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父との最後の外食、それは焼肉【介護チャレンジ 4】

両親の介護。
そんな中、思い出すのは父との最後の外食。
外食好きだった父は、焼肉が好物でお気に入りのお店ができると、しょっちゅう通っていました。
振り返ると亡くなる1ヶ月前くらいのある日、いつものように会社で事務処理をしていたら、お袋から電話があり「お父さんがあんたと焼肉行くって玄関で車椅子に座って待ってるよ!」約束してないし、今20時半やし。でも、そこで私には何かが走ったんです。速攻で片付けて、戸締まりし、帰りながら焼肉店に電話をし、21時ラストオーダーと言われたが、父の名前を出し、21時までに入店するから!とだけ伝え、急いで両親を迎えに。玄関を開けると、「遅い!」と一言。下半身に力が入らない父を抱き抱えて、急いで車に乗り、半身麻痺のお袋も手を引いて車まで、お店には駐車場が無いから店まで停めて、2人を降ろし、車を近くに駐車場に預けようやく店内に。

座るや否や、これとこれと、と言いながら頼む頼む。
こんな注文して、食べるん?お袋を見やると、かぶりを振る。呆れてるが仕方ない。

お肉がテーブルに並ぶといつものように親父が焼く。
そして、どんどんどんどん私のお皿へ。さあ食べろ。
マジか?こんなに食べれんよ!息子連れて来たかったぁ。

なんとか食べ切ったが、親父食べた?というくらい3切れも食べたか?という程度。
親父が焼肉食べたいって言うから来たのになんで?

翌日から寝たきりになった親父。
最期がわかっていたようで、最後の体力を使って外食に連れて行ってくれたんだと思ってる。

⚫️東川哲也 official web site
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