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遊女


お世話になっております〜!

アートスープ様にて12月に開催した #うろこのすきま4 振り返ってみよう編の続きになります。

前回は鉛筆画の紹介となりましたが、今回はこちらの作品です!



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「水底の小紫」


掛軸です!

ウェーイ!今までで1番描くのに時間がかかりましたー!そしてこれも加筆修正する予定!正直、めっちゃ描くのしんどかったです。

こちらの作品もサイズが大きいです。しかも掛軸なので縦に長い。紙もいつもの水彩紙とは違う画仙紙というやつで、色々な面で初めてだらけの試みでした。自分の計画性の無さにめちゃくちゃ追い詰められました。笑 自業自得やんけ。

何が描かれているかというと、金魚の人魚で、花魁さんです!

タイトルの「水底の小紫」は文字通り水底に小紫という源氏名の花魁さんがいますよ〜という意味です。美しく結った髪が水中で解け、赤い煙管も水の中では意味を成さず揺蕩う。湖の奥底に人魚の花街があったら、それこそ竜宮城の様な感じなのでしょうか。

日本の人魚と言えば、妖や化け物の類に分けられるかもしれませんが、こちらの彼女は花魁でありながら、その地の守り神的な、神聖な存在として描きました。

その花魁を守るように2匹の薄桃色をした金魚がいます。彼女らは禿(将来花魁と同じ様に位の高い遊女になる為、幼い頃から花魁に仕え芸などを学ぶ見習い童)です。自分の趣味で品種はヒレ長の鉄魚(アルビノ変異)にしました。禿は花魁の元で厳しい修行を経て、認められてから初めて人魚に変化します。

はぁー設定作るのめっちゃ楽しいこれ。日本独自の文化、着物や昔の人の暮らし、風俗がめっちゃ好きです。花街の決まり事とか下町の生活とか想像すると胸が踊りますなー。なので着物の柄とか煙管とか地味にこだわりました。遊女達の間では煙管は長ければ長い程、粋だったそうな。

和室で金魚がテーマの展示をするぜ→和室なら和のテイストな作品を作りたい→よし掛軸を描こう

こんな安直なノリです。笑 そしてそのノリに後々追い詰められる自分。

小紫花魁にはまたどこかで再登場してもらうかもしれません。今回はこんな感じに収まりましたが、ここで描かれている彼女は身体を折り畳んでいるような状態なので、全長がめちゃくちゃ長いです。そういうのもいつか描けたらいいなと思います。

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展示の様子はこんな感じです。

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昼間に逆光になる事を全く意識していなくて、初めて逆光になっている画像を見た時には、おわマジか!って思ったんですけど、絵を見てくれた方が逆光で透けている事に関してとても嬉しい言葉を言って下さって、かなり救われました。

自分は描いた人間ですから、どうしても悪い所に注目してしまう事が多くて。第三者視点からの感想は自分の作品に対する悪いフィルターを少しクリアにしてくれたり、好きになるきっかけを貰えます。こういう事があるから企画展示やイベントに出展して良かったなと思えます。

と言いつつ、悪い評価をいただく事もあるので逆も然りなのですが。その辺り色々難しいですが、自分は少なくとも何でもかんでも他人の言葉を真に受ける必要なんてないとは思いますね。


いや今回めっちゃ文章長くなったな。そんぐらい今作は気合い入りました。


2020年、楽しみにしていた旅行をキャンセルせざるを得なくなったり、会いたい人に会えなくなったりと色々と混沌とした年になりました。今年もどうなるか分かりません。

でもギャラリーさんや作家さん、他にも色んな活動や生活をしている方々が皆ギリギリの中で協力して試行錯誤しているのが垣間見える。その度皆すげぇなって心底思います。リスペクト。

自分自身も出来る限りの事をしながら、今年も楽しい事ひとつひとつ集めてやっていけたらと思います。

よろしくお願い致します。


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