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渡米前の妊娠|日本とアメリカどっちで出産する?

30代後半、夫婦2人でのアメリカ生活が始まると思い今後の人生を考えていた矢先、奇跡が起きました。なかなか授かることができなかったのに、渡米直前というタイミングでの妊娠判定。喜びも束の間。異国の地で無事に妊婦生活を務めあげられるのか?出産はどうしよう?子育て初めてなのに家族や仲間もいないアメリカで育てていけるの?と悩みは尽きませんでした。そんな妊娠判定から渡米に至るまでの葛藤を振り返りたいと思います。


妊娠に至るまでの経緯

ずっと望んでいたのですがなかなか授かることができず、仕事と不妊治療を両立しながらの生活が何年も続きました。何度か着床することはありましたが稽留流産となったり、1人は妊娠12週以降に心拍停止となったので産声を聞くことのない分娩と火葬も経験したりしました。今でもこれらの経験を思い出すと涙がこぼれます。

駐在することが分かったタイミングで、凍結胚が2つの残っていました。私は不妊・不育・高齢の3拍子が揃っており担当医の勧めで移植時は2つ戻していました。なので、残るはラスト1回の移植分だったんですね。

凍結杯の廃棄か移植か。選択肢は2つありますが、夫婦で話し合い移植を決めました。なるべく期待せず、いつも通り淡々と過ごそうと決め、移植後は退職のための引継ぎや、渡米準備に翻弄していました。ちなみに移植当日、この時夫はもう渡米しており、そばにいませんでした。心細かったです。

判定日の日、採血後に毎度おなじみのカフェで時間を潰して過ごしました。もう何度も経験してるから知っているんです。結果を聞くタイミングでピンクの用紙がちらっとでも見えたら妊娠。見えなければダメだったということを。授かりたいくせに、落ち込みたくないからいつもダメなパターンを想定して結果を聞きにいきます。

ところが!結果を聞くため席に着くと、ピンクの用紙があるじゃないですか!ええ!ええ?ええー!!!!

不妊の壁は突破した。次は不育。我が子の命が突然絶えてしまうことも経験済み。妊娠判定の結果をもらったこの日、いつまで続くか分からない妊婦期間を大切に生きようとだけ決めて、喜びをかみしめながら帰宅しました。

不安に感じていたこと

冷静になると不安な気持ちが押し寄せてきました。

  • アメリカに到着してすぐに妊婦検診のため病院にかかれるのか

  • そういえば英語話せないんだった。アメリカで医師とどうやってコミュニケーション取ろう

  • アメリカで健康的な食生活を送れるのか

  • アメリカ到着後に流産や死産したらどうしよう

  • アメリカで死産したら、遺体または遺灰はどうなるんだろう

  • 無事正産期を迎えられたとして、初めての出産を夫婦2人だけで乗り越えられるの?

過去の経験から、最悪のケースばかり想像しました。アメリカ滞在中に妊娠&出産を経験したというブログはたくさん見つけられたのですが、デリケートな話でもあるので、こういった類の内容は見つけられず、悪い想像ばかりが膨らんでいきました。

決断

妊娠判定の結果はすぐに夫へ伝えていたのですが、日本とアメリカどちらで出産するかはまだ決めかねていました。

クリニックの先生にも相談したところ、「アメリカのほうが医療が進んでいることは確か。ただ、英語は話せる?あなたは難しくても旦那さんはお話しできる?旦那さんが英語話せるなら、アメリカで出産を検討してもいいと思うよ。」と答えてくださいました。

悩みが頭の中でグルグルしていましたが、「やれることは全部やり切ろう。そのために、私はこの子を正産期に産むという前提で悩もう」と決めました。また途中でダメになるかもしれないけれど、自分のことじゃなくてこの子を産み育てることを想定して考えようと。そうすると私の悩みの焦点は1つ。日本で産む?アメリカで産む?に絞られました。

日本で産む場合のメリット、デメリットはこのように考えました。

  • メリット

    • 不安な妊娠期間、母国語を使い、慣れた医療制度の中で過ごせる

    • 産前産後に実家家族のサポートを受けることができる

  • デメリット

    • 産後赤ちゃんのパスポートとビザを取得するまでは、父親となる夫と赤ちゃんが生活を共にすることができず、夫が我が子の成長に携われない期間が発生する

    • 0歳児を連れて渡米のため約10時間のフライトに耐えられるか不安

    • 子育てしながら生活立ち上げをする場合、我が子の緊急時に異国の地で対応しきれるか不安

また、アメリカで産む場合のメリット、デメリットはこのように考えました。

  • メリット

    • 私のお腹が日々大きくなる姿を見たり、出産立ち合いや新生児のお世話を通したりして、夫が父親になるプロセスを早い段階から経験できる

    • 妊婦とはいえ身動きが取りやすいうちに、アメリカ生活に慣れておくことができる

    • 妊婦期間中に現地で情報収取をしたり小児科を見つけておくことができ、我が子の緊急時に備えておくことができる

  • デメリット

    • 渡米後すぐに妊婦検診にかかれるか分からない

    • 言語の壁で医療従事者とのコミュニケーションがうまくいかず、日本だと助かる命が助からないという可能性もあり得る

    • 産後翌日または2日後の退院が当たり前のアメリカ。ボロボロの体でどうやって新生児と生きていけばいいのか分からない

このように列挙してみて気づいたのが、私が一番大切にしたいことは「夫と私、2人で赤ちゃんと向き合いたい」でした。

夫に「アメリカで、2人の力で出産を乗り越える覚悟はあるかい?」と意思確認したところ、返事は「覚悟はないけど、なんとなると思ってる」でした。覚悟あると断言してほしかったのが正直なところですが、心配性な私と正反対の性格を持つ夫らしい答え。「なんとかなる」と言うときはいつも陰で努力をして、なんとかしてきた夫だったので、この言葉で笑顔になれました。

こうして私は、アメリカで出産することを決めました。

さいごに

思いが溢れて長文になってしまいましたので、渡米前に妊婦関連で準備したことなどは、次の記事で纏めたいなと思っています。似た境遇で悩まれている方がこの記事を読まれているかもしれませんが、ご夫婦にとってベストだと信じる選択ができることを応援しています!どんな選択をしても間違いじゃないと思いますので、私の決断は参考程度に留めてください。

また、この記事を書いている現在は妊娠後期となります。アメリカでの妊婦検診経験や、マタニティグッズ・ベビーグッズ事情についても今後お伝えしていきたいなと考えています。

最後までお読みいただきありがとうございました!
この記事が、いつかどなたかのお役に立てば幸いです。


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