの濃い経験ができた30代でした。

(※)「三ツ矢サイダー」紫外線カット型透明ボトル開発(写真左:1998年、写真右1999年)

中でも忘れられない経験は、当時の専務とともにヨーロッパ最先端のブロー成型機メーカー3社とフランス・エビアン本社工場へ訪問した際、ヨーロッパ各国の内製化技術を目の当たりにしたことです。当時、世界最先端のエビアン社のミネラルウォーター工場の光景は圧巻でした。PETボトルの内製化に取り組んでいた中でのこの出張は、怖いもの知らずで慣れない英語にもめげずにとにかく情報収集に必死だったことを覚えています。

後輩に伝えたい想い


―――ご自身のターニングポイントを振り返り、後輩社員に伝えたいことを教えてください。

私は入社当時からマーケティング希望を出してはいたものの、実際にマーケティングに携わるまでには約10年かかりました。また、さまざまな部署での業務を経験し、すべての経験が後々のどの部門でも生かされて今があると感じています。まずは、自分自身の置かれた場所で精一杯花を咲かせることが大切です。そして、失敗は全然怖いものではないので、とにかくチャレンジするために打席に立つこと。打数を稼がないと成功も生まれません。社員の皆さんには、失敗を恐れずにさまざまなチャレンジをしてもらいたいと思います。最後に、私が大切にしていることを3つご紹介します。それは「天の時・地の利・人の和」です。

物事には勝負の時があります。そのタイミングを理解して、自分の強みで勝負し、さらにスケールを取るためには自分一人の力だけではなくチーム力を生かしていくことを大事にしてほしいですね。

20年以上継続!毎年元日のルーティーン

私のルーティーンは、毎年1月1日に自分自身の「Mission Statement」を作成することです。この1年、どのように生きていきたいか、自分の中で大切にしたいことは何か、仕事の面でも何を成し遂げたいのか、年初に書き出しています。そして、毎年同じ種類の手帳を使っていて、この「Mission Statement」を貼り、自分で確認できるように持ち歩いています。見返すと、当時の気づき・価値観などが書かれていて、この手帳はすべて自分にとって財産。ぶれない軸を作り「自分に嘘をつかない」ためにも続けている大切なルーティーンです!

―――ありがとうございました!


今回の「私たちのターニングポイント」はいかがでしたでしょうか?
次回もお楽しみに!