きたないときれいとラッキー
文:小林新
火曜日。大学は2限の1コマだけ。
今日は何も予定がなかったので午後はまるっと時間が空いてしまった。
お昼を済ませた後、時間があるといつも入り浸るサー室(サークルの部屋)へ向かったものの、今日は珍しく誰もいなかった。
、、、どうしよう誰もいないから口が寂しい。
映画でも観に行こうと思ったけど映画の時間まではまだあるし、
読書は家でしか集中できないし、かと言って帰るには早すぎるし、
勉強なんてしたくないし
外は暑いし。
少しだけぼーっとした後、床に目をやるとポテチの食べカスやお菓子の小袋やティッシュがちらほら。
目に映ったのはいつもの汚いサー室だけど、今日の僕は何かが違った。
なんと掃除を始めたんだ。
普段掃除なんて全くしないし全然きれいきたない気にしない僕が。
サー室の端にあった、掃除用の大きめのコロコロを取り出した僕は黙々と床の上を行ったり来たりして粘着テープにくっつく細かいゴミだの毛だのを集めて、うわーきったねーでもきれいになってんのおもろいなとか思ってまあ長いことおそうじに没頭した。今振り返ると掃除してる自分の姿が一番おもろいんだけど。
ひたすらにコロコロしてる時、ふとサー室で過ごしてきた2年弱を思い出した。
このサー室は、僕らが1年生の時に当時の3年生の先輩のおかげで学校からもらった場所だった。だから僕らの代が時間的にはいちばんサー室を使っていることになる。
サー室があったおかげでみんなが溜まるから、喋って笑う。だらだらしたり、プロジェクターで映画観たり。たまに喧嘩?意見交換?したり。明らかにおかげさまで仲を深めた。いい居場所だったなぁと。
サー室は学校での僕らの拠点だった。
引退はもうちょっと先だからまだ行くんだけど、これから足を運ぶのは少なくなるだろうし、あそこは後輩たちの居場所になる。
なんてことを思ってしまったから、コロコロはしばらく止まらなかった。(単純にゴミがありすぎただけなんだけど。)
気づけば観たい映画の上映時間が迫っていたから、まあまあ綺麗になったサー室を後にした。
その後のラッキーな話が、映画館のメンバーズカードの更新とかなんとかで映画が500円で観れた。
これはもしやいいことしちゃったからかなー、これからいっぱい掃除してみよっかなーなんて浮かれてたけど、
おい待てよこういうのビギナーズラックってやつか?
そうやって掃除の神様は僕に掃除を慣習化させようとしているのか。
いやその手には乗らないぞ、危なかった。
ということで次回僕が掃除というものをするのは年末ということが決まった。
そんな火曜日だった。
ハン・ソロは面白かった。
#日記 #エッセイ #掃除 #コロコロ #サークル #映画 #ハンソロ
*この日記をサークルの友達が読んでくれると、なんか俺やってやったぜみたいなかんじで思われるのは不本意だよ。ただの記録。まあサー室はピカピカだけどね。
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