このラブレターは800字
気がつくと君がいない世界線で君ではない誰かが隣にいる。その人と手を繋いで歩きながら、反対の手でもやもやを抱えている。
わたしこの人じゃない人と幸せになるはずじゃなかった?わたしもっと違う人と一緒にいるはずじゃなかった?
あれ、この人でいいんだっけ?違う人だった気がするのに。
だめだ。だめだ。助けて。助けて。誰かわからないけれど絶対にわたしを助けてくれる「誰か」に助けを求めながら、歩き続ける。
にこにこと隣の人と笑って歩きながら、どんどん絶望が深くなる。
そんな「誰か」が思い出せなくて、そんな「誰か」なんていないんだとじわじわ迫ってくる世界線。
世界線なんて言葉を身近に感じるのはこのときだけだ。
しかも本当の線。
その線がわたしの首と心をしめる。
そうして目が覚める。
君がいる世界線に戻ってくる。
目が覚めてもすごく怖い。
今はたまたま隣に君がいる世界線を起きているけれど、これは現実?
現実だとして、その世界線は続く?
君が好きで大事にしたくて、でもわたしは君の隣にいてもいいのだろうか。
付き合って1年ちょっと、まだそんな夢を見る。
1年間で40通のラブレターを書いた。
元々何かを書くのが好きだとはいえ、そんなに書いてしまう自分にびっくりしたし、毎回嬉しそうに受け取って感想を教えてくれる君にもびっくりしたけれど、1番はそんなに書いてもまだまだ書きたい何かが湧き上がってくることだ。
わたしの中で湧いた思いは、君に渡して感想をもらうことで両思いというセットになる気がする。君のおかげだ。
今年はまだ1通も渡せていないから。
これはまだわたしの片思い。
君はわたしの弱点で、悪夢の悪魔が狙うなら絶対にそこだ。
だからなのか夢の中で君はいなくなる。
いつか夢を見なくてすむ日が来るだろうか。
現実で絶対に助けてくれる君。
悪夢を見ることに悩んでいたら、ぐっすり眠れるような工夫を届けてくれる君。
だいすきよ。できれば現実では手を離さないでね。
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