バラ園のハチを見て先入観を持つことのデメリットを感じた日
近くの公園で「バラフェスタ」が開催されているというので、見に行くことにした。
その公園にはバラ園がある。
そのバラ園の入り口に着くと、あたり一面に色々な種類のバラが植えられているのが見えた。
見頃だったこともあって、まだ咲いていなかったり、枯れていたりしたバラはほとんどなかった。色とりどりのきれいなバラが、広く咲き渡っていた。
ほのかにふわっとバラの香りも感じた。
「うわぁ!楽しみだな~」
わたしは気分が上がっていた。
「早速バラ園に入って、バラを楽しもう!」
そう思って、バラ園に足を踏み入れた。
しかしバラ園に入ってすぐ、「ブーン」という音が何回もすることに気がついた。
「なんだろう?」と思って見渡すと、そこにはハチが何匹も飛んでいた。
しかも、まあまあの大きさのハチがバラの周りをうろついている。
わたしは虫や虫の音にとても敏感だ。
目の前にはキレイなバラがたくさん咲いているのに、ハチが気になってしょうがない。
ハチは人を刺すというイメージも強いから、「近づいてきたら嫌だな…」とか「刺されたらどうしよう…」という恐怖感もじわじわと湧き上がってきた。
「でもせっかくバラを見に来たのだから、ここはバラ園を一周して観賞を楽しまなきゃ!」
そう思って、バラ園を歩き進むことにした。
だけど、やっぱりハチが気になる。
歩きながらバラを見ていても、どこかで「ハチがいませんように…」とか「刺されませんように…」と願っていて、鑑賞に集中できない。
結局、バラを心から純粋に楽しむことはできなかった。
「あーあ…見頃のバラだっていうのに、あまり楽しめなかったな…」
そう思ってバラ園を出ようとしたところ、柱に貼り紙があることに気づいた。
ふと見てみると、そこにはこんなような注意書きがあった。
「バラ園にいるハチは○○という種類のもので、人間に危害を加えません」
びっくりした。
「え?!人を刺さないハチもいるの?それがバラ園にいたハチだったの?」
わたしは「ハチ」=「人に襲いかかる」と思い込んでいた。
でも、ハチの中にはそうではない種類もいたなんて…。
わたしはこのとき、「なんだ!早くこの注意書きに気づけばよかった…」と思ったのと同時に、先入観を持つことのデメリットを感じた。
*****
「これは、こういうものだ」という先入観は「決めつけ」になる。
本当は、そんな決めつけなんて存在しないのかもしれないのに。
また先入観は、何かをやろうとするときの行動を制限してしまう。
やってみないと分からないのに。
わたしは結構、先入観にとらわれてうまく行動ができないことが多い。
わたしが持っている先入観は、過去の経験が作り上げたものが多い気がする。
「あのときこうだったから、今回もこうに違いない」とか。
でも、かつてはそうだったかもしれないけれど、今は違うかもしれない。
もし今後、何かを始めようとしたとき、それに対する先入観があったら、「本当にそうなのかな?」と疑ってみることから始めてみよう。
来年バラフェスタに行く機会があったら、今度はハチがいても楽しめるかなと思っている。
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