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アオリイカに救われた朝【毎日note】#121

昨日は帰りが遅く珍しく0時半に就寝してのいつもの5時起き。前の日にミジュンがやってきて小魚ハンターのガーラ(たぶんオニヒラアジ)が現れた漁港に再び行ってみるも、今日は海が黒く染まるほどのミジュンの群れは訪れず…ただひたすらに、北からの冷たい爆風に耐え1時間海面を見つめるだけの時間。それはもう、こんな釣りはやめようと思うほど肉体的にも精神的にもつらい時間だった。同じ場所に投網でミジュンを狙いに来た漁師さんたちが帰ってくれたら、私も、もう今朝はミジュンは来ないのだと諦められる…そう思いながら、足を棒にして立ち続けた。そのあと車で暖房を強くつけても、芯から冷え切った体はいつまでも温まらなかった。

すっかり朝日も登り切ったころ、家の近くのイカのポイントに移動した。何人かの釣り人が、ゆったりとした距離を置いてそれぞれの釣りをしていた。大きなルアーをつけてオニヒラアジを狙った同じタックルで、昨日教えてもらったエギングを、今日はひとりでやってみる。

するとまさかの!確か一投目、それか二投目で、竿に重みが乗った。昨日体験したように、海藻か珊瑚がゆるく絡んで重いのかと思ったが、ラインは巻けるしずっと重い。見えてきたエギには茶色い手足がうごめくものが見えて、一瞬、カニがかかったのかと思った。うわーカニなんて扱えないし~と思って竿先を海に戻そうとすらしたけど、よく見たら小さいイカ!

アオリイカの裏側?
表側?エメラルダスというロッドがぴったりで嬉しくなる目の色。


慌てて足元に下ろすと、それはそれは美しいアオリイカ。サイズはとても小さいけれど、初めて自分で釣り上げたアオリイカの姿にすっかり感動した。

昨日教えてもらった通り、スミをかけられないように、自分はイカの頭側に立つ。締め方がよくわからず調べていたら、近くでスプーンを投げていたおじさんに「確かこんな感じだったよ~」と教えて頂きながら締めてくれた。すると色がサッと白く変わる。それでも目の緑色は美しいまま…海の生き物ってなんてきれいで神秘的なんだろう。

もうこれ以上しんどくなるなら、オニヒラアジを追いかけるのはやめて、たまたまの出会いだけに期待を残して、あとは自分が心底楽しめる釣りをしよう…そう思うほどに今朝の漁港での回遊待ちは今までで一番きつかった。

そのつらさを、はじめて私の元にやってきてくれたこの小さなアオリイカが、癒してくれた。オニヒラアジを釣るまでこのしんどい釣りは続くのだろうかと思っていた矢先、まさかまったく別の獲物に救われるとは…。げっそりして変えるはずの今朝、私はとてもぽかぽかした嬉しい気持ちで帰宅した。

エギングは、竿とエギがあればさっと来て投げてしゃくって、さっと帰れるのがとてもいい。おまけにルアーでやりづらいと思っていた漁港などの足場が高いところでもできる。他の魚がいればルアーにつけかえて違う釣りに切り替えることも容易だ。

楽天ポイントの期限が切れそうで慌てて買ったけれど、エギングロッドは本当に買ってよかった。エギングという新しい釣りを始められてよかった。これでまた私は、水辺から離れられない生活を続けてしまうけれど。




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