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京都通が教えてくれる「夏の京都」の楽しみ方3選

「夏の京都」はともかく暑い。暑さと人の多さに参ってしまわないように、夏におすすめのスポットを、生粋の京都人で歯科医師、かつ作家でもある柏井壽氏の著書『できる人の「京都」術』(2017年刊、朝日新書)から紹介する。

 まず、おすすめしたいのは、「暁天講座」です。今や「京の夏の風物詩」とさえ言われるもので、早朝に著名人の講話を聴き、朝粥をいただく、という有難い講座です。

「知恩院」や「清水寺」「東福寺」など名の知れた寺院で数日間開かれます。詳しい情報などは各寺院のホームページなどにスケジュールが掲載されるのでチェックしてみてください。

 私が、しばしば訪れるのは「知恩院」の暁天講座です。開催は、毎年7月27日から31日までの5日間。各界の著名人を招き公開講座が開かれます。国宝にも指定されている御影堂の広々とした座敷に座り込み、およそ1時間に及ぶ講話を拝聴するのです。

 ただ、いくら早暁とはいえ、7月末の京都は暑さが最も厳しい時季。エアコンに慣れ切った身体から、汗が噴きだしてきます。けれどもしばらくすると、微かな風に反応し、身体が涼しさを見つけにゆくようになります。

知恩院三門 0624

 エアコンも扇風機もスイッチさえ入れれば、あとは機械が勝手に風を送ってくれ、すぐに涼しさを感じられます。ですが、大自然相手だとそうはいきません。涼を待ち、ときには迎えにいかねばならない……。

 境内から吹き渡ってくる微風が、とてもありがたく感じられます。

 おそらくは、そんなことも「暁天講座」の一環なのだろうと、私は勝手に解釈しています。

 2つ目は、座禅でしょうか。

 なかでも、四季折々その表情を変える名園で知られる、洛北「圓光院」がおすすめです。毎週日曜日だけですが、早朝6時から「日曜座禅会」が開かれています。座禅、作務、法話、粥坐と続き、およそ2時間にわたって寺方の体験ができます。

 気分がだらけがちな夏の朝にはふさわしいひととき。気持ちを引きしめてくれ、一日を爽やかに過ごせる体験となることでしょう。ただ、注意したいのは、必ず前日までに予約をすることです。

 3つ目は、「東寺(教王護国寺)」の夏ならではの景色です。

 京都に五重塔は、「東寺」を含めて全部で4つありますが、それぞれ見るべき季節があります。夏は、やはり「東寺」。「北大門」から入って左、宝蔵を取り囲む堀に蓮が咲きます。

 夏の朝、その蓮の花越しに眺める五重塔が素晴らしいのです。


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