スピード感

つかまらないケアマネで有名なアルパカ。

朝イチから訪問に出たっきり、終業時になっても帰ってこない。

看護師さんやリハビリスタッフさんにも同じ所内やのに、一瞬しか会わんねって笑われてます。

管理者なんで残業代は手当に込みやからこういう日もあるさと割り切ってるけどね。

入院や急遽の新規の対応が多い。

季節の変わり目やね。

あっちの病院こっちの病院とのやり取り。在宅戻るための相談を病院の相談室に繋げ訪問看護やら診療やらの相談をかけ、お得意の即日納品出来る?とか用具さんに泣きついたり、もうねびっくりするくらい忙しい。

でもね、このスピードが大切。

新規の癌の患者さんのところへ連日訪問。病院から退院してきたのは良いけど、痛みが強くて動く事がままならん。痛み止めも使ってるけど上手くコントロールがついていない。老老介護で頼れる親族もいない。申請は病院でしてくれたけど、何をどうしてよいのかが、分からないまま包括に連絡が入ったケース。たまたま時間が取れるからすぐに行こうかと言い、訪問。

なぜ、この状態でケアマネもつけないまま家に帰したんやー!!と言いたくなるくらい困ってた。

入院中、面会も制限されてたし、病状の説明も十分に受けたわけではなくというか、理解されたわけではなく、オピオイドの使い方にも不安があった。

オピオイドからか、がんの転移からか本人の認知機能も怪しい部分があり、2人での生活についてどうしていけば良いんか分からなかったと。

ケアマネは何をする人、介護保険の説明、医療との調整等説明、理解してもらいその上で、すぐにでも必要そうなものの手配を用具さんにお願いしたときの本人や妻。

泣いてしまわれた。誰に相談してよいか分からなかったって。本人は痛みに苦しみながら、早くお迎えにきてほしいと思ってたと。痛みはなんとか和らげて欲しい、妻にはなるべく迷惑をかけたくない、住み慣れた家でギリギリまで過ごしたいって想いを吐露してくれた。老老介護やけど、妻の理解力が高かったから本人や妻とよく相談しながら決めていこうと話をした。

ガンである事、状態は厳しいということを本人も妻も理解されてたからこちらも話をきいたり、説明することもすごくやりやすい。

ここ、すごく大切な事。

家族が本人には言わないでっていうパターンが実は無茶苦茶大変。でもね、本人結構気づいてるんよ。家族いない時になんど言われたか。「アルパカさん、治らんのやろ。もう苦しいとか痛いのは嫌なんよ。治療はせん。痛みをとってくれればええ。」って。

これな、言われたら、どう家族に伝えよかむっちゃ悩むよね。

こういう時は、お医者さんや看護師さんに伝えていい?って確認する。

良いって言われたら、誰が本人の思いを家族に伝えたり、その後の提案をどうするか役割分担。

本人や家族にとって誰から話をしてもらいたいかってことが、ディスカッションされていればおのずと方針が定まってくる。本人を中心にどうしたいのかって決めることができる。

この方も、言うてくれた。

『アルパカさん、もうね、覚悟は決まってるんや。妻と2人でずっとやってきたから、妻にだけは最期自分の世話が大変で倒れるような事だけにはしたくない。痛いことやしんどいことはみてるほうも嫌やろし、僕も痛いんは嫌や。今後言えなくなるから、今のうちにあなたには言っておくね。』って。

連日調整してて、2日目にポロっと私に言うてくれた。妻も一緒に聞いてくれてた。

想いを伝えてくれて、ありがとう。

この方にとって、そしてその妻にとって良かったって思える生き方ができるよう、お手伝いをいたします。



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