詩「母性たる家」
おいで おいで。
——これはカカオの匂いだね。
いっしょにハンケチ枯そうか。
こうして、このまま抱いてやろう。
私の母性で、抱いてやろう。
家がそんなにも苦しい?
——家は空間、血。
それじゃあ楽にはなれないよ。
キミが家を生まなきゃならぬ。
——これはココアの匂いだね。
感じてごらん、音楽を、私を。
キミは思う、あなたこそ家と。
家はいくつあってかまわぬ。
キミがあそこへ、行ってもかまわぬ。
おいで おいで
手がこんなにも冷えている。
抱いてやろう、私の母性で抱いてやろう。
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