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新居探しでの「巡り合わせ」 2/2 ー 同棲解消記録 『色恋を持たない多崎ありゅーと、彼の巡礼の年』

同棲解消に伴う家探し物語、後編。

前編は以下。


巡り合わせの妙

不動産屋さんがいうと説得力もひとしおだなと思ったのが、

物件も色恋も、結局は巡り合わせ、
というもの。

今日素敵な物件に出会えるかも究極運次第ではあるが、よいと思ったらそれはもう巡り合わせ。
それは色恋も同様であって、今は辛い渦中だが、きっといつか巡り合わせで素敵な出会いがあるはず。物件同様、全ての理想にかなう相手と出会うことなんて不可能である一方、少なくとも巡り合わせというものに謙虚に感謝し向き合えば、きっと幸せになれる。
Tさんの言葉はとても力強く、勇気づけられた。

Tさんは1年の充電期間(この期間は誰とも付き合わない!と決めて、別れた彼女関連の心の整理と自己研磨に集中)を経てマッチングアプリに参戦。「1ヶ月!会う人数は5人迄!」と期間・人数を区切り(極めて不動産仲介者らしい、物件探し的アプローチ……!!)、そして今は幸せの中にある。前の女性との、身体半分持っていかれるような辛い別れがあったからこそ、今の彼女の「一致した温度感」等にとても幸せを感じることができる、全ては繋がっている、とのことだった。
先の言葉が重みを持っていたのは、ただ言いっぱなしでなくTさんのこれまでがそれを体現していたからだったのだ。


偉大なる一歩

その日のうちに引越し先が決まった。別に期限が決まった引越しではない以上私としては時間はどれだけでもかけられるのだが、この日内見したお家との巡り合わせをまさに信じたかたちである。新しいお家が今から楽しみ。

そして何より、今回のTさんとの巡り合わせに、とても勇気づけられた。今は辛いけれど、同じ辛い時期を経て今幸せのさなかにあるTさんの歩みを見て、私も追従できたらよいな、と、希望を抱くことができた。


鍵引き渡しまでの諸々の手続きの過程で、嬉しかったのがTさんから受け取ったメッセージ。

「亜流さんとの関わりの中で、今自身の置かれている状況がとても幸せなものなのだと、改めて気づくことができた。その気づきを与えてくれた亜流さんにはとても感謝している」

私は今こんな状態なので、他人に対し、とてもじゃないけれど「いい影響」を与えられない状態だと自負している(巡礼におけるこの気負いについては、また別に記載したい。)。そんな中で、Tさんが私との関わりを経て、どういうピタゴラスイッチであれ幸せを感じることができたのであれば、これはもう幸い、と思うほかない。

引越しが落ち着いた頃を見て、Tさんとは飲みに行く約束をしている。その頃には環境の変化を経て、もう少し、前を向けているはずだ。


引越業者の訪問見積もりにて

さて、お家が決まったので次は引越しの手続き、ということで引越し業者に訪問見積もりを頼んだ。パリッとした営業マンがうちにやってきた。

単身引越しにしては家具が多いこと、てゆか単身にしては今の家が広すぎることは、実際に訪れられれば明白だったので、「同棲解消に伴う転居です。へへへ(←哀愁の化身として全米が涙したチャラチャラ笑い)」を繰り出したところ、タブレットに家具を打ち込んでいた営業マンの手が止まった、


「あ、私もつい2週間前に彼女に振られて同棲先を追い出されたんですよ」


え、同棲解消、流行ってんの?

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