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ジョーカー

「『ジョーカー』を見に行きませんか」

ある日、三鷹の雀荘遊図の店主 澤田さんから連絡を受けた。
『ジョーカー』とは、バットマンに登場する悪役であるアーサー・フレック(ジョーカー)を主役においたオリジナルストーリーだ。

私 「それでは9日(水)いかがですか?」
澤田 「そうしましょう。僕からあさじん君を誘っておきますよ。僕が誘えば、ワンチャン来ると思うんだよね」

澤田さんが誘っても100000%来ないことは明白なので、私のほうからも誘ってみることにした。

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その後、すぐに澤田さんから連絡が来た。

澤田 「9日の水曜にP君とジョーカー観に行くんだけど来ないか?」
あさ 「ダークナイトシリーズはあまり好きではないのでご遠慮します」

澤田 「こんな感じで来れないみたい。うーん。。。来るかと思ったんだが」
私 「こちらのほうでも誘ってみたところ、『普通に仕事です』と断られました」
澤田 「両方ウソっぽいねw」
私 「普通にウソです

ウソはほぼ確定であるが、確かめるために森先生にお願いして競艇を誘ってもらうことにした。

森 「6日から11日まで平和島でG1がありますが、いつ行けますか?」
あさ 「今週は9日しか休みがないです」

キャッチボール一回でウソが確定した。


翌日、澤田さんからあさあさのじんをもう一度誘ったという連絡が入った。

澤田 「ジョーカー、評判良いみたいなんだけどな。◯◯さん(女性)が一緒に来るかもしれないけど、それでも来ないね?」
あさ 「 すみません、もう観てしまいました 」


澤田 「コイツは人を不快にするのだけは上手い」
私 「唯一の特技ですね」

ダークナイトシリーズはあまり好きではないので遠慮します」からの「もう観てしまいました」。
彼の人生がこうなってしまった原因の一端が、このコンボ技に現れているのだろう。彼との交流は学ぶことが多い。


その後、彼から追撃が来る。

あさ 「ジョーカーよりも『見えない目撃者』のほうが良いと思いますよ。ジョーカーは観ていて疲れるので。

これからジョーカーを観ようとしている私に他の映画を薦めるという必殺技を繰り出してきた。
しかし私はもう驚かない。一般社会ではあり得ないくらい非常識だが、私と彼は介護士と被験者の関係。彼との対話では容易に想像できるレベルだからである。

私 「そうなんですね。ジョーカーは観ていて疲れるんですね」
あさ 「ジョーカーはキャラが僕と被りすぎて、とにかく観ている間キツかったです(*´艸`)
私 「疲れるのあさじんさんだけやん」


ジョーカーの境遇が自分に似ていて辛かったらしい。
ということは、ほとんどの人間はそうではないので、安心して観ることができそうだ。
脳みそがおかしくなるくらい支離滅裂であるが、とにかく今は『ジョーカー』がとても楽しみである。




その後、ジョーカーを鑑賞した。
主人公アーサー・フレックは、格差社会の底辺の中でもがきつつも前向きに努力していたが、持病や不幸な境遇が重なり悪の権化「ジョーカー」へと変貌していく。
映画が始まって数分で、現実のアーサージン・フレックから言われていた言葉を思い出す。

観終わったら、『あさじんの人生を上映しているみたいだった』とかツイートしそう

登場人物全員がジョーカーのことを アーサー アーサー と呼ぶので、始めから終わりまでほぼあさじんとしか見れず、とても感情移入して楽しむことができた。
ジョーカーの境遇と比較すると、アーサージンのリアルは大したことないが、それでもほとんどの日本人より致命的に貧困である。彼もいつジョーカーに成ってしまうかわからない。彼を救うには周りの手助けが必要だ。

これからも彼の相談に乗ってあげよう。そう思った瞬間に、森先生と平和島競艇へ行っている当人から暗号が届いた。


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彼がジョーカーになったら、私がバットマンとして抹殺しようと誓った。



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