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疲れと向き合う【コーチングやっています 18】

ストレスの程度にもよるが、例えば震災のような大きなショックや昼夜の逆転が続き、困難な決心を伴う作業の連続でも、2~3カ月までの間なら、本来の問題解決能力で、表面的な業務はうまくこなせるだろう。

ところが、その間に「疲労」が蓄積していくのだ。
そして疲労がある段階に達すると、
体から脳に「これ以上動くな。弱っているからこれ以上の作業を命ずる人を警戒せよ」という指令が出るようになる。
意思とは関係なく、気力と集中力が低下する。
すると本来の問題解決力が発揮できなくなり、トラブルが増え、さらに疲労がたまるという悪循環に陥るのだ。

本来のその人なら周囲に助けを求めることもできるが、この状態になるとイライラや猜疑心が非常に強くなり、簡単に援助も求められなくなる。
いつもの彼とは違う状態になってしまうのだ。いわゆる「別人化」になる。

そして優秀だった彼が、突然業務を投げ出すなどの「折れる」という状態になってしまうのだ。

人は疲れるという当たり前のことを意識する

軍隊では、「人は疲れる」ということを常に意識するように訓練する。
ちょうど長距離ランナーが、まだのどが渇いていなくても、定期的に水分を補給することを訓練するのと同じだ。

まず、軍隊では、「睡眠」と「水分」をとることを強調している。どちらも緊張しているとつい忘れてしまうことだ。

強制的に8時間睡眠と6時間睡眠をさせるグループを作り2週間後に比較したところ、6時間睡眠グループでは、酩酊と同じぐらいの能力の低下が観測された。
米軍などでは、任務中でも少しでも余裕があるときは、交代で積極的に昼寝をすることを推奨している。

ストレス解消の一つに、「楽しいこと」をするという手段を持っている人は多いと思う。ゲームや酒、スポーツなどが多い。
ただ、結果的にそれが睡眠不足につながっているとしたら、そのストレス解消法は、高レベルストレスには通用しない方法だということを知っておかなければならないだろう。

ところが中レベルのストレス状態までに、よく使っていたストレス解消法を、高レベルのストレス状態で急に手放すというのはかなり難しい作業だ。

そこで、日ごろから「睡眠を意識した生活様式」を訓練しておくことをお勧めしたい。

質の高い睡眠のためには、夕方に軽い運動をする、入浴して体を温める、寝る前に明るい液晶画面を見ないなどの方法が知られている。自分に合うものを取り入れてみてほしい。

⚫️東川哲也 official web site
http://asone-labo.com


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