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北海道から来たのに、沖縄をせまいとは思わない【毎日note】#76
いまWikipediaで調べたら、私の故郷の北海道は、沖縄の約36倍の面積があるらしい。
北海道のことを知らない
ああ、確かにな、とも思わないのだけど、それはなぜかというと、約27年間北海道で暮らして、その大半は運転免許がなかったゆえにほとんどを生まれた街周辺で過ごしているし、あまりに広すぎて、イメージできない空白の土地が多い。つまり、知らないのだ。
知らない、というのは、歴史などを知識として知らないというのもあるけれど、特に体感として知らない部分がたくさんある、という意味合いで言いたい。
免許を取ってからは、運転が好きになったのもあって、2泊3日くらいで行ける範囲はかなり走った気がするけど、目的地から目的地の間が長すぎて、その間はひたすら畑や牧草地、森が続く。ふんわりとイメージは残っていても、点と点の間を埋める具体的な記憶は弱い。
それに、東の果ての納沙布(ノシャップ)岬、南の果ての襟裳岬はたぶん、行ったことがない。北海道の人は誰しも、よほどドライブ好きか全道を巡る営業の仕事でもない限り、行ったことがない地域がいくつかはあるものだ。
まだまだ知りたい沖縄
一方、去年の終わりからはまった釣りやキャンプという趣味のおかげで、通勤路や買い物をする街中、観光地や山奥のカフェなどだけでなく、地図上では空白となっているような名前のないスポットに詳しくなった。釣りもキャンプも、なるべく人が来ない場所でやりたいから、穴場的な場所を真剣に探しているのだ。
休みの日を心待ちにしながら、次はどこの釣り場を巡ろうかと考える木曜日・金曜日頃。あそこも行きたい、ここも行きたい。だけど水位がはまる時間は限られるから、全ては行けない—いつも、そんなジレンマの中で選択をせまられる。ああ、広すぎる!
ただ、私が詳しくなったのは沖縄本島北部であって、これからは南部をもっと探っていきたい。どうしよう、沖縄に飽きる気配がない。
沖縄で暮らしてみたい、という理由で移住したけれど、目線が「働いて食べて寝る」「たまに友達とドライブしたりお酒を飲む」だけだと見えるものは限られる。だけどそこに釣り、キャンプという視点が加わることで、沖縄の見え方がぐっと奥深くなった。ちなみに、釣りとキャンプすら、できる場所が微妙にずれるので、視点は2倍になる。
知らないから狭い
「この街は何もないよ」という言葉を、特に若い人から聞くことが多いけど、もうこれは「嫌いな言葉ベスト3」に入る。
「何もない」はたいていの場合、「買い物ができるところがない」「遊べるところがない」という意味で言われているんだろう。
この前、沖縄生まれ沖縄育ちの友人を、ド干潮時のリーフに案内したら、タイドプールを泳ぐルリスズメダイ(エメラルドブルーに輝く沖縄では最もよく見かける熱帯魚)を見て、「こんなの水族館以外で初めて見たー!」と言うので驚いた。泳がずとも、沖縄の浅瀬でどこでも見られるのに!
でも私も北海道で、住んでいる人には当たり前のことを知らないのだろう。知らないから、沖縄の面積が北海道の36分の一しかないと言われても、ぴんとこない。
北海道、そんなに大きかったっけ? 沖縄、そんなに狭かったっけ?となる。
確かに沖縄はひとつの県の面積としては小さいし、人口密度が高いから、「どこに行っても誰かに見られている」という意味で「沖縄は狭い」と言われることも多い。そこには少し共感するものの、やっぱり私は言いたい。
あなたの街がつまらないと感じているなら、それは知らないだけなんだと思うよ?
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