自宅で死ぬ(看取る)こと。 その①用具から考える。
これはシリーズ化しようと思う。
新型コロナの影響もあるのか、関わらせてもらい、早い人やと1週間も関わらずにお亡くなりになることが増えてきている。一ヶ月くらいって方も多いかな。うちがその間訪問したのは実質、一・二回って事も。
そして、病院に入院すると面会制限から会えないと言って、自宅で死にたい、自宅で看取りたいという方が増えている。
ギリギリまで大病院に通院してて、次回の通院が出来なくなったとか、急に体調が崩れて・・・って慌てて申請して介護度がつく前に亡くなられるってパターンも多い。
うちが働いている区では、認定調査が終わってたら、見込みである程度動ける。区でガン末期の人は早めに調査に入ってくれるし、介護度の低い人がガン末期で急遽区分変更(介護度の見直し)する時は数日内に調査をしてくれる事もある。
ほんまこれ、市内でも区によって対応が違うから困る。うちの働いている区はかなり優しくて有名。場所によっては一次判定も教えてくれない所もあって、なかなか見込みで動けなかったりすることもある。(これ区による差があるのはおかしいって協議会とかでも言うねんけど、市がデカすぎて統一できないらしい。意味わからん!!)とりあえず、うちの働いている区は比較的動きやすいので、その基準で挙げてみます。
多くの方がおっしゃるのが介護用のベッド(ギャッジアップが出来るもの)、床ずれ予防マットレスやエアマット、車椅子、ポータブルトイレといった福祉用具。
そんなかで面倒なのが、ポータブルトイレ。
レンタルじゃなくて買い取り。
これってね。ガン末期の人やと、正直、2週間くらい使えればええかなぁって感じ。トイレに行けなくなって、ベッド側にポータブルトイレ置いて、その後ベッド上でオムツ交換になって。数回しか使わなかったって人も多い。
もうね、もったいない。そして、これいったん買い取って、後からお金が戻ってくんねん。お金が戻ってくるのに数ヶ月。認定降りるのが遅いと、もっとあと。その頃には亡くなってたり、入院されたりで。いつも思うのが、ガン末期の人で数週間程度って言う人(在宅診療の先生が主治医だとおおかたの予想はされる)には自費での貸し出しで十分じゃないかっていつも思う。結局数回しか使わなくて、その後、処分するためにはお金かかるしね。もったいない。もし、安くで貰えたりするのであればそれで十分かもしれません。
うちがケアマネで動く場合、ガン末期って言われてたら最初の電話等での初回訪問のアポ取りの時に福祉用具の説明して、事業所さんをいくつか紹介して選んでもろて、はじめましての時に一緒にその用具の相談員さんと訪問し、療養環境を一気に調整するって事が多い。はじめが肝心。スピード勝負です。そして訪問診療の先生や看護師さんが入っていたら、状態に合わせて福祉用具をコロコロ変えていくことを説明しておく。こういう状態になったらこういうものを使用しては?と前もって本人や家族に伝えておくと、先生や看護師さんが、こういう状態になったよと言った時、スムーズに用具が切り替えられて、本人が安楽に過ごせる。日単位やったり、週単位で、手すり→歩行器→車椅子ってしたり、ベッド、ベッド手すり、マットレス→床ずれ予防マットレス→エアマット→体位変換機能付きエアマット等に用具さんに入れ替えをしてもらう事ができる。この環境調整ってむっちゃ大切。いかに本人が安楽に過ごせるか、そして介護する側も安全に安心して介護ができるかが変わってくる。用具の相談員さん達もうちが関わる方はガン末期の方が多いことを良く知ってるので、即日納品できるようにスタンバイしてくれていることもある。昼間に医師や看護師さんから状態の連絡が入り、家族に連絡とり必要性の確認したらその日の夕方には用具さんが持っていってくれるって事をしてくれることも。(無茶振りしてほんますいません)
おうちで看取って欲しい、看取りたいと思われる方への療養環境のアドバイス!
これは、元気なうちから考えておいてください。
①ベッドがおけるスペースの確保ができますか?→呼吸がしんどくなったり浮腫も出やすかったり、自分での寝起きがしんどくなります。そうした時にギャッジアップ出来るベッドがあるととても楽になるのですが、ギャッジアップが出来るベッドはスペースをとります。また、ポータブルトイレを置いたり介助をすることそして入浴をするも考えてベッド周りにもう一台分程度のスペースがあるところが望ましいです!(ご家族が横に布団を敷かれて寝起きされる事も多いです!)そして電源を使うのでコンセントの位置の確認。そしてテーブルタップの確保を。4口ほどコンセント口があると便利です。(ただしタコ足にならないよう電力とか確認しておいて下さいね)ギャッジアップベッドの電源、エアマットの電源、場合によっては吸引機や持続点滴の電源等電気をかなりつかうこともあります。
②2階が寝室という方はもし、1階にスペースがあれば、ある程度動けるうちに1階での生活を考えてください。→2階でもトイレやお風呂もその階にあればまだ良いのですが、階段の昇降はしんどくなると途端に出来なくなります。最近の建売住宅では二階にお風呂やトイレがあってというお宅も多いのですが、衣食住の空間が縦というのは、動きが悪くなった時不便な事も多いです。
③都会に多いのですが、特にセキュリティの高いマンションはいろんな人が関わる時に鍵の開け閉めが大問題になります。家族が同居してる場合は家族に開けてもらえば良いのですが、その家族がいない時や元々1人暮らしの場合、ヘルパーさんや看護師さん等が関わってケアしてもらう時にオートロックをどのように開けて、部屋までたどり着いて、そして鍵を開けるかが、かなり困る事が多いです。こういったセキュリティが高いマンションにお住まいの方はあらかじめ管理会社等にこうした場合の取り決めを確認しておくことや、自治会で取り決めを作っていただいておくと良いです。マンションは室内がフラットなところが増えてきているので、療養環境は一軒家より整えやすかったりもします。
④ベッド⇄トイレの動き方の確認。→多くの方がギリギリまでトイレは自分でしたいと言われます。トイレまでの動線はいかがですか?目の前がトイレ、数歩でトイレに行けますか?トイレ内のスペースは?車椅子が使えますか?介助者が入れますか?ポータブルトイレは使用出来ますか?プライバシーに配慮したところに置けますか?ポータブルトイレの場合、誰が使用後綺麗にしますか?皆さんおっしゃります。なんとかトイレには自分で行きたい。下の世話は家族にも他人にもさせたくないって。確かにそれはそうです。じゃあ、それを叶えるためには、やはり環境が大事なのです。トイレをどうするかで療養生活を考えると良いと思います。
自宅で死にたい、看取りたいと思っている、本人さんやその家族の皆さん。どうか環境を確認してみてください。あとは介護保険のレンタルで有れば、必要なくなれば返却できます。介護認定のついている方はまずはケアマネや福祉用具のヒトに連絡してください。レンタル出来るもの、買うもん(ポータブルトイレやお風呂用品)、工事するもの。いろいろ相談をしてみて下さいねー。
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